2016年6月10日金曜日

沖縄女性団体が追悼・抗議集会 「全ての基地撤去を」「本土は基地引き取って」

 8日、沖縄での米軍属女性殺人事件の被害者を追悼し、抗議する「これ以上の基地・軍隊の駐留を認めない!追悼・抗議集会」が那覇市で開かれました。
 集会は「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」が呼び掛け、45団体が賛同しました。
 参加者は、「これ以上、沖縄人が強姦(ごうかん)され、殺されることは容認できない」、「危険をなくすためには軍隊の撤去しかない」と話しました。
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「全ての基地撤去を」 沖縄の軍属事件、女性団体が追悼・抗議集会
琉球新報 2016年6月9日
 沖縄での米軍属女性遺棄事件の被害者を追悼し、軍隊の構造的暴力について考える「これ以上の基地・軍隊の駐留を認めない!追悼・抗議集会」が8日、那覇市古島の教育福祉会館で開かれた。元米陸軍大佐で外交官も務めたアン・ライトさんが登壇。ライトさんは集会後、報道各社のインタビューに応じ、後を絶たない米軍関係者の事件事故の背景に「違う国では何をしてもいいという植民地主義的な考えを持っている人がいる」と指摘した。
 
 ライトさんはイラク戦争に反対し、外交官を辞めた。「軍隊は内外に暴力があふれる」とし、米軍基地の撤去を訴えた。
 集会は「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」が呼び掛け、45団体が賛同。各団体の代表10人によるリレートークの後、参加者約160人がプラカードを掲げ全基地の撤去を求めた。
 
 声明文も発表し(1)被害者を取り巻く人々への謝罪と補償、ケアが丁寧に行われること(2)真実の究明と加害者への厳正な処罰-などを要求した。
 
 
米兵から乱暴「殺される寸前」「本土は基地引き取って」
沖縄の抗議集会、告白者の訴えに涙
琉球新報 2016年6月9日
 「もう涙は見たくない」「被害をなくすためには軍隊の撤去しかない」。日、那覇市で開かれた米軍属女性遺棄事件に関する「これ以上の基地・軍隊の駐留を認めない!追悼・抗議集会」では、集会賛同団体の代表10人がリレートークで切実な思いを語った。米兵からの性被害を告白する人の話に涙を流す人も。参加者は静かに耳を傾け、共感の拍手で応えた。
 
 「首を絞められ、殺される寸前だった」。ワンストップ支援センターの設立を強く望む会(ソーハート)の金城葉子共同代表は、17歳の時に米兵から受けた性暴力の被害を語った。友人宅で開かれた夕食会後、「家まで送る」と言われ、車内で襲われた。
 3年前に被害を公にし、性被害のワンストップセンター設立に尽力した。「当時は単に私と米兵だけの問題だと思っていた。でも、今は米軍基地があるが故の被害だったと思っている。被害を黙っている人はたくさんいる。米軍基地をなくすまで、一緒に頑張っていく」と力を込めた。
 
 日本人の大半が米軍基地が必要だと考えるならば、(本土で)基地を引き取ってほしい」。オキナワンスタディーズ107の親川志奈子共同代表は語気を強めた。「自分の所に基地が来るかもしれないと考えて初めて、日本の人々はウチナーンチュの訴えの意味が分かるのではないか」と指摘。「これ以上、沖縄人が強姦(ごうかん)され、殺されることは容認できない」と訴えた。
 
 集会に参加した安慶名つる子さん(69)=沖縄市=は「『米兵はいい人』と言う若い人は多い。しかし、今回の事件を見て分かるように、そのいい人が豹変(ひょうへん)して事件を起こす。危険をなくすためには軍隊の撤去しかない」と話した。