2020年6月4日木曜日

河井夫妻逮捕がトドメに 自民で激化「安倍降ろし」の動き

 何をするかわからないトランプ先月20日、突如「予定通りG7をキャンプデービッド(大統領専用の山荘)で開く」と発言しました。
 議長国の米国はテレビ会議で今月のG7開催を予定していたのですがトランプは実際に7首脳が集まれれば、コロナ禍からの“正常化”のメッセージを出して経済再開につなげることで、大統領選に向けてのアピールになると考えたようでした。
 英国は直ぐに賛成し、安倍首相も大乗り気だったのですが、メルケル独首相が参加辞退の意向を表明すると一転、「やっぱり9月に延期する」と30前言撤回しました
 変わり身が早いというよりは浅はかさの極まりです。

 ところで国会で答弁に立ちたくない安倍首相は6月17日に国会を閉じ、そのあとはG7に駆けつけ、それが終わった後は2週間行動を自粛し、そのまま夏休みに流れ込むという算段でしたが、悪だくみは出来ないものでそれは叶わなくなりました。
 コロナ禍対策を含め諸懸案や諸々の疑惑を解明するために国会を延長するのが筋です。

 検察側も正念場です。ここまで来て河井夫妻を逮捕起訴しなければこれまで東京地検の応援まで得て何のための捜査だったのかということになるし、痛くない腹も探られかねません。
 従って河井夫妻の逮捕は必至で本来であれば安倍首相にも手が伸びる筈です。
 さすがにそこまで行くかは疑問ですが、少なくとも河井夫妻が逮捕されれば、自民党内で「安倍降ろし」が起きることになります。今度こそ安部退陣の潮どきです。
 日刊ゲンダイが報じました。
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河井夫妻逮捕ならトドメ 自民で激化「安倍降ろし」の動き
 日刊ゲンダイ 2020/06/02
 政権与党内に衝撃が走った。“御用メディア”の世論調査でも内閣支持率が急落、不支持率が過半数を超えたからだ。

 産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が5月30、31日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は前回調査から7・7ポイント減の36・4%、不支持率はナント10・6ポイント増の52・5%に達した。不支持率は毎日新聞の調査(24日)で64%、朝日新聞(25日)でも52%と増加傾向だが、産経の調査でも50%を超え、与党内には驚きの声が上がっている。
「産経の世論調査で、自民党の政党支持率も30%を割り込んでしまった。何があっても支持してくれる岩盤支持率が30%とみられているので、固い支持層も離反し始めているということです。賭けマージャンで辞職した東京高検の黒川前検事長への甘い処分にも、8割が『納得できない』と答えている。このまま安倍総理を支えていたら、自民党が国民から見放されそうな雰囲気です」(自民党ベテラン議員)
 そこに追い打ちをかけるのが、前法相の河井克行衆院議員、妻の案里参院議員の「Xデー」だ。公選法違反(買収)で夫妻が仮に逮捕されれば、それがトドメ。一気に政局になりかねない。

二階幹事長は解散権封じで引導
 検察側も正念場だ。黒川氏の定年延長問題から辞職に至る混乱で官邸と手打ちしたと見られたら、それこそ信頼も権威も地に落ちて二度と這い上がれない。河井夫妻の容疑は起訴せざるを得ないだろう。その「Xデー」は迫っている。

 答弁に立ちたくない安倍首相は6月17日の会期末でサッサと国会を閉じる意向だ。その場合、閉会を待っての逮捕になるのか。勾留延長の期限も考慮すれば、閉会を待たず来週にも逮捕許諾請求を出す可能性もある。7月中に勇退するとみられる稲田検事総長への“はなむけ”として、在任期間中の起訴に持ち込むには時間が足りなくなる恐れもあるからだ。
 会期中に現職議員、それも前法相で安倍側近の夫と妻が逮捕されれば、任命責任が問われる。野党から不信任決議案が出されるのは確実だ。それを数の力で否決したところで自民党はジリ貧。党内で安倍降ろしが激化するだろう。安倍首相が活路を見いだすには、解散総選挙で勝負に打って出るしかない。
 だが、自民党の二階幹事長は1日の会見で「特に今、早期解散の必要性を感じているわけではない。今は新型コロナウイルス問題の解決に懸命の努力をするべきだ」と否定的な見解を示した。
「事実上、首相の解散権を封じ、引導を渡したに等しい。秋の党役員人事で、安倍首相は二階幹事長を交代させる意向だと言われていました。それを二階氏が黙って受け入れるとも思えない。首相と溝が深まっているという菅官房長官、あるいは石破元幹事長と連携して、安倍降ろしに動くのではないか。解散権を封じられた安倍首相に残された道は退陣しかありません」(政治評論家・本澤二郎氏)
「安倍NO」の世論に押され、二階幹事長が安倍の首に鈴をつけるのか。終盤国会は俄然、緊迫してきた。