2016年6月15日水曜日

15- 万策尽きた日銀(アベノミクス) “参院選向けサプライズ”もない?

 日銀の金融政策決定会合が1516日に開かれます。日銀は今や安倍政権の応援団となってますが、もういくら後方支援をしたくても、万策尽きていまったく動けないだろうと言われています。
 金融の緩和によって一旦は円安=株高が実現しましたが、今年に入ってからは円高=株安に反転しました。上場投資信託の購入拡大させれば株価は上がりますが、それは余りにも露骨すぎます。また今では株価が上がっても物価は上昇しないし、景気も回復しません
 異次元緩和から3年余りになりますが効果はまったく出ていません。もはや安倍-黒田ラインの金融緩和は限界であって今後は財政政策シフトするしかありません。
 
 日刊ゲンダイの記事と、安倍政権の経済失政を厳しく批判する小沢一郎(事務所)のツイートを併せて紹介します。
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万策尽きた日銀 決定会合で“参院選向けサプライズ”あるか
日刊ゲンダイ 2016年6月14日
 安倍政権の応援団と化している日銀の金融政策決定会合が15、16日に開かれる。黒田総裁が悪評フンプンのマイナス金利を導入してから3回目だ。
 
 三菱東京UFJ銀行は国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)の資格返上に動き始め、長期金利は過去最低のマイナス0155%まで下げた。アベクロの経済政策にノーを突きつけられたままでは、参院選は戦えない。サプライズはあるのか、ないのか。ついに「黒田バズーカ4」を放つのか。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
 「結論から言えば、日銀はまったく動けないでしょう。安倍政権を後方支援したくても、万策尽きている。マイナス金利は業界が猛反発しているし、国民も戸惑っている。銀行株が下落傾向にあるなど、副作用が出ていますから、マイナス金利の深掘りはできません。国債の買い増しも厳しい。購入量は年80兆円に達していて、総発行額の3分の1を占めている。市場に歪みを生じかねません」
 
 ETF(上場投資信託)の購入拡大をやれば、株価は上がる。しかし、選挙対策とはいえ露骨すぎるために見送られる公算だ。
 株価が上がっても物価は上昇しないし、景気も回復しない。異次元緩和から3年余りですが、効果はまったく出ていない。消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)は2カ月連続マイナスでした。さすがのアベクロも金融政策の限界に気づき、財政政策へのシフトを図っています。秋の臨時国会で第2次補正予算を組み、赤字国債を買い増しする形で日銀が引き受けるシナリオ。ヘリコプターマネーの始まりです」(前出の斎藤満氏)
 日銀を引受先にした国債をじゃんじゃん刷って、日本中にカネをバラまこうというのだ。そんなことをすれば、いずれ国債は暴落し、日本企業の株価にも影響する。安倍首相にも黒田総裁にも退場願わないと、本当に取り返しがつかなくなる。 
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 ヘリコプター‐マネーデジタル大辞泉の解説より)
あたかもヘリコプターから現金をばらまくように、中央銀行あるいは政府が、対価を取らずに大量の貨幣を市中に供給する政策。米国の経済学者フリードマンが著書「貨幣の悪戯」で用いた寓話に由来。中央銀行による国債の引き受けや政府紙幣の発行などがこれにあたる。ヘリコプタードロップ。
 [補説]
 中央銀行は通常、市場に資金を供給する際、対価として民間金融機関が保有する国債や手形などの資産を買い入れる(買いオペレーション)。ヘリコプターマネーの場合、そうした対価を取らずに貨幣を発行するため、中央銀行のバランスシートは債務だけが増え、それに見合う資産は計上されず、債務超過の状態になる。
 その結果、中央銀行や貨幣に対する信認が損なわれる可能性があるため、平時には行われない。 
 
 
政治とは生活である 小沢一郎
小沢一郎(事務所)ツイート
6月13日  
安倍政権が野党批判に躍起になってきた。
本来堂々と自分たちが三年半やってきた結果について、明らかに失敗したことについて、まず釈明するのが先。
そうしたこともせず、口を開けば野党の批判ばかり。
結局、アベノミクスに自信喪失し、公約違反を説明できないので、野党批判で煙に巻こうという大作戦。
 
政府が本日発表した4~6月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数は▲7.9と、2四半期連続のマイナス。
安倍政権が無責任に膨らませた円安バブルを、今度は自分達で勝手に炸裂させたのだから当然の結果である。
まず、野党を感情的に批判する前に、「現実」を釈明すべき。
 
野党共闘になんとか楔を打ち込もう、なんとか仲悪く分断させようというのが最近の与党の一大戦略。「敵を分断せよ」という兵法の単純な考えでやってるだけ。
しかし、今問われているのは、この国の立憲主義と民主主義を崩壊から救えるかどうかという一大問題。そのために賛同できる者は全て共闘すべき。
 
株価は500円を超える大暴落。
参院選を前に今年の最安値をつけるような勢いで売られている。
円も106円/ドルを突破する勢い。安倍政権の円安バブルの崩壊を市場の動きが裏付けたかたち。
最悪なのは年金。積立金の半分が既に株式に。安倍政権は街頭演説で、まずこの年金の損失の状況を説明すべき。
 
なんとかバズーカと、はしゃいだ結果がこれ。あまりに短絡的。
我々は以前から馬鹿馬鹿しい官製相場・催促相場がこうなることを警告してきた。
しかし総理は国会でも「バイアベノミクスのどこが悪いのか」との趣旨の答弁してきた。NISAで投資を煽り、年金をつぎ込んできた安倍政権こそ無責任である。
 
株が下がれば年金投入、下がってまた年金。これまで安倍政権が厚労大臣を使ってやってきたのはそういうこと。
消えた年金問題などよりはるかに深刻な「消えゆく年金問題」。
安倍政権は国民から隠すため例年6月の1-3運用実績公表を参院選後に先延ばし。
この事実を多くの皆さんに拡散してもらいたい。
 
円高が止まらない。
そもそも総理は、一頃海外にまで行って「バイマイアベノミクス!」と絶叫。その結果、繰り返されるバズーカで投機筋が群がり、官製相場・催促相場が完成。結局、マイナス金利で逆噴射し、今日に至っている。
円安バブルと、年金と日銀資金で株価を操作しようとしたのが全ての間違い。
 
安倍総理はサミットで世界経済は危機前と言った。
しかし、本当に危機に瀕しているのは「年金」である。メディアも政権に遠慮してか、あまり報じない。
しかし、ことは重大である。こういうことを報じるのがメディアの本来の役目。
政府がひた隠す以上ぜひ国民に「真実」について明らかにしてもらいたい。
 
日経平均は前日比▲582円の暴落。 
結局は総理が「アベノミクスは失敗していません!」と、わざわざ遊説で叫ばなければならないほどの「事態」になってきているということ。
いいとこだけ並べても現実を見れば失敗は明らか。
ますます消費・企業マインドは低迷。全ては無責任な「円安バブル」の反動。
 
年金運用資産は約140兆円。株価は昨年末(19,033円)から今日(16,019円)までで▲15.8%下落。
半分が国内外の株に投入されており、下落率を単純に当てはめても▲11兆円の損失。
下落率20%(15,200円)で▲14兆円。30%(13,300円)で▲21兆円の損失となる。
 
6月14日
総理は「以前に比べて株が上がっているじゃないですか!」とよく感情的に言うが、現在の株価水準自体が、いわばバズーカでふかした「円安バブル」によるもの。
したがって、何の自信の根拠にもならない。むしろ、株価維持のために年金資金が散々高値掴みをしており、巨額の損失がどんどん膨らんでいる。
 
安倍総理が連日野党共闘について、口汚く侮蔑的に公党に対して極めて失礼な演説を繰り返している。しかし、どうなのだろう。自分の「経済失政」と「公約違反」を棚に上げたこういう情緒的演説は共感を呼ぶだろうか。
むしろ総理の人間が小さいとは思われないだろうか。こちらが心配することではないが。
 
安倍総理は今日も「甘い言葉に気を付けよう!」とか「~党は危険です!」などと、自分の経済失政と公約違反を棚に上げて、品のない汚い言葉満載の街頭演説をやっている。
全部御自分にこそ向けられるべき言葉ではないか。
いずれにせよ何かをごまかす場合、こういう誹謗中傷になる。一番危険なのは総理。
 
毎日、都知事の言い訳と自民党の曖昧な対応、いつ辞職するのか?といったニュースばかり。
もういい加減にすべきだろう。
円高株暴落や年金の損失の問題、元TPP大臣の事件など、経済や国民生活、民主主義の今後とって重要なニュースはいくらでもある。
今や都知事は安倍自民の目くらましになっている。