2018年8月14日火曜日

メルスモン製薬闘争終結に当たっての東京東部労組声明

 「雇止め」の不当性を訴えて全国一般東京東部労組労働相談支部の支援を受けて裁判闘争を行った女性が、会社側と和解することになりました。不幸にして裁判中の6月に病を得て長期療養をせざるを得なくなったための苦渋の決断でした。
 
 メルスモン製薬から昨年915日に雇い止め・解雇された(全国一般東京東部労組労働相談支部の島津葉子さん、不当解雇撤回・原職復帰を求めて東京地裁に提訴していましが、731日、会社側と和解の合意に至りました。
 和解内容は、島津さんと会社側双方による2017915日付「合意退職」の確認、会社から島津さんへの解決金500万円の支払いです。この6月、島津さんが急病のため入院し、長期療養を余儀なくされた事態を受けての決断でした。
 レイバーネットの記事を紹介します。
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メルスモン製薬闘争終結に当たっての東京東部労組声明
レイバーネット 2018年8月13日
全国一般東京東部労組書記次長の矢部です。
以下、メルスモン製薬闘争終結に当たっての東京東部労組声明です。
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医薬品を製造・販売するメルスモン製薬(東京都・池袋)から昨年9月15日に雇い止め・解雇され、不当解雇撤回・原職復帰を求めて東京地方裁判所に提訴していた全国一般東京東部労組労働相談支部の島津葉子さんが、7月31日、会社側と和解の合意に至りました。
和解内容は、島津さんと会社側双方による2017年9月15日付「合意退職」の確認、会社から島津さんへの解決金500万円の支払いです。6月、島津さんが急病のため入院、長期療養を余儀なくされた事態を受けての苦渋の決断でした。
会社より雇い止め・解雇を通告されてから1年余り、6回にわたる団体交渉、4回を数える本社前申し入れ行動、労働審判申立てと、東部労組とともに果敢に闘ってきた争議にひとまず終止符が打たれます。
 
皆さまのこれまでのひとかたならぬご支援に心より感謝申しあげるとともに、島津さんの完治を祈念して、以下、東部労組の声明を発表します。
 
メルスモン製薬闘争終結に当たっての東京東部労組声明
2018年8月13日
全国一般東京東部労組執行委員会
全国一般東京東部労組労働相談支部 島津葉子組合員は、7月31日、東京地方裁判所民事第36部において、メルスモン製薬との間で和解調書に調印、島津組合員が昨年2017年9月15日、同社より雇い止め・解雇されて以来、その撤回と原職復帰を求め、東部労組とともに敢然と闘い続けてきた争議がここに終結した。
 
同社との労働契約更新19回・勤続14年を数える島津組合員は、不当解雇撤回・原職復帰を一貫して要求し、6回の団体交渉に臨み、東京都豊島区池袋に所在する本社前において申し入れ行動を4度敢行、東京地方裁判所に労働審判を申し立て、引き続き本裁判を提起したところであるが、今般、島津組合員の急病に伴う長期入院・療養により和解を余儀なくされた。
 
不当解雇はもちろんのこと、これに起因する今後の生活への不安など精神的なストレスにさいなまれたことにより島津組合員を重篤な疾患に追い込んだ一連の責は、ひとえにメルスモン製薬にある。同社が島津組合員の闘いの原動力たる職場復帰の実現にごう然と立ちふさがり、解雇撤回闘争を闘うすべての労働者に生まれつつある希望の萌芽を摘み取ろうとしたことを断固として糾弾する。
 
和解条項は、主に2017年9月15日付での雇用契約終了の相互確認、島津組合員に対する会社からの解決金500万円の支払いにより構成され、東部労組をはじめ、友好労組・団体の仲間による大衆行動、裁判支援闘争など、たゆみない果敢な闘いの成果であることは確認したい。しかし、職場での労働運動を断念させられた島津組合員の無念さを補うものでは決してないであろう。
 
島津組合員のこの悔しさに働く仲間として思い致すとき、今年度より施行された労働契約法第18条「5年無期転換ルール」に真っ向から挑戦するかのごとき、同社の卑劣かつ非情な不当解雇を、そもそもわれわれは絶対に許すことはできない。
 
また、労働審判(2018年1月29日東京地裁に申立て)においては、同年5月9日、同民事第36部で審判が下されたが、その内容たるや、労働契約が2017年9月15日に終了したことを相互に確認し、会社側は解決金300万円を島津組合員に支払う旨の「金銭解決押しつけ」であった。
 
島津組合員は寸分もぶれることなく解雇撤回・原職復帰を主張してきたことは、冒頭に述べたところであるが、裁判所は係る経緯をまったく無視、望んでもいない金銭解決を無理強いすることで和解を強行しようとした。
いま、安倍政権が推し進める労働法制改悪の次の一手として掲げる「解雇の金銭解決」を先取り、その目論見を側面支援する暴挙であり、決して見過ごしてはならない。労働者に目を背けた裁判所がメルスモン製薬と同様、島津組合員の一途な願いを一顧だにせず、すべての働く仲間の司法に対する失望を招いたことは、限りない問責に値する。
 
いまこそわれわれは、東部労組と友好労組・団体の仲間による団結と連帯を確かめあうとともに、島津葉子組合員がメルスモン製薬闘争を敢然と闘ってきた軌跡を明らかにし、その身心を賭して最後の一滴まで絞り出した努力と気力を讃えよう!そして、病状の完全回復と組合活動への復帰を祈りつつ、島津組合員の志を連綿と引き継いでゆこう!
以上