2020年6月26日金曜日

米下院委員会 辺野古軟弱地盤に懸念/沖縄の内閣支持率は18%


 米下院軍事委員会は23日(現地時間)、21年度国防権限法案をめぐる審議で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に関する条項を可決しました。
 そして同時に埋め立て予定地北側の大浦湾に関して、「海底での地震の可能性および不安定性に対する懸念が高まってきた」として、それらを含む5項目について米国防総省に対して、12月1日までに報告書を提出するよう求めました。
 これは、沖縄県が米議会に新基地建設が技術的に不可能であることを訴えてきたことが反映されたといえます。米議会が厳密に調査すれば当然、「辺野古は不適」という結論になる筈です。

 海底地盤が軟弱であることに関する記事はこれまで多数紹介していますが、今年度の主な記事は下記の通りです。

 註) 報告項目の中に「N値」が含まれてますが、これは地耐力を表すもので、測定用の鉄棒器具の先端に取り付けた635kgのおもりを76cmの高さから自由落下させ土中のサンプラーを30cm貫入させるまでに要した打撃の回数のことです。
    大浦湾の大型ケーソン設置が計画されている4ヶ所の地点で、海底の地盤のN値がゼロという調査結果が確認されています。

 それとは別に、琉球新報などが沖縄県民を対象に実施した世論調査(61314では内閣支持率は187%不支持率は663%)でした(信濃毎日新聞53031日に行った長野県内の世論調査でも内閣支持率は186)。その記事を併せて紹介します
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辺野古軟弱地盤「懸念」 国防総省に報告書提出要求 米下院
しんぶん赤旗 2020年6月25日
 米下院軍事委員会・即応力小委員会は23日(現地時間)、2021年度国防権限法案をめぐる審議で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に関する条項を可決しました。
 この中で、軟弱地盤の存在が明らかになっている埋め立て予定地北側の大浦湾に関して、「海底での地震の可能性および不安定性に対する懸念が高まってきた」と指摘。「2本の活断層と50メートルの沈下が建設予定地近くに存在することに留意する」と述べています。加えて、「地質学者らがこの開発計画の推進を困難にする問題を特定したものと認識している」と断定しています。
 その上で、米国防総省に対して、今年12月1日までに報告書を提出するよう求めています。報告書の項目として、
(1) 建設予定地地下のN値の検証結果を含む海底の詳細な状況
(2) 海底の地盤強化を含む懸念事項に対する改善策
(3) 環境への影響
(4) 活断層に関する評価
(5) 新基地の軍事目的に関連しての評価
―をあげています。
 同条項が最終的に、米上下両院の審議を経て可決されるかどうかは不透明ですが、沖縄県が米議会に新基地建設が技術的に不可能であることを訴えてきたことが反映されたといえます。


地方の怒り表面化 沖縄と長野で「内閣支持率18%」の衝撃
日刊ゲンダイ 2020/06/24
 安倍政権に衝撃が走っている。全国メディアの世論調査でも内閣支持率は30%台と低迷しているが、沖縄と長野の世論調査で、20%を割ったからだ。地方の安倍不信はハンパじゃない。自民党内からは「もう解散はできないのではないか」との声が上がっている。
 国会が終わった途端、安倍首相周辺は解散風を吹かせ始めている。
 甘利明自民党税調会長は、衆院解散の時期について「秋以降、経済対策と合わせてする可能性はゼロではない」と語り、発言に慎重なはずの森山裕国対委員長も「今年はひょっとしたら衆院選があるかもしれない」と言ってみせた。安倍首相本人も「解散というのは常に意識している」などと口にしている。
安倍周辺が解散風を吹かせているのは、党内を引き締め、首相の求心力を高め、同時に野党を牽制するのが狙いでしょう。コロナ対応が後手後手になり、黒川問題や河井夫妻の逮捕など不祥事も相次ぎ、安倍1強が揺らいでいますからね」(自民党関係者)
 安倍首相が解散に打って出るとしたら「9月末解散、10月25日投開票」のピンポイントだとみられている。
 国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は10月中に東京五輪開催の可否を判断すると明言している。11月3日には米大統領選がある。「五輪中止」や「トランプ敗北」が決まると、安倍首相のパワーはますます低下する。解散するならその前しかない。しかも、年明けからは景気が一気に悪化すると予想されている。コロナ第2波襲来の恐れもあり、解散は打ちにくい。

 しかし、支持率20%割れでは、とてもじゃないが9月に解散は打てない。
 琉球新報などが沖縄県民を対象に実施した世論調査(6月13~14日実施)では、内閣支持率は18・73%、不支持率は66・33%に上った。また、信濃毎日新聞によると、長野県内の世論調査(5月30~31日実施)の内閣支持率は18・6%だった。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「安倍内閣の支持率が地方で1割、2割なのは、当然の結果です。30%台が出ている全国メディアの数字は、東京、名古屋、大阪など都市部を含む全国平均の支持率です。地方経済はコロナ禍に直撃されています。観光産業などはモロに影響を受けました。それでなくとも、この7年間、都市と地方の格差は広がり、地方にはアベノミクスの恩恵は及ばなかった。内閣支持率が下落する一方、石破茂さんの人気が上昇しているのも地方の怒りの表れです」
 自民党議員は地方の怒りをどこまで分かっているのか。