全国知事会は7月26・27日の北海道大会で、日米地位協定の抜本的改定を求める提言を全会一致で採択しました。同じ敗戦国でもドイツやイタリアは、米国との地位協定を改定し前進させている中で、日本だけは制定後60年余りが経つのに何の改定・前進を行わずに来たことに、さすがに知事会も耐えかねたのでした。
これには翁長知事の下で、沖縄県のメ職員が足掛け2年を費やしてドイツやイタリアの実態を調べたことが大きな要因になっています。
天木直人氏はこの決定を
「日米地位協定は日米安保体制の根幹をなす協定だ。戦後最大のこの国の政治テーマである日米安保体制の抜本的見直しが、対米従属の安倍1強政権の真っただ中で全会一致で採択された。(これは)地方の反乱ではないのか」
と高く評価しました。
14日、全国知事会会長の上田清司・埼玉県知事らが外務、防衛両省と在日米大使館を訪問し、航空法や環境法令など国内法の適用や、事件・事故時の基地への立ち入りなどを日米地位協定に明記するよう求める提言書を提出しました。
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在日米軍基地の地域負担など軽減策求める提言 全国知事会
NHK NEWS WEB 2018年8月14日
全国のアメリカ軍基地をめぐり、全国知事会の会長を務める埼玉県の上田知事は、山本防衛副大臣と会談し、アメリカ軍機が低空飛行の訓練を行うにあたっては事前にルートや時期を知らせるなど、地域の負担や不安を軽減する対策を求める提言を手渡しました。
在日アメリカ軍基地の基地負担軽減に向けて、全国知事会は、今月8日に死去した沖縄県の翁長知事の提案を基に研究会の提言をまとめ、14日、全国知事会の会長を務める埼玉県の上田知事らが山本防衛副大臣に手渡しました。
それによりますと、アメリカ軍機が低空飛行訓練を行うにあたっては、事前にルートや時期を知らせることや、基地ごとに、必要性や使用状況などを点検し、縮小や返還を積極的に促進すること、それに、事件や事故が発生した際の自治体職員の立ち入りを日米地位協定に明記するなど、地域の負担や不安を軽減する対策を求めています。
これに対して山本副大臣は、「防衛政策は、地域の協力がなければ成り立たず、提言については関係機関と検討させてもらいたい」と述べました。
会談のあと、上田知事は記者団に対し「私たちは、住民から直接、リアクションを受けており、政府には提言をアメリカ政府や関係者に伝えてもらいたい」と述べました。