参院選の勝敗ラインを「自公で改選過半数(61議席)」とした安倍首相に対して、公明党の漆原良夫中央幹事会会長は「改選過半数を獲得できなければ安倍政権は退陣しなければいけない」と断言しました。
さすがにそこまで言われると首相も心は穏やかでないでしょうが、自民党が48議席を割り込めば、安倍首相は間違いなく追い込まれることになります。
実は自民党の参院選には「9年目のジンクス」※と言われるものがあって、1989年以降9年ごとに手痛い敗北を喫して来ました。
第一次安倍内閣時代の2007年には、自民37+公明9(合計46)の大敗北となり、2か月後に安倍首相は退陣しました。
第一次安倍内閣時代の2007年には、自民37+公明9(合計46)の大敗北となり、2か月後に安倍首相は退陣しました。
※ 五十嵐仁の転成仁語 「自民党周辺でおびえをともなってささやかれている”9年目のジンクス”」
そして今年がまさにその9年目の参院選です。日刊ゲンダイは安倍退陣が現実味を帯びてくるとしています。
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連敗なら安倍政権“退陣”も 参院選の命運握る重大20選挙区
日刊ゲンダイ 2016年6月7日
参院選の勝敗ラインを「自公で改選過半数(61議席)」とした安倍首相。4日、勝敗ラインに達しなかった時の責任を問われるとムニャムニャと逃げたが、公明党の漆原良夫中央幹事会会長は「(改選過半数を獲得できなければ)安倍政権は退陣しなければいけない」と断言していた。
公明党は13議席前後が堅いとみられている。自民党が48議席前後を割り込めば、安倍首相は間違いなく追い込まれることになる。
そこでその可能性だ。高い政党支持率から、自民党は「勝敗ライン超えはそう難しくない」とみているようだが、過去5回の参院選で自公が61議席を超えたのは、2001年と13年の2度だけ。04年と10年は自公で60議席にとどまり、第1次安倍政権だった07年は、自民37、公明9の46議席に沈んでいる。
「9年目のジンクスもありますからね。1989年の宇野内閣、98年の橋本内閣、07年の安倍内閣と自民党は9年おきに参院選で敗北して、時の政権は退陣しています。07年の安倍内閣は7月の参院選直後こそ続投しましたが、9月に退陣した。今年16年は、あれから9年目なのです。安倍首相が勝敗ラインの責任を明確にできないのは、退陣のトラウマがあるからでしょう」(政治評論家・野上忠興氏)
安倍政権の命運を左右しそうな注目選挙区は、別表の20選挙区だ。
自民党が重点区や準重点区に指定しているところで、つまり苦戦や激戦が予想される選挙区である。野党の一本化で統一候補が立つ1人区はもちろんのこと、複数区でも、自民党が候補者を2人擁立した北海道、千葉、神奈川は「2人目がボーダーライン」(自民党幹部)。この20選挙区で自民党が連敗するようだと、いよいよ安倍退陣が現実味を帯びてくる。