政治経済学者の植草一秀氏が、安倍内閣が長期にわたって存続している主因として、「刑事司法の不当支配」「マスメディアの不当支配」それに「国民のぬるさ」が挙げられるとしました。
そして、安倍政権による「刑事司法の不当支配」と「メディアの不当支配」がなければ、とっくの昔に安倍内閣は消滅していたはずだとし、このことによって最大の不利益を蒙っているのが善良な市民、主権者であるものの主権者に責任がないわけではなく、根本的にはそれが問題の核心であると述べました。
どうすべきかについて、植草氏は書籍「25%の人が政治を私物化する国」で詳しく述べています。
彼はその概要についてはブログでも度々紹介しています。今回も最後の部分で簡単に触れています。
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日本政治劣化の最大責任を負うのは誰か
植草一秀の「知られざる真実」 2020年6月12日
安倍内閣が長期にわたって存続している主因を三つ挙げてきた。
1.刑事司法の不当支配
2.マスメディアの不当支配
3.国民のぬるさ
黒川弘務氏を強引に検事総長に引き上げる安倍内閣の目論見は潰えた。黒川氏の勤務延長は違法であり無効であった。しかし、取り消しは行われず、既成事実化されている。
黒川氏の常習賭博は重大な刑法犯罪であり、捜査当局は犯罪として立件する責務を負っている。内閣は黒川検事長に対して国家公務員法に基づいて懲戒処分を行う責務を負う。
ところが、検察当局は黒川氏および3人の新聞記者に対する捜査に着手すらしていない。
犯罪を取り締まる検察の最高幹部の刑法犯罪を無罪放免にするなら検察の存在意義はない。
日本は法治国家でなく重大犯罪放置国家になる。いや、すでになっている。
安倍内閣はマスメディアを不当支配している。民間メディアは大資本の支配下に置かれている。大資本は安倍内閣と癒着しているから、民間メディアを資本力で統制している。
NHKは人事とカネを内閣に握られている。内閣の犬に成り下がっているから犬HKの状態に陥っている。
この二つの要因が決定的に重大だ。
安倍内閣関係者の重大犯罪はすべて無罪放免にされる。準強姦で逮捕状が発付されても逮捕状を握り潰してもらえる。
検察審査会などあってなきがごとしの存在だ。検察の操縦通りに動く組織である。
下村博文氏、甘利明氏の疑惑が闇に葬られた。
森友疑惑、加計疑惑も問題の本丸はすべてが無罪放免になっている。
桜を見る会前夜祭についても刑事告発がなされているが、検察が適正な捜査を行う見通しは立っていない。
刑事司法の不当支配とメディアの不当支配がなければ、とっくの昔に安倍内閣は消滅していたはずだ。しかし、この二つの要因に支えられて安倍内閣が長期に存続している。
このことによって最大の不利益を蒙っているのが善良な市民、主権者である。
しかし、その主権者に責任がないわけではない。根本的には、これが問題の核心である。
主権者がぬるいと表現したが、主権者の行動に問題がある。
一口に主権者と表現しているが、良い主権者と悪い主権者がいる。
良い主権者は頑張っている。しかし、良い主権者の比率が低いことが問題だ。
安倍自公を支えている人は「今だけ、金だけ、自分だけ」の三だけ教信者であると思う。
安倍政治を支えて利権のおこぼれに預かろうとする人々が少なからず存在する。
主権者全体の約4分の1の人々だ。この人たちが必ず選挙に行き、安倍自公政治を支えている。
日本政治を変えるには主権者の25%が結束すればよい。それだけで自公に十分対抗できる。
残りの5割の人々から賛同者を増やしてゆけば圧勝できる。日本政治刷新は夢物語ではないのだ。
まずは都知事選で力の結集を図るべきだ。候補者についていろいろな意見はあるだろう。
しかし、長い時間がありながら、成案を構築してこなかったことに問題がある。
共生社会を創設する方針を掲げて宇都宮健児氏が名乗りを上げた。宇都宮氏に政治刷新を求める主権者の力を結集するしかない。
政治刷新を東京から始動させることが大切だ。
(以下は有料ブログのため非公開)