2016年6月10日金曜日

選挙のたびに『経済重視』、選挙が終われば秘密保護法・戦争法・改憲

 安倍首相は7月の参院選に向けて、またしても「アベノミクスを加速するのか逆戻りするのか、これが参議院選挙の最大の争点」と述べて、あたかも経済を重視するかのような姿勢を見せていますが、これまで虚妄の「アベノミクス」でたたかい、多数を得てやってきたことは秘密保護法の制定、戦争法の制定でした。
 そして今度も国民をあざむいて三たび多数を得れば、憲法破壊の政治を強行しようとねらっています(それにしてもこの期に及んでアベノミクスを成功と強弁するのはいい度胸ですが、その内容を見ると単なる労働力人口の減少による求人倍率の増加を成果にしたり、一部好況の大企業や公務員などの賃上げ実績を強調するなど欺瞞に満ちています)。
 
 しんぶん赤旗がこれまでの安倍政権の選挙戦略と選挙後の豹変の実態を明らかにしました。
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安倍首相またぞろ「アベノミクス選挙」
選挙終われば戦争法発動・改憲 国民だましの手法 退場の審判を
しんぶん赤旗 2016年6月9日
 安倍晋三首相は「アベノミクスを加速するのか逆戻りするのか、これが参議院選挙の最大の争点」(1日)とのべ、選挙戦の争点を「アベノミクス一本やり」に狭めて、やりすごそうとしています。これまで「アベノミクス一本」でたたかい、多数を得てやってきたことは―。
 
第2次安倍内閣発足翌年の2013年7月の参院選
 安倍首相は、異次元の金融緩和など「3本の矢」を掲げて、「デフレから脱却し、経済を成長させ、家計が潤うためには『この道しかない』」(マニフェスト)と「アベノミクス」一本やりの主張を展開しました。参院選結果は、与党が少数の「ねじれ」を解消し、安定多数を得ました。
 しかし、選挙後にやったのは、秘密保護法の成立強行(同年12月)でした。国民の目、耳、口をふさぎ、「戦争する国」づくりをねらったものでした。
 
閣議決定を強行
 翌14年7月には、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を強行し、「戦争する国づくり」に踏み出しました。
 「閣議決定」強行後の12月に行われた総選挙でも首相は、「アベノミクスと呼ばれる経済政策が問われる選挙だ」と強調。「戦争を始めるなんてうそっぱちだ」とまでいって、再び「アベノミクス」一本やりの選挙を展開し、自公両党で3分の2を獲得しました。
 このときも選挙後にやったことは、日本を再び「殺し、殺される国」に導く憲法違反の戦争法の成立強行でした。
 3度目の選挙となる今回の参院選でも「アベノミクスが最大の争点」と打ち出し、乗り切ろうとしています。
 
改憲は公約末尾
 安倍首相は憲法改定について「在任中に成し遂げたい」と執念を燃やし、自民党の改憲案を「選挙においてお示ししていく」と明言。明文改憲に踏み込む姿勢をあらわにしていましたが、参院選公約では多項目にわたる政策資料編の末尾で「憲法改正を目指します」と目立たないようにしています。
 同じく公約末尾では「PKO(国連平和維持活動)や海賊対策、後方支援等を通じて、国際社会の平和と安定の確保に積極的に貢献」などと戦争法の発動をねらっています。
 
 国民をあざむいて三たび多数を得れば、憲法破壊の政治を強行しようとねらっています。安倍首相は、戦争法の強行前、「決めるべきときには決める」と言い放ち、「次の選挙において国民の信任、判断を仰ぐ」(15年6月26日)と、国会で答弁していました。
 
 日本共産党の志位和夫委員長は5日の札幌市での街頭演説で、「この参院選は戦争法を強行した後の最初の国政選挙」として首相の答弁を紹介。「ならば、憲法破りの政治をやった勢力に退場の審判を下そうではありませんか」と訴え、安倍首相の野望を許さない審判を呼びかけました。