2018年8月13日月曜日

13- 名目賃金を見かけ上アップさせた安倍内閣

 先に安倍内閣は、GDP計算時の集計項目を変えることで、数十兆円を居ながらにアップさせました。
 それに味を占めて、今度は賃金ベースを計算する対象を変更した結果、ナント 6月の名目賃金は「36%アップ」を勝ち取り?ました。これはサンプル対象に給与の高い企業が増やせば済むことで、種も仕掛けもありません。
 因みに旧来の対象で計算すると13%になるということなので、政府は3倍近いバブル値を公表したことになります。
 
 もう一つ、この夏の一時金が70%アップしました。これ自体には集計上の「新たなゴマカシ」はないのですが、そうなった事情についても日刊ゲンダイの記事が明らかにしています。
 「閑話休題」的な話題ですが … 。
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21年ぶりの高い伸び率 名目賃金3・6%上昇のカラクリ
日刊ゲンダイ 2018年8月11日
 今週7日に厚労省が発表した6月の名目賃金(毎月勤労統計調査)3.6%上昇に疑問の声が上がり始めている。
「ナント、21年ぶりの高い伸び率を記録したのです。好景気の実感がないだけに不思議な印象でした」(市場関係者)
 
 金額ベースでは44万8919円で、前年に比べ1万5876円増えている。
「実は、これほど伸びたのには理由があります。調査対象先(サンプル)が、今年に入ってから変更され、どうやら給与の高い企業が増加したようなのです。その影響で、前年比が高くなる傾向にあります。ただ厚労省は、調査先を継続していた場合の数値も公表しています。6月分は1.7%の伸びでした」(第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏)
 何のことはない、サンプルを変更した結果が、21年ぶりの賃金上昇だったのだ。
 
 そればかりか、賃金アップの最大の理由とされる「ボーナス増」にもカラクリがあるという。所定内給与(基本給)は1.3%増に過ぎなかったが、特別に支払われた給与(ボーナス)は7.0%増を記録した。経団連の集計では、今夏ボーナスの大企業平均は前年比8.62%増の95万3905円で、1959年の調査開始以来、最高額となった。
 
「なぜボーナスが、これほど増えたのか。働き方改革と関係があるのかもしれません」(熊野英生氏)
 どういうことか。安倍政権が進める働き方改革によって、所定外労働時間(残業)は減っている。毎月勤労統計でも、今年1~6月は前年比マイナス0.5%だ。当然、サラリーマンの残業代は減り、月給の減少も避けようがなくなる。
「人手不足が叫ばれるいま、年収が減ったら転職を考える人も出てくるでしょう。だから企業の経営者は社員を引き留めるため、年収を下げない工夫をします。その答えがボーナス増です。残業代の代わりに、ボーナスで対応したということです」(前出の市場関係者)
 
 ボーナスの支給額が急増した理由は、年収維持のため。決して景気が良くなったからアップしたわけじゃないのだ。21年ぶりの賃金上昇を真に受けてはいけない。