2018年10月1日月曜日

10月から生活保護費を減額 一方 米国には5兆円を差し出す

 政府は、10月から生活保護利用世帯の約7割で食費や光熱費など生活扶助の引き下げを強行します。来年度・再来年度にも引き下げられるので、2年後には国と地方合わせて年210億円が削減されることになります。
 都市部の「40代夫婦と子ども2人(小・中学生)の世帯」の場合、最終的には受け取る生活扶助費が年10万円以上も少なくなります。
 
 外遊が好きな首相はその度に呆れるほどの大金をバラまいていますが、内政ではこんなにも無慈悲な弱い者いじめをしている訳です。外面が良いとはこのことです。
 
 安倍首相が国連演説で「背後」を「せぃご」と読んだことがネットで話題になっています(動画も配信されています)。その程度の人物がトップに君臨して、好き勝手に振る舞っているとはつくづく情けない話です。
 
 トランプ大統領は26日、国連総会を締めくくる記者会見で、「私が(安倍氏に)『日本は我々の思いを受け入れなければならない。巨額の貿易赤字は嫌だ』と言うと、安倍氏は、すごい量の防衛装備品を買うことになった」と自分の手柄を強調しました。日刊ゲンダイによればその額は5兆円に上るということです。
 自国の経済弱者には血も涙もない態度を見せる一方で、トランプ氏から脅されると歓心を買うために5兆円をも投げ出すというのは、一体どういう思考回路なのでしょうか。
 
 しんぶん赤旗と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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生活保護 あすから削減 年10万円以上減の世帯も
 しんぶん赤旗 2018年9月30日
 安倍政権は生活保護のうち、食費や光熱費など日常生活費に充てる「生活扶助」の支給基準を見直し、10月から生活保護利用世帯の約7割で生活扶助の引き下げを強行しようとしています。 
 2018~20年の毎年10月に段階的に生活扶助が引き下げられ、全て実施されれば、予算規模では国と地方合わせて年210億円が削減されます。都市部の高齢単身世帯や子どもが多い世帯に特に影響がおよび、減額幅は最大5%。都市部の「40代夫婦と子ども2人(小・中学生)の世帯」の場合、最終的には受け取る生活扶助費が年10万円以上も少なくなります。(影響=表)
 安倍政権は12年末に発足以来、生活保護削減を相次いで強行、すでに削減額は年1270億円にのぼります。
 生活保護の基準は、最低賃金を決定する要件や学用品・給食費などを補助する就学援助など低所得者向けの各種制度の基準にもなっており、その引き下げは国民全体の暮らしに影響を与えます。
 今回の生活保護費の削減をめぐっては、17年末に厚生労働省が削減計画を決定すると利用者らは強く反発し、撤回を求める運動が広がりました。
 
「審査請求」広く
 生活保護費削減の強行が迫るなか、13年からの生活保護基準引き下げは違憲だと訴える裁判を支援する「いのちのとりで裁判全国アクション」などは14日、記者会見を開き、全国の生活保護利用者に、行政の決定に不服がある場合に行う「審査請求」運動を呼びかけました。
 会見で全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の安形義弘会長は、裁判の原告が、誤解や偏見に基づく生活保護バッシングもあるなかで葛藤をしながら立ち上がっていると紹介。裁判とともに「今度の審査請求を、生活保護利用者だけの問題ではなくて、国民全体の貧困を考える運動として取り組みたい」と力強く話しました。
 
表

 
トランプは大喜び 安倍政権が米国に差し出す「血税5兆円」
日刊ゲンダイ 2018/09/30
 「巨額の貿易赤字は嫌だと言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」――。
 安倍首相との首脳会談を振り返ったトランプ大統領はこう言って満面の笑みを浮かべたという。この発言について菅官房長官は28日の会見で、安倍首相が米国製の防衛装備品を調達する考えを示したことを認めた上で、「我が国の防衛力強化にとって重要だ」とか言っていたが、ちょっと待てもらいたい。防衛省が8月末に決定した2019年度予算の概算要求額は過去最高の5兆2986億円に上る。財政が厳しい今の日本がどうやって「すごい量の防衛装備品を買う」(バイ・アメリカン)カネを捻出できるのか。
 
 それでなくても、安倍政権の防衛予算は6年連続の増額だ。安倍首相は、北朝鮮や中国の脅威をあおり戦争法を成立させて以降、「次期主力戦闘機F35」「垂直離着陸輸送機オスプレイ」「無人偵察機グローバルホーク」「水陸両用装甲車AAV7」など新たな高額武器をバンバン購入。「迎撃ミサイルSM3ブロック2A」や「陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)」などのミサイルシステムの導入も決めた。多くは米国製で、しかも「言い値」で買わされているのだから、日本国民にとってはたまらない。
 
「日本政府は米国から買った防衛装備品の支払いについて『後年度負担』という方法で分割払いしています。ただ、どの装備品も、数百、数千億円と高額のため、分割とはいっても支払い額の合算が来年度以降は年間2兆円ほどになるとみられている。これ以上、米国から装備品を爆買いするとなれば、分割払いだけで予算を消化してしまうでしょう。空自の弾薬予算が大幅削減され、隊員から『訓練もできない』とボヤキ声が漏れていますが、シャレになりませんよ」(防衛省関係者)
 
 安倍政権がトランプに差し出すカネは一体、どのくらいになるのか。ヒントは自民党が5月にまとめた、新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画(中期防)への政府提言だ。サイバー・宇宙分野の体制強化や防衛費の大幅増額を盛り込み、対GDP(国内総生産)比で、ほぼ1%弱で推移してきた防衛費枠の撤廃と「GDP比2%」を明記した。
 
 安倍首相も昨年3月の参院予算委で「GDPの1%以内に防衛費を抑えるという考え方はない」と答弁しているから、仮に2%になれば単純計算で防衛予算は10兆円規模になる見通しだ。つまり、トランプの言う「すごい量の防衛装備品」の代金として5兆円の血税を差し出すというわけだ。
 
 そうなれば、代わりに削減されるのは、間違いなく社会保障費だろう。すでに安倍政権は、医療、介護、福祉分野の予算を切りまくり、個人負担分をどんどん引き上げているが、さらなる国民負担を求めるのは間違いない。これを売国奴と言わず、何と言うのか。「ウィンウィン」どころか、「ゼロサムゲーム」だ。
 
 ちょっとニラミを利かせれば、ブルってポンと5兆円を差し出す。トランプが安倍首相を「シンゾー」と呼ぶワケがよく分かる。