2016年6月23日木曜日

23- 世界はアベノミクスは失敗の標本と

 あいば達也氏がブログ:「世相を斬る」に、「世界はアベノミクスを失敗の標本と定義づけ」ているという記事を載せました。
 ここに紹介しますが、長文のため前後の部分を省略しました。全文は下記のURLにアクセスしてお読み下さい。 
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嗚呼ああ嗚呼 世界がアベノミクスは失敗の標本と定義づけ 
世相を斬る あいば達也2016年06月21日
  (前 略
更に、それに輪をかけて酷いのが、マスメディアの存在だ。「社会の木鐸」などと云う言葉は、明治維新以降のマスメディアにおいて、歴史上、実践されることは稀だった。今や、「社会の木鐸」イコール「プロパガンダ・マスメディア」と云う構造になってしまった。“政官財労学”と云う五つの世相を形成する組織が、すべからく“立場主義”に徹した。言論界に、それ相当の大物がいて、世間のご隠居様的立ち位置を持って、中庸の精神で、この世のことを、噛んで含めるような解説をする人物も見当たらない。それらしい装いをする奴はゴマンといるが、どいつもこいつも偽物だ。長谷川幸洋とか古市ナンとか等典型だろう(笑)。
 
まあ、このような社会構造が出来上がり、世界的に見れば、まだまだ充分に平和で豊かとなると、飢餓に依る革命も、生命財産を守ろうと云う革命も、宗教上の原理主義に反するからという革命も、革命と名のつくものは起きにくいのが現状だ。「革命」と云う言葉が不穏当であれば、「変革」でも良いのだが、それすら悍ましい言葉になっている。垂直統合的な中央集権官僚制と社会主義の“良いとこどり国家”の運命は、おいそれと、方向を変えさせるのは困難なのようだ。敗北的だが、“ゆで蛙”一丁上がりが、行きつく先のように思えてきた。“捨て台詞”ではないが、コラムを書くのも、馬鹿々々しくなる。以下に、世界のIMFやその他諸々から、“クソノミクス(アベノミクスとも言う)”がぼろ糞に言われている事実を、NHK他、テレビ局は報道せよ!
 
≪ IMF アベノミクスの目標「達成困難」…報告書
国際通貨基金(IMF)は20日、日本経済に関する報告書を公表した。安倍晋三政権が目指す経済成長や財政健全化の目標は、現状のままでは「期限までには達成困難」と指摘。外国人労働者の受け入れなど構造改革の着実な実施を求めた。
 
 IMFは報告書で「アベノミクスは当初成功を収めた。しかし、景気回復は失速した」とした。高齢化や人口減で国内市場が縮小しているほか、賃上げが十分波及していない点を問題視し、「労働市場の改革と所得政策が重視されるべきだ」として、外国人労働者の受け入れや賃上げなどを提案した。
 また、首相が消費税増税を再延期したことについて、東京都内で記者会見したリプトンIMF筆頭副専務理事は「(増税で経済が)収縮してしまう」と理解を示す一方、「今後の確実な実施が肝要」と強調。財政再建に道筋をつけるため、毎年05〜1%の幅で少なくとも15%まで引き上げるべきだと訴えた。 ≫     【毎日新聞:小倉祥徳】
 
上記、IMFの記事は、IMFの本質論を抜きに解釈してしまうと、日本の良さをすべて捨て、安倍晋三が口癖のように語る「国際社会」、「普遍的価値」と合致するが、それは、日本人に、欧米人になりなさい。英語を公用語にしなさい。アメリカのような移民国家になりなさい。第一の債権国なのだから、世界の金融に貢献しなさい。開かれた多民族国家なりなさい。まあ、極論で解釈すれば、そう言っている(笑)。そして、徹底して開かれた国を目指し、社会主義的色彩の強い社会保障制度等々見直さなければならないし、消費税は15~20%を目指すべきと諭している。半分は、IMFの説教強盗的言説だ。
 
今夜の目玉引用文は、勝見貴弘氏が「JapanTimes(日英併記)」を緊急和訳してくれた労作を紹介する。題名は「アベノミクスが失敗した理由」である。勝見氏は、訳者あとがきで、以下のように言っている。同氏のあとがきに続き、ジャパン・タイムスの記事を続けて紹介しておく。
 
【緊急和訳】アベノミクスが失敗した理由 JapanTimes(日英併記)―訳者あとがき
実は最初にこのオプエドを読んだとき、和訳のタイトルは『ジャパンタイムズのオプエド反論を述べる記事がアベノミクスをオワコン終わったコンテンツ=中身と酷評』としようと思った。実際、どう読んでもそういう内容なのだが、まあそれではバイアスがあり過ぎるかと思い、原題をそのまま訳すことにした。
しかしコラムのエッセンスは、「アベノミクスはオワコン」で間違いないと思う。これまで『エコノミスト』や『フィナンシャルタイムズ』等がたびたび、当初の評価を翻してアベノミクスを叩いてきたが、ここまで辛辣なのは初めてお目にかかった。
著者はBarron'sAsiaというアジア投資情報誌のエクゼクティブエディターだという。つまり「投資観点」からのアベノミクス批判といっていいのだろう。経済や株取引にまったく疎い私にはこのバロンズの価値は全くわからないのだが、WSJ日本語版が専用ページを設けているくらいだからそれなりの信頼性はあるのだろうということは、今回の辛辣なアベノミクス批判は重大ということだ。
そのバロンズのサイトで著者のページを探したら、あった。どうやらこの4/1付の会員向け記事をジャパンタイムズ(JT)はオプエドとして掲載したらしい。これで、バロンズの記事が突如JTに掲載された経緯はわかった。
執筆記事一覧を見ていると、このペセックという記者はアベノミクスについてずっと追い続けてきた記者のようだ。どうりで、日本の政情をよく把握している。よもや海外誌で「保育園落ちた日本死ね」の英訳を見るとは思わなかった。
匿名の主婦さん、あなたはもう世界の有名人ですよ。「女性の輝く社会」を目指す安倍政治のスローガンの空虚さも、ペセック記者はよくわかっているようだった。
つまり、投資情報誌の編集責任者の立場にある人間が、ウーマノミクスの虚構を看破しているのだ。
さて、そんな観点から投資情報が流れると日本株はどうなるだろうか。ペセック記者ははっきりと"con"(ペテン)と書いているのだが、日本国民が感じる以上に、投資情報誌の人間がアベノミクスを「ペテン」だと思っているということは、投資界隈ではアベノミクスの化けの皮はとっくに剥がれているということだ。
これではたしかに、G7では「恥をかく」だけだろう。もう一つ、ペセック記者が記事を通じて使っていた気になる言葉があった。"ruse"(策略)という言葉だ。彼にいわせれば、TPP加盟も「策略」の一環なのだという。
はて、誰を相手に策略をめぐらしているのだろう。他でもない私たち国民だ。経済に疎い私でもアベノミクスの虚構はわかっていた。クルーグマン教授が『現代ビジネス』(注:『日刊ゲンダイ』は株式会社日刊現代のブランド。『現代ビジネス』は講談社のブランドです)で語ったように、アベノミクスは理論上は模範的な政策であるが、結局絵に描いた餅で、市場・消費者という生きた要素に左右されるため計算に狂いが生じると脆い。
クルーグマン教授が先月22日の『国際金融経済分析会合』で語ったように、アベノミクス三本の矢の二本目の矢は実は未だ「放たれていない」。つまり、理論上であっても、二本目の矢が放たれていないならアベノミクスは少なくとも「機能不全」あるいは「不完全燃焼」な状態にある。にもかかわらず、安倍政権はまず「新三本の矢」を打ち出し、更に、緊急経済対策として新たにもう3本の矢も打ち出すという。最初の三本の矢を打ち終わらないうちに、未完成品を世に出してからパッチで文字通りつぎはきする某大手OSのごとく、補完品を都度出していくということだ。
でも「失敗」は断固として認めない。製品、完成した政策として打ち出したものに、後から前の製品が未完品でしたということを認めずに、次から次に新製品を打ち出す。まさにペテン商法である。
そんな安倍政権のruse(策略)は、生きた市場の原理により脆くも崩れ去った。それをクルーグマンも、ペセックも認めろと言っている。
できることがない訳ではない。それは、ペセック記者も認めている。単に過ちを認め、軌道修正すればよいだけだ。だが、安倍政策チームの誰ひとりとして、これを行おうとしない。
政府の政策担当が一蓮托生で責任をとるのはいいが、無能な政府の失敗のしわよせを国民が受けるのは勘弁してほしい。
私が当初、この記事を読み始めて感じたとおり、ペセック記者のような投資界隈の住人は、すでにアベノミクスは「オワコン」であると、もう見限っているのだろう。怖いのは、日本の企業もそうであるならば、では労働者は大企業やその下請けの中小でないかぎり、ペテンの博打の利益を享受できなくなる。
そうなるともう、泣き面に蜂だ。
結局、安倍政権の壮大なペテンの最大の犠牲者は、労働者であり、消費者であり、家庭であり、学生であり、そしてそんなアベノミクス後の荒んだ世界で子どもを育てなければいけない母親であり、その子どもなのだろう。まったくやりきれないものだ。≫    (勝見貴弘氏facebook)
  (後 略