『文春オンライン』が5月26~29日の4日間で「ここまで安倍内閣の“コロナ対策”は何点?」についてアンケートを行い、10代~80代まで1501人から回答が寄せられました。
その結果は、「0点」~「30点」という非常に厳しい評価をした人が70。0%を占めたのに対して、合格点の「70点」~「100点」は僅かに12.8%で、平均点は27.3点でした。
『文春オンライン』は出された具体的な意見(評価)をランクごとに丁寧に紹介しています。
最初は「100点」と付けた人たち(1.5%)の意見で、それを読むと正に「ベタ誉め」の岩盤支持層であることが分かります。
それに対して「0点」「10点」「20点」の辛口評を具体的に見ていくと、「“アベノマスク”も来ないし、現金10万円も申請書類すら届かない」とこの間の対策の“遅れ”を指摘する声が目立ち、納得が行きます。
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「ここまで安倍内閣の“コロナ対策”は何点?」
平均点はまさかの“27点” <アンケート結果>
「文春オンライン」編集部 2020/06/02
緊急事態宣言が解除された首都圏など各地の学校で6月1日、約3カ月ぶりに授業が再開された。東京都でも映画館、スポーツジムなどの営業も始まり、電車で通勤する人も一気に増え、徐々に経済活動が戻ってきている。
安倍晋三首相が緊急事態宣言解除を表明したのは5月25日。会見で「日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができた」と話した。
WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長も日本の全面解除を巡り、「日本は成功」したと評価。日本の10万人当たりの感染者数は13.2人でG7のなかで最少。同じく10万人当たりの死者数は0.64人。欧米先進国と比較すると少ない数字だ(どちらも5月26日時点の情報)。
そこで『文春オンライン』では、緊急アンケート「ここまで安倍内閣の“コロナ対策”は何点?」を実施。5月26~29日の4日間で、10代~80代まで1501票と多数の意見が集まった。その結果を見ていきたい。
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まずは点数別の票数を発表しよう。
点数
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票数
|
割合
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点数
|
票数
|
割合
|
点数
|
票数
|
割合
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100点
|
23
|
1.5%
|
60点
|
72
|
4.8%
|
20点
|
207
|
13.8%
|
90点
|
31
|
2.1%
|
50点
|
133
|
8.9%
|
10点
|
277
|
18.5%
|
80点
|
73
|
4.9%
|
40点
|
54
|
3.6%
|
0点
|
385
|
25.6%
|
70点
|
65
|
4.3%
|
30点
|
181
|
12.1%
|
(原記事は円グラフで表示)
最も多いのが「0点」385票、次いで「10点」277票という厳しい評価が目立った。では平均点はどうだろうか。
平均点はまさかの……
総数1501票の平均を出した結果、「27.3点」となった。学校の定期テストであれば“赤点”になってしまう点数だろう。WHOにも「成功」と言われた安倍内閣の対策だが、なぜ多くの人は不満を持っているのか。100点~0点まで、具体的な意見を見ていくことにしたい。
■100点 23票(1.5%)
まずは大絶賛の100点満点の声から。
「欧米各国の首相や大統領クラスとの比較では断トツの政策立案能力、国力の維持、実行力が評価される。翻って政策立案能力の無さ、品の無さ、中韓寄りの発言や行動が目立ち、国家を滅ぼしかねない野党はあまりにもだらしない。
戦前や戦後の混乱期を除いて安倍首相以外で、日本の国際ステータスや発言力を高めた国家リーダーはいなかった」(70歳・男性)
「誰が首相を務めていても、今の安倍内閣よりうまくことに当たって行けたとは信じられない。特に、批判一辺倒の野党には全く期待できない」(55歳・女性)
■90点 31票(2.1%)
「結果がすべて」という意見が並ぶ。マイナス10点の理由は?
「とにかく結果が良い。これで文句を言う人は欧米の状況をよく見ると良い。専門家の力を結集し、厳しい行動制限や私権の抑圧も無い。テレビを始めとしたメディアの非中立性、恐怖を煽る姿が顕わになった」(61歳・男性)
「どこの国にも正解がわからない中、法律の範囲内でよく健闘した。経済や市民生活はダメージをうけたものの、他国に比べても最小限にとどまっていると思う。結果が全て。100兆円規模の思い切った経済対策も評価できる。100点からのマイナス10点は、アビガンが5月中の承認が得られなかったこと」(53歳・女性)
「星野源コラボとマスクで10点減点」(51歳・女性)
■80点 73票(4.9%)
まだまだ高得点圏。政府の対策を評価する理由は?
「闇雲にPCR検査をするのではなく、医師の診断のもと疑わしい場合はまずCT。肺炎の診断が出た時にPCRというのは正しかったと思う。
スピード感については野党が邪魔をしていたり、日本のシステムが緊急時さえいちいち議会で承認を得なくてはならないというハンデもある」(50歳・女性)
「速やかに学校を休校にし、日本人の国民性を信じた施策のおかげで『2週間後の東京はニューヨーク』の脅しがことごとく外れた」(44歳・女性)
「日本を批判する諸外国のメディアは、自国の状況と比較して欲しい。ヤフコメ等をみると、良識を持った日本人が増えたと思う」(68歳・男性)
■70点 65票(4.3%)
票数はまだ増えてこないが、ポジティブな意見が多い。
「優良可で言えば、良かなという感じ。マスコミや海外の雑音に惑わされず、日本式を貫いたのは正解だった」(61歳・女性)
「批判ばかりの野党やマスコミのフェイクニュースに負けずに良くやっている。権利ばかりを訴える最近の風潮に嫌気がさしてきた!」(69歳・男性)
「国民1人当たり一律10万円は良かったです。ただし “国の借金”も1200兆円を越える勢い。世界一の借金大国日本の将来が不安です」(46歳・男性)
■60点 72票(4.8%)
点数的にはここまでが合格ラインだろう。
「安倍政権はいろいろ問題もあるかもしれないけど、休みなしで、逃げ出さずがんばっている姿は感謝しかありません」(53歳・女性)
「感染対策については、中国からの入国についてのんびり構えていたのは×。その他は、学校の一斉休学がやや唐突で説明不足だったのを除けばおおむね合格」(51歳・男性)
「春節の入国禁止をしなかったことでマイナス40点」(53歳・女性)
■50点 133票(8.9%)
シビアな声が出始める50点。票数は少し増えたが……。
「30点と言いたいところだが、野党がやるともっと酷くなると思うので50点」(62歳・女性)
「たまたまうまくいっているといった感じ。右往左往して芯が見られない」(54歳・男性)
「10万人あたりの死者数はG7でも優秀。だが、経済対策・補償対応の遅さは目につく。特にまともに取り合おうとしなかった麻生財務大臣の発言はかなり問題があると思う」(44歳・男性)
「吉村大阪府知事に比べてはるかに対応が遅くて分かりづらい」(58歳・男性)
■40点 54票(3.6%)
学校によっては赤点になる40点。
「経済面は評価する。しかし、春節に中国人を入国させたことが第1の失敗、緊急事態宣言が遅れたことが第2の失敗、そしてアベノマスクを配布したことが第3の失敗」(68歳・男性)
「『専門家の意見を聞いて……』と言うのはもっともらしいが責任回避のように感じられる。吉村大阪府知事も専門家に諮っているが自身で決めている」(72歳・男性)
■30点 181票(12.1%)
ぐっと票数が増してきた。「遅い」という文字がかなり目に付くように。
「とにかく経済対策が手元に届くのが遅い。いまだにマスクも10万円の給付の用紙も届いていない」(54歳・男性)
「特にアベノマスクはコロナ対策としては世紀の大失敗だったと思います。今さら感が強く、むなしい気持ちになってきました」(45歳・男性)
「学校を一斉休校してから3カ月なのに、首相は1カ月半で収束したかのように言っている。実際はクルーズ船から始まり、4カ月も経過している」(65歳・女性)
「全ての判断が遅すぎるのと、コロナが流行ってる時に別の法案を採決しようとしてましたよね」(29歳・男性)
■20点 207票(13.8%)
手厳しい意見がズラリ。コロナ対策の様々な分野で不満がたまっているようだ。
「正直『何かを成し遂げた』という印象は皆無です。マスク、10万円、アビガン、PCR検査増……どれも完遂したものはない」(48歳・男性)
「飲食、サービス業をはじめ、補償無しの『お任せ休業』スタンスを最初から貫く気満々だったのでは。暴動も起こさず、根気よく付き合って協力する国民性に100%救われた」(50歳・女性)
「なにもかも遅い。私の会社が潰れそう」(54歳・女性)
「官僚の書いた文を棒読みするだけの会見がツラい」(59歳・男性)
「すべてが遅いし、お肉券とかお魚券とかコロコロ変わった挙げ句に無駄なマスク2枚配布……しかもまだ届いてもいない……」(41歳・男性)
■10点 277票(18.5%)
0点でないだけマシだが……2番目の票数を集めた。都道府県知事の動きの良さに助けられたのではという声が多かった。
「0点にしたかったが、10万円配布で10点」(71歳・男性)
「すべてが鈴木北海道知事の対応の後追いだった」(72歳・女性)
「緊急事態宣言の解除基準を出せず、吉村大阪知事の後追いするとは国として情けない」(55歳・女性)
「政府があってもなくてもよいと思いました。地方の知事のほうが頼もしい」(51歳・女性)
「西村大臣がちょっと成長したのだけがよかった」(56歳・女性)
■0点 385票(25.6%)
そして、25%強と1番の票を集めた0点。 多くの人は何に“怒って”いるのか。
「マスクも来ないし、10万円も申請書類すら届かない」(67歳・男性)
「10万円の給付やアベノマスクの配布等、コロナ対策の全てが遅い」(24歳・女性)
「吉村大阪府知事の『大阪モデル』に便乗して『日本モデル』と発言したのが情けない」(53歳・男性)
「吉村大阪府知事や小池東京都知事の方が政策などの話がわかりやすい」(36歳・男性)
緊急事態宣言解除の前週に『週刊文春』(5月21日発売)が報じた黒川弘務前検事長の「賭け麻雀」問題も大きく響いた。
「コロナのさなかに黒川問題とかあまりにもいい加減すぎる」(66歳・男性)
「火事場泥棒的な検事長定年延長などいくつか法案を通そうとしていた」(35歳・女性)
「どさくさ紛れの黒川問題がとどめだった」(61歳・男性)
多くの人が指摘した「布マスク2枚(アベノマスク)」「一律10万円」の遅れの問題。ではじっさいに、緊急事態宣言が明けた5月末の時点でどのくらいの人の手元に届いていたのか。 【続き】では、「“アベノマスク”届いた? 使っている?」「10万円は届いた?」の結果 をお伝えする。はたして、アベノマスクの使用率は何%なのだろうか?
「“アベノマスク”届いた? 使っている人は何%?」「現金10万円は届いた?」 <アンケート結果> へ続く
(「文春オンライン」編集部)