持続化給付金の給付作業(事務作業)を、経産省が差配して電通やパソナなどが設立した(社)サービスデザイン推進協議会が769億円で受注し、すぐにトンネル経費代金として20億円を差し引いて、実務を電通に丸投げ(電通は更に子会社等の関連企業とパソナなどに作業を委託)した件は、国民の税金を、国民が知らないところで経産省や電通などが自由に取り扱っているとして問題になっています。
そして765億円という額についても、給付作業1件当たり約5万円という法外な単価になっていて、これも国民の目が届かないところでいい加減なことが行われていることを思わせます。
更に第2次補正予算案で持続化給付金が増額したのに伴って、その給付作業費として約850億円が追加計上されているということです。本当にどこまで好き勝手に税金をモノにしようとするのでしょうか。
ところで今の段階で「何故に」と不評ふんぷんの「Go Toキャンペーン事業」には約1・7兆円が計上されていて、その運営事務を行う事業者への委託費には最大3095億円を見込んでいることが分かりました。総額の約18%に当たります。
3日の衆院国交委員会で、赤羽国土交通相は「これまでになかなかなかった」異例の金額であることを認め「可能な限り縮小する」としました。経産省の対応に比べれば遥かにマシですが、事業者を選定する第三者委員会については、メンバーや議事録などを公表する予定がないことも明らかにしました。
委託費の使途については、経済産業省の担当者は「事務局全体の報告業務、問い合わせ対応、キャンペーン広報や、これらの業務の人件費など」と答えています。しかし項目を並べ立てれば金額が自動的に増えるというものではありません。官僚である以上、せめて税金を適正に使うことには最大限留意すべきです。
毎日新聞の記事を紹介します。
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Go To キャンペーン
国交相、異例の金額と認め縮小言明 業者選定過程は公表せず
毎日新聞 2020年6月3日
新型コロナウイルスで需要が落ち込んだ観光や飲食産業を支援する政府の「Go Toキャンペーン事業」で、運営事務局となる事業者への委託費を最大3095億円と見積もっていることについて、赤羽一嘉国土交通相は3日の衆院国交委員会で「これまでになかなかなかった事例」と述べ、異例の金額であることを認めた。そのうえで、「説明責任が尽くせるように可能な限り縮小する」とした。また、事業者を選定する第三者委員会については、メンバーや議事録などを公表する予定がないことも明らかにした。
同キャンペーンは、4月末に成立した第1次補正予算に約1・7兆円が計上された。赤羽氏は、3095億円の委託費の算出根拠について「経済産業省が(事業費の)18%くらいの想定をした」と説明。昨年地震が起きた山形や新潟での観光支援事業でも事務委託費が約2割だったことをあげ、「根拠のない設定ではない」と述べた。委託費の使途については、経済産業省の担当者は「事務局全体の報告業務、問い合わせ対応、キャンペーン広報や、これらの業務の人件費など」とした。
これに対し、野党からは「事務経費がかかりすぎで、予算を減らすべきだ」(立憲民主党の荒井聡氏)などと批判が出た。
委託先は、国交省、経産省、農林水産省が共同で5月26日~6月8日の期間で公募しており、事業者の提案内容を観光、飲食、商店街、イベントなど4分野の専門家ら6人の有識者で作る第三者委員会で審査したうえで選定する。国民民主党の谷田川元氏は「第三者委のメンバーや議事録は、事後検証のために開示すべきだ」と求めたが、経産省の担当者は「個別事業の採択を選定する審査会のため、氏名や議事録については公表を考えていない」と拒否した。
一方、この日の衆院経産委員会では、新型コロナの影響で売り上げが減少した中小企業に国が支払う「持続化給付金」の業務の事務委託費について、遠山清彦副財務相は、第2次補正予算案で約850億円を追加で計上していることを明らかにした。同業務は民間団体に約769億円で委託され、大部分が大手広告会社の電通に約749億円で再委託されていた。野党は「769億円について国民から疑問の声が上がる中、なぜ減額ではないのか」(立憲民主の川内博史氏)と批判。遠山氏は「今年創業した企業など支給対象の拡大に伴い体制を拡充するための費用だ」と説明した。【工藤昭久】