2016年6月26日日曜日

26- 参院選 安倍自民党と野党4党 安保法制「是か/非か」の対立

 東京新聞が参院選における自民党の公約と野党4党の政策協定を対比させました。
 安倍首相は国会の議論でもよく「文句があるなら選挙で示せ(趣旨)」という言い方をしていますが、それはそれで正しいことです。そして今度の選挙の最大の争点は、昨年9月に安倍政権が強引に成立させた憲法違反の安保法制の「是か/非か」です。
 法案が成立したときには国民の圧倒的多数が反対だったのですから、その意思を選挙の結果に反映させないようでは一体何だったのかということになります。
 非戦平和の憲法9条を持つ国民としての矜持を見せて欲しいものです 
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参院選公約点検 安保法制「活用」「廃止」真っ向対立
東京新聞 2016年6月25日
 参院選で自民、公明の与党と野党四党による対決構図ができたのは、他国を武力で守る集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法の成立がきっかけだ。違憲立法だと反発した民進、共産、社民、生活の野党四党は、安保法の廃止に向け足並みをそろえ、三十二の一人区すべてで統一候補を擁立。自公両党は安保法に基づく抑止力の強化や国際貢献の充実を主張する。
 
 安倍政権は、日本が直接攻撃された場合に反撃する個別的自衛権のみを認めた従来の憲法解釈を変えた。これを法定した安保法は昨年九月に成立。他国への攻撃で日本の存立が脅かされる事態になれば、日本が直接攻撃されていなくても集団的自衛権を行使して反撃できるようになった。軍事作戦中の他国軍を自衛隊が支援できる範囲も、日本周辺の限定を外した。
 自民党総裁の安倍晋三首相は遊説で、安保法成立について「日本と米国が日本を守るために協力できるようになった。同盟は絆を強くした」と意義を訴える。公約には安保法に基づくPKO(国連平和維持活動)参加や他国軍の後方支援を通じ、国際社会に「積極的に貢献」すると明記した。
 公明党も、安保法によって「抑止力を高めるとともに国際社会に一層の貢献を果たす」と公約した。
 
 対する野党四党は、共闘を求める市民団体との政策協定に安保法廃止を明記。事実上の共通政策にした。同時に、それぞれの公約では独自色を打ち出した。
 民進党は、離島周辺の警備強化を図る領域警備法の制定、日本周辺の限定を維持しつつ米軍支援を拡大する方針を盛り込んだ。共産党は、軍事ではなく平和的外交を強化する姿勢を示した。社民党は自衛隊の規模や活動を「専守防衛の水準に引き戻す」と唱えた。
 
 野党四党の安保法廃止論に対し、首相は「日米同盟は根底から覆され、信頼の絆は断ち切られる」と批判。民進党の岡田克也代表は「安保法が成立する前に戻るだけだ。それで同盟が致命的になるなら、米国に期待感を与えた首相に責任がある」と反論する。
 沖縄県の米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設計画に関しては、自民党は推進を公約に明記した。野党四党は「沖縄の民意を無視した建設の中止」を共通政策にした。 (横山大輔)