TPPの導入・・・それはいまどき 例えば「魔女裁判制度」を導入すべきかどうかというような、恐ろしくも愚かな課題なのですが、それがどうも頓挫しそうだということです。
TPP協定は、もともと参加国中の2大経済国である日米のどちらかの国で承認されなければ発効しないものでしたが、米国では、与野党ともTPP反対の議員が多くてTPPの審議はまったく行われておらず、大統領候補と目されている共和党のトランプ氏、民主党のクリントン氏の両氏ともTPPに反対の立場を表明しているので、成立のメドは立っていません。
それでもTPPの成立を前提にした日米二国間の協定は生きるということのようですが、TPP成立の悲劇に比べれば大したことはありません。誠に喜ばしい限りです。
それにしてもそんなものの成立に狂奔した安倍首相と甘利元大臣の売国性と愚かさは責められるべきです。
それにしてもそんなものの成立に狂奔した安倍首相と甘利元大臣の売国性と愚かさは責められるべきです。
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TPP、失効の公算に… 批准手続き完了は
全参加国中ゼロ、米国議会は審議すらせず
小倉正行 ビジネスジャーナル 2016年6月12日
(フリーライター)
TPP(環太平洋経済連携協定)は2月4日に12カ国で協定署名が行われ、各国は議会での承認手続きに入っている。TPPは基本的に2年以内に12カ国の承認手続きが済んだ段階で発効することになるが、さらに協定上特別の規定があり、各国のGDP総合計が85%以上になった段階で発効するとされている。全体に占める米国のGDP比率は60.4%、日本は同17.7%となっており、日米どちらかの国で承認されなければ、TPPは発効しないことになる。
米国では、共和党多数派の議会構成と民主党もTPP反対の議員が多い状態のなかで、TPPの審議はまったく行われておらず、大統領選挙後まで審議はできない見通しとなっている。さらに、大統領候補と目されている共和党のトランプ氏、民主党のクリントン氏は両氏ともTPPに反対の立場を表明しており、成立のメドは立っていない。
各国の批准状況
では、米国以外のTPP参加国の批准状況がどうなっているのか、4月11日に提出された外務省文書「TPP協定の締結に際し想定される各国の国内手続」でみてみよう。
TPPの国内手続きとして必要なものは、TPP協定の承認と国内担保法の成立が求められる。どちらかが欠けても国内手続が終了したとみなされない。
・豪州
協定本体の議会承認は不要だが、国内担保法は議会による可決が必要であるが、同法の議会提出は6月下旬以降。今夏に総選挙が実施される可能性がある。
・カナダ
協定本体の議会承認は不要だが、国内担保法は議会による可決が必要。議会提出の見通しは不明。
・チリ
協定本体の議会承認が必要。国内担保法は議会による可決が必要だが、議会提出の見通しは不明。
・マレーシア
協定本体は、特別に招集された議会で承認。国内担保法は議会による可決が必要だが、議会提出の見通しは不明。
・メキシコ
協定本体は議会の承認が必要。9月以降の議会で提出し、今年中に採決する見込みとの発言あり。国内担保法は議会による可決が必要であるが、9月以降の議会で提出し、今年中に採決する見込みとの発言あり。
・ニュージーランド
協定本体は、議会の承認は不要。国内担保法は、議会による可決が必要。外交・国防・貿易委員会における審査終了後(5月末以降)、国内担保法を議会に提出見込み、11月頃の審議終了を目指す。
・ペルー
協定本体は、議会の承認が必要。国内担保法は議会の可決が必要。TPP承認手続きの審議案の提出に向けて調整中。
・シンガポール
協定本体は、議会の承認は不要。国内担保法は、議会による可決が必要。年内に議会提出見込み。
・ベトナム
協定本体は、議会の承認が必要。国内担保法は、議会による可決が必要。ともに6月以降に招集される議会にて審議予定。
TPP発効の見通し立たず
このように、TPP参加12カ国の国内承認手続きは、遅々として進んでいない。日本においては、TPP協定と国内担保法案は当初、5月中の成立を与党が目指していた。仮に成立していたなら、12カ国中で唯一成立するというかたちになっていたが、結局は通常国会で継続審議となり、9月下旬に召集予定の臨時国会での審議に委ねられることになった。
いずれにせよ、米国議会での審議の見通しが立っていないなかで、TPP協定の発効も見通しが立っていないのである。