2016年6月2日木曜日

02- 生活保護、高齢世帯が50%超す 過去最多82万世帯

 憲法25の生存権を保障する生活保護制度は、収入が国定める最低生活費を下回れば不足分を支給するものです政府は支給基準2015年度計6・5%減額したなか、この3月時点で、全体の受給者世帯は前月より2447世帯増加して163万5393世帯で過去最多となりました
 人口に占める受給者数の割合を示す保護率は1995年度に最低の0・7%でしたが、その後増え続け1・71となりました
 
 生活保護世帯のうち、65歳以上の高齢者世帯(9割が単身世帯)月時点で過去最多の82万6656世帯50・8となり、初めて受給世帯の半数を超えました。
 年金額が低くて生活保護基準に達しないということですが、この傾向は今後も続くと見られます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生活保護、高齢世帯が50%超す 過去最多82万世帯
東京新聞 2016年6月1日
 生活保護を受給する世帯のうち、六十五歳以上の高齢者を中心とする世帯が三月時点で過去最多の八十二万六千六百五十六世帯となり、初めて受給世帯の半数を超え50・8%となったことが一日、厚生労働省の調査で分かった。うち単身世帯が九割に上った。
 
 厚労省の国民生活基礎調査では、高齢者世帯は約千二百二十一万世帯(二〇一四年六月時点)で、受給世帯は約6%に当たる。高齢化が進行する中、低年金や無年金で老後を迎え、身寄りもなく生活保護に頼る高齢者の貧困の深刻化が鮮明になった。
 厚労省の担当者は「高齢者が就労できず、就労しても十分な収入を得られていない」と分析。景気回復による雇用改善で現役世代の受給が減る一方、高齢者の伸びが全体の受給者数を押し上げており、この傾向は今後も続くとみている。
 厚労省によると、全体の受給世帯数前月より二千四百四十七世帯増加して百六十三万五千三百九十三世帯で過去最多を三カ月ぶりに更新した。
 受給者数は二百十六万四千百五十四人で二千八百四十七人増え、人口百人当たりの受給者数である保護率は1・71%だった。
 
 調査では、高齢者だけで構成されているか、他に十八歳未満の未婚者を含む場合を高齢者世帯に分類。一時的に保護受給を停止しているケースを除き、高齢者世帯は前月に比べ約一万八千四百世帯増加。働ける世帯を含む「その他世帯」は二十六万六千百七十二世帯、母子世帯が十万九百二十四世帯、傷病者・障害者世帯は四十三万三千百六十七世帯で、いずれも前月より減少した。
 厚労省によると、保護費のうち食費や光熱費などに充てる「生活扶助」として支給される額は、六十八歳単身の例で都市部は約八万九百円、地方で約六万五千六百円になる。
 
<生活保護> 憲法25条で規定された「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、自立を助ける制度で、国が定める最低生活費を収入が下回れば不足分を支給する。生活費に回すことができる預貯金や不動産がないことなどが支給条件。食費や光熱費などに充てる「生活扶助」や医療費を全額公費で負担する「医療扶助」などがある。支給基準は5年に1度見直し、前回は2015年度まで3段階で計6・5%減額した。生活保護費は増加が続き、本年度当初予算は約3兆8000億円。人口に占める受給者数の割合を示す保護率は1995年度に最低の0・7%だったが、その後増え続け、14年度は1・70%