2020年6月30日火曜日

「爆買い」米兵器を検証 F35、無人偵察機、イージスアショア

 時事通信が米兵器の爆買いを検証する記事を出しました。
 爆買いと言えば、先ずF35戦闘爆撃機計147機、大型無人偵察機「グローバルホーク」4機、そしてイージスアショア2基(中止の方向)が挙げられます。
 時事通信は、それらは防衛力整備の必要性からではなく米国の歓心を買うことに重きを置いたことが透けて見えるとしています。

 それは、イージスアショアがつい先日配備計画が停止になったという体たらくを見ても明らかですが、F35戦闘爆撃機も18年4月の開発試験終了時点で900以上の欠陥があったのですが、19年5月時点でもまだ800以上の欠陥が残っている(うち重大欠陥は13件)という紛れもない欠陥機です。
    ⇒19年5月30日)  安倍首相が大量購入約束のF35に深刻な欠陥

 グローバルホークについても日本政府は次のような致命的なミスを犯しています。
 本来であれば偵察データを日本が自ら解析して必要な情報は米国に渡すという条件で契約すべきなのですが、現状は折角導入したもののデータは全て米国に送られるため、解析するには日本が費用を負担して米国から可視化された情報を送ってもらうしかありません。これでは一体どれ程のランニングコストが掛かるのか想像もつきません。因みに偵察機本体の購入価格は1機4百数十億円です。

 安倍内閣が米国の歓心を買うために、如何に国民の血税をデタラメに使っているのかが良くわかります。売国の政権というしかありません。
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「爆買い」米兵器を検証 F35、無人偵察機、陸上イージス
 ―ゆがむ防衛力整備
時事通信 2020年06月29日
 秋田、山口両県への配備計画撤回に追い込まれた陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」。河野太郎防衛相による聖域なき見直しに、防衛省内では「第二のアショアは何か」との声もささやかれる。安倍政権は最新鋭ステルス戦闘機F35の大量調達を含め、巨額の米国製兵器購入に走った。検証すると、防衛力整備より米国の歓心を買うことに重きを置いたことが透ける。

◇一気に105機、1兆2000億円
 「爆買い」の象徴は、2018年に閣議了解されたF35の105機(計約1兆2000億円)追加調達だ。旧民主党政権で決まった42機から一気に3倍超の計147機になり、将来的には航空自衛隊の戦闘機の半分を占める。防衛省によると、30年間の維持費を含めた経費は総額約6兆円を超える見込みだ。
 当時、空自内では「運用構想を策定する前に、政治判断で大量取得が決まった」と驚きが広がった。防衛省幹部は「対米貿易黒字の解消に使われた」と声を潜めた。
 しわ寄せで、同省が日本主導を掲げ開発を進める次期戦闘機の調達数は、70~90機にとどまる見通しだ。国内の防衛産業からは「技術基盤を維持するには少な過ぎる」とため息が漏れる。空自内では「機種が偏るのは運用上好ましくない。F35の取得数を見直すべきでは」との意見が根強い。

◇「導入中止」押し戻す
 「大臣からはしっかり検討しろと指示されている」。武田博史防衛装備庁長官は今月、国会でこう答弁し、米国の大型無人偵察機「グローバルホーク」の調達コスト削減に向けた努力を強調した。
 安倍政権が14年に導入を決めた同機も防衛力整備にゆがみを生じさせた。当初の見積もり(3機で約510億円)よりコストが上昇し、現在は約613億円。メーカーの部品も枯渇しており、取得が遅れている。
 防衛省は一時、導入中止を検討したが、米に配慮する官邸と外務省に押し戻された。政府筋は「防衛省は中止を念頭に調整したが、日米共同の情報収集や警戒監視、同盟強化を理由に継続案件になった」と話す。
 グローバルホークは、17~18年に米国内とスペイン沖で墜落事故も起こした。アショア同様、狭い国土と過密な空域の日本に適しているのかという懸念もある。

◇官邸主導の慢心
 アショアは17年に日米首脳会談を経て閣議決定された。陸自幹部は「政治判断で導入が決まり、海自の負担軽減と、陸自もミサイル防衛の正面に出た方がいいという流れになった」と振り返る。価格は2基で約2500億円。将来の維持コストを含めると約4500億円に上る。
 異論もあった。北朝鮮は日本を射程に収める弾道ミサイルを数百発、配備している。自衛隊幹部は「飽和攻撃(同時に多数発射)の対処は、護衛艦に占めるイージス艦の割合や、迎撃ミサイルの数を増やした方が効果的」と指摘する。アショア2基で発射できる迎撃ミサイルは計48発。一方、最新型イージス艦は1隻に発射装置が96発分ある。平時は多様な任務にも使える。
 本来、武器の調達は防衛力整備計画に基づき、制服組から背広組の内部部局(内局)に要望が上がる。内局が政策的見地から精査し、合理性を判断。財務省で認められないこともある。アショアではこうした手順が飛ばされ、官邸の意向を受けた内局が実務を進めた。「お墨付き」を得た慢心が、配備候補地の選定をめぐるずさんな調査や、迎撃ミサイルの技術的な問題への対応の甘さを招いた可能性もある。
 大なたを振るった河野防衛相は、今後の防衛力整備について「日本の財政を考えると防衛予算が飛躍的にこれから伸びるとは考えにくい。優先順位をしっかりと付けた上で、必要なところに必要な手当てをする」と語る。実現には官邸が「買い物」感覚で介入することも断つ必要がある。(時事通信社編集委員・不動尚史)。 


敵基地攻撃って何するの? 被害最小化へ国外拠点破壊―ニュースQ&A
時事通信 2020年06月28日
 政府は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」計画断念を受け、安全保障戦略の見直しに着手した。自民党が繰り返し提言してきた敵基地攻撃能力保有の是非についても議論する見通しだが、与党内にも異論を抱え、コスト面などで課題も多い。

 ―敵基地攻撃って何をするの。
 ある国から弾道ミサイルなどで攻撃された事態を想定し、被害を最小限に食い止めるために、相手の領域内にあるミサイル発射装置などの拠点施設を破壊することだ。

 ―憲法9条で禁じられているのでは。
 政府の見解では、他に手段がない場合は敵基地攻撃も「自衛」に含まれ、合憲とされる。ただ、9条に基づく「専守防衛」の原則を逸脱するとの慎重論もあり、政府はこれまで「敵基地を攻撃できる能力はあえて持たない」との立場を取ってきたんだ。

 ―なぜ今、検討されているの。
 最大の要因は、中国や北朝鮮がミサイル技術を急速に高度化させていることだ。中国は迎撃困難とされる極超音速滑空兵器の開発競争で日米両国に先行北朝鮮も変則的な軌道を描いて迎撃を回避する新型ミサイルを開発している
 こうした現状への危機感から、自民党内では数年前から「ミサイル防衛網だけでは限界がある」として、敵基地攻撃能力の保有を求める意見が強まっていた。陸上イージス計画の断念を受け、安倍晋三首相も「抑止力とは何か、突き詰めて考えなければいけない」と検討を表明したんだ。

 ―今の装備で敵基地は攻撃できないの。
 自衛隊は戦闘機に搭載する長距離誘導ミサイルの整備を進めている。離島防衛が目的だけど、射程距離が約500キロの「JSM」や、約900キロの「JASSM」「LRASM」などは、敵基地攻撃に転用できる可能性が指摘されているね。
 ただし、攻撃を実行するには軍事衛星や偵察機、スパイからの情報で標的施設の位置を割り出し、正確に着弾させる能力も必要だ。攻撃を後方支援する態勢なども含め、全てを日本単独でやろうとすると、とてつもないコストがかかると言われている。連立与党の公明党が反対していることもあって、装備導入に踏み切るのは簡単ではなさそうだ