2016年6月28日火曜日

安倍政権への危機感を謳う女性誌 安保法反対の関西22大学の学生が集会

 今度の参院選は、昨年制定された安保関連法案の是非や安倍政権の改憲志向に対する国民の賛否を示す何よりの機会です。
 安倍首相は昨年9月に強行採決した際に、「参院選の頃には国民は忘れているだろう」とうそぶいたと言われますが、参院選が近づくと改憲には一触れなくなり、ひたすらアベノミクスの「虚偽の成果」を吹聴するようになりました。見事な争点隠しです。
 勿論そんな風にして選挙に勝てば「国民の支持が得られた」として、改憲に奔ることは目に見えています。それも「緊急事態条項」の盛込みを目指すのではないかと言われています。恐ろしいことです。
 
 これまでも度々憲法や政治関連の特集を組んで評判になったファッション誌「LEE」は、参院選に向けた7月最新号で「『憲法』『育児・待機児童』問題 もしあなたが投票に行かなかったら……再び」という、大型の特集を組み話題になっているということです。
 安倍首相の目論見とは裏腹に、女性たちの安倍政権への懸念は決して退化などしていなかった訳です。
 
 また戦争法に反対する関西圏22大学の「有志の会」は、26日、関西学院大学「この国に未来を築こう」と題し共同集会を開きました。
 集会では京都精華大学専任講師の白井聡さんが基調講演し「今回の参院選の焦点は憲法改正で、緊急事態条項から憲法改正に着手しようとしている述べました。
 学生たちもあの時の怒りを決して忘れていないということです。
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参院選を前に女性たちが安倍政権に危機感
ファッション誌「LEE」も「自民党に改憲を許す」危険性を警告
LITERA 2016年6月27日
 福島原発事故や安保法制議論をきっかけに、女性週刊誌や女性ファッション誌で頻繁に社会派記事が掲載されるようになったが、その流れは今でも健在なようだ。
 
 30代ママ層を主なターゲットにしたファッション誌「LEE」(集英社)の7月最新号では、「『憲法』『育児・待機児童』問題 もしあなたが投票に行かなかったら……再び」という、参院選を見据えて11ページもの大ボリュームで政治特集を組んでいる。
「LEE」といえば、これまでも度々、憲法や政治関連の特集を組んでおり、今年2月号でも「もし、あなたが投票に行かなかったら……」という選挙関連特集を掲載し大きな話題となった。今回はその第二弾というわけだが、第一弾同様、その内容は安保法制、憲法改正、そして待機児童問題など政治に関する様々な問題に切り込んだものだ。
 
「気軽に政治にかかわってほしい。そうした声をしっかり届ければ、社会を変えるパワーに必ずなります」
 冒頭、「LEE」読者に選挙について“講義”するのは政治学者の岡田憲治氏だ。岡田氏はママ世代の政治や選挙について分かりやすく解説していく。例えば「自分が1票を投じただけでは何も変わらない、意味がない」と思っている読者の疑問に、こう答えている。
「現在の小選挙区制度は、一票の価値ってとても大きいんです。
 例えば09年の衆院選。その前の選挙で圧倒的人気を誇った小泉内閣が獲得した多数の議席を民主党が奪い、政権交代が実現した。これって実は、いつも自民党に投票していた人のわずか10%前後の人が民主党に入れたから、政権がひっくり返ったと言われているんです。『最近の自民党は感心しないから、お灸を据えよう』と思ったのか、それくらいの人の支持が変わっただけです」
 
 その上で、投票にいかないことがどんな意味をもつかについても、丁寧に解説していく。
「投票しないということは『現状に不満はない』という『黙認』を意味します。仮に現在の与党に対して不満があったとしましょう。もし投票しなかったら、今の制度では『現状のままでよい』と見なされます。(略)不満を持っている党や依頼な候補者を応援することになっちゃうわけです」
 「無投票は『ただ投票しなかった』だけでなく、まして『抗議』の効果なんてなく、『投票に行った人への賛成』を意味する。この点は知っておいてほしいです。前回の衆院選で与党第一党に投票した人は、比例で全有権者の17%、小選挙区で約25%です。もし今の政治に不満があるならば、投票に行かないことは、この人たちに、いろんなことを丸投げするということなんです」
 
 また、一人では無力感があるという質問に対して、PTAやサッカーチームでもいい、意見をもち寄って調整し、仲間をつくり、増やすことが「政治」であり、またSNSを活用して政治の情報収集することも可能だと“身近な政治”を提案している。
 
 さらに、投票のために “知っておくべきこと” として「改憲」の問題が取り上げられているが、ここでは安保法制、集団的自衛権の憲法解釈などについて、憲法学者の木村草太氏による具体的な危険性が提示される。
 例えば、昨年成立した安保法制で何が変わるかとの質問に、木村氏はこう答えている。
「安保法制というより “自衛隊海外活動拡大法” と呼ぶべきでしょう。(略)自衛隊がこれまで以上に危険な状況に陥り、戦闘で死者が出る可能性が高くなるということです。この法律が通ってしまった背景には、日本人が外国の紛争解決に“貢献”しない点に対する後ろめたい気持ちがあると思います。その後ろめたさが安保法制について真正面から考えさせないでいる。それは自衛隊の活動を拡大した政府にとっては“都合のいい無関心”になります」
 
 また、緊急事態条項についてもこう説明する。
「戦争や災害時に緊急事態を宣言して政府が一時“独裁”するとの条項です。(略)自民党草案の緊急事態条項は、三権分立や基本的人権を停止する効果まで定められています。とても危険な内容で、とうてい許容することはできません
 
 他にも、少子化はそこに予算をかけない政府の政策ミスであり、自然発生ではなく人為的なもので、子育て世代は声を上げるべきだといった内容や、自民党・木村弥生議員と民主党の山尾志桜里議員のインタビューを並列して掲載するなど、力の入った特集となっている。
 
「LEE」は2014年12月号でも「母親たちの初めての憲法特集」という企画を組んでいるが、実際にこうした硬派な記事は読者にも好評を得ているという。それは翻れば、現在の政治状況に多くの女性が危機感をもっていることの証明なのだろう。
 舛添要一都知事問題などのセコい話だけでなく、こうして幅広く政治的関心をもち、同時に権力に対する危機意識をもつ。それが政治に関わる第一歩だ。 (伊勢崎馨)
 
 
“参院選 焦点は憲法” 兵庫 関西22大学有志の会集い
しんぶん赤旗 2016年6月27日
 戦争法(安保関連法)に反対する、関西圏を中心にした22の大学の「有志の会」が26日、兵庫県西宮市の関西学院大学に一堂に集い、「この国に未来を築こう」と題して共同集会を開きました。同実行委員会が主催。
 
 京都精華大学専任講師の白井聡さんが基調講演しました。白井氏は冒頭に「今回の参院選の焦点は憲法改正だ」と発言。安倍政権は憲法改正を参院選の公約に盛り込みながら争点を隠し、3分の2の獲得を目指していると指摘。国家緊急事態条項から憲法改正に着手しようとしていると批判し、「この危機的な状況を市民社会に広く伝える必要がある」と話しました。
 
 リレートークでは、安保法制に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会の佐野潤一郎さんなど各大学有志の会が発言。シールズ関西、安保関連法に反対するママと有志の会@兵庫、甲東平和を考える会も登壇しました。
 「戦争しない国」のための京都橘大学有志の会の神谷栄司さんは「与党が3分の2をうかがうと報道されているが、市民と野党が攻めている。まだ2週間ある。選挙はやってみなければわからない」と発言。違憲安全保障関連法に反対する大阪市立大学有志の会の新ケ江章友さんは「学者それぞれの専門性を生かし、学者の会として結集してたたかわなければならない」と話しました。