2018年8月12日日曜日

翁長知事の遺志継ぐ 沖縄県民大会 全国20カ所以上で連帯の集い

 11日、「辺野古新基地建設断念を求める沖縄県民大会」那覇市奥武山陸上競技場で開かれました。降る中、8日に膵臓すいぞうがんで亡くなった翁長雄志知事への追悼の意を込め黒い服を身に付けるなどして、7万人の市民が参加しました
 大会では、翁長雄志知事の次男で那覇市議の雄治氏から、知事の生前の言葉紹介されました
 
 同日、沖縄県民大会に連帯する「埋めるな!辺野古 沖縄県民大会に呼応する8・11首都圏大行動」が都内東池袋中央公園で開かれ2800人が参加するなど、北海道・帯広から東北、中部、東海、関西、福岡など全国20以上の地域でも県民大会に連帯する集まりがたれまし
 
 沖縄タイムス、琉球新報の3本の記事を紹介します。
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翁長知事の遺志継ぐ 「新基地を造らせない」 沖縄で県民大会
沖縄タイムス 2018年8月11日
 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対するオール沖縄会議は11日午前、「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める県民大会」を那覇市の奥武山陸上競技場で開いた。雨が降る中、市民らは辺野古の海の色を象徴する青色の帽子やタオルなどのほか、8日に膵臓がんで亡くなった翁長雄志知事への追悼の意を込め、黒い服を身に付け参加。翁長氏の死を悼み、日米両政府へ新基地建設計画の白紙撤回を求めた。主催者発表で7万人の市民が参加した。
 
 翁長氏の次男で那覇市議の雄治氏は、「父は最期の最期までどうしたら辺野古新基地を止められるか、病室のベッドでも資料を読みあさり頑張っていた」と紹介。「沖縄は試練の連続だが、ウチナーンチュが心を一つにして闘うとき、想像よりはるかに大きな力になると何度も何度も言われてきた」と生前の翁長氏の発言を明かした。
 
 知事職務代理者の謝花喜一郎副知事は、入院中も翁長氏が埋め立て承認撤回に強い決意を持っていたことを明かした上で「撤回は聴聞の審理状況を踏まえ、翁長氏の辺野古新基地をつくらせないとの強く熱い思いを受け止め、毅然(きぜん)と判断する」と決意を示した。
 
 玉城愛共同代表が「県民の命と暮らし、沖縄の地方自治と日本の民主主義と平和を守るため、この不条理に対し、全力であらがい続ける」と大会決議を読み上げ、採択された。宛先は首相や防衛相で、土砂投入の撤回、オスプレイの配備撤回などを求めている。
 
 壇上の最前列中央には翁長氏の席が用意され、いすの上に翁長氏が大会で着用する予定だった帽子が置かれた。大会冒頭、参加者全員で翁長氏の冥福を祈り、黙とうした。開催地の城間幹子市長や、政策集団にぬふぁぶしや、金秀グループの代表もあいさつした。
 
 
「翁長さんの遺志を継ぐ」 全国20以上の地域で県民大会連帯の集い
 東京・池袋には2800人(主催者発表) 
琉球新報 2018年8月11日
【東京】沖縄での県民大会に連帯する「埋めるな!辺野古 沖縄県民大会に呼応する8・11首都圏大行動」が11日、都内の東池袋中央公園で開かれた
 翁長雄志知事の死去を悼み、辺野古新基地建設で17日に予定される土砂投入への反対を確認し合った。
 約2800人(主催者発表)の参加者らは「翁長さんの遺志を継ぐ」などのプラカードを掲げて池袋駅前をデモ行進し、新基地反対への連帯を沿道に訴え掛けた。
 
 集まりでは首都圏のほか、北海道・帯広から東北、中部、東海、関西、福岡など全国20以上の地域でも県民大会に連帯する集まりがもたれたことが報告された。
 首都圏大行動では、沖縄環境ネットワークの花輪伸一世話人が主催者あいさつし「知事職務代理者により一刻も早く埋め立て承認が撤回され、17日からの土砂投入を中止させることを強く要請する。新基地建設絶対反対を私たち自身の問題としてとらえ、全国の市民と連帯して新基地建設を中止に追い込みたい」と述べた。
 
 集まりの冒頭には翁長知事に黙祷をささげた。沖縄の県民大会での謝花喜一郎副知事の知事職務代理者のあいさつが中継され、拍手が起こった。
 街頭デモでは「沖縄差別を許さない」「首都圏に住むわれわれの問題だ」「工事をやめろ」「サンゴを守ろう」「辺野古の海を土砂で埋めるな」などと沿道に呼び掛けた。
 沿道にはコール(呼び掛け)に応じて口ずさむ人や、辺野古新基地反対のチラシを手に取り中身に見いる人の姿もあった。【琉球新報電子版】
 
 
「沖縄が一つになるとき大きな力に」 翁長知事の“最後の言葉”
  次男が明かす
沖縄タイムス 2018年8月11日
 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対する「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会」では、辺野古新基地反対や沖縄の基地負担の軽減を訴え続け、8日に亡くなった翁長雄志知事の次男で那覇市議の雄治氏が、知事の生前の言葉を紹介した。
 
 雄治氏の話は次の通り。
 
 はいさい、ぐすーよー、ちゅーうがなびら。県民の皆さま、全国の皆さまには、父の体のことで多大なご心配をお掛けしました。皆さまのご期待に沿えるよう、最後まで頑張りましたが、残念な結果となりました。申し訳ございませんでした。
 最後の最後までどうやったら辺野古新基地を止められるのか、一生懸命病室のベッドの上でも資料を読みあさって、頑張っていました。父が生前、私に、そして皆さまに話していたことを、改めて紹介したいと思います。
 沖縄に辺野古に新基地を造る、どれほどの大義名分があるのでしょうか。そういう説明がしっかりとなされてきたのでしょうか。全国が受け入れないから沖縄に置いておけばいい。我々が納得のいかないものを、将来の子どもたちの残してしまうのでしょうか。
 
 県民の皆さま、いま一度しっかりと我々の思いを形に致しましょう。父は生前、沖縄は試練の連続だと。しかし、一度もウチナーンチュの誇りを捨てることなく、闘い続けてきた。ウチナーンチュが心を一つに闘う時は、お前が想像するよりもはるかに大きな力になると話していました。
 辺野古新基地建設の是非を問う県民投票に向けた署名活動でも10万以上の署名を集めることができたのは、県民の大きな決意だと思います。
 
 日本全国の皆さま、多くの人が必要であるというその日米安保、国土の0・6%にすぎない沖縄に米軍基地の70%以上があるのは、いくらなんでも重過ぎはしませんか。
 全国的なテーマに上げていただき、この問題は沖縄の問題ではなく、日本国の問題であると認識し、議論していただきたい。国の専権事項だからといって、いま責任を持つ我々が、次の世代のために何もせずに指をくわえて見ているわけにはいきません。
 
 オール沖縄という大きな大きな政治潮流は政治家のためにあるわけではなく、政党の具にするものでもございません。オール沖縄は我々ウチナーンチュの強い決意、覚悟です。
 この民意に我々政治家が突き動かされているのです。最後まで見届けることはできませんでしたが、翁長雄志に辺野古新基地建設は止まったよ、止められたよという報告ができるよう皆様頑張りましょう。ありがとうございました。