2018年10月29日月曜日

アベノミクス無惨な幕切れへ 大株主は大儲け

 アベノミクスは、円安を誘導した反作用として株高が演出されましたが、並行して行われた公的資金による株を買い支え政策は、投資家にとっては株をこれ以上はない安全牌にするものなので、思い通りの大儲けをすることができました。それに向けての日銀の株買い取り額(FTE残高)は実に22兆円に達しました。
 その結果、自動車工業を筆頭に輸出企業は大儲けをし、資産家は株の運用でこの5年1317年)巨万の富を得ました。その一方で、1世帯当たりの平均実質所得は5年の累計で79・2万円も減った上に、食品・石油等の原材料の輸入価格が高騰したため庶民の暮らしは火の車となりました。
 しかし自分の脚を食うような異常な政策は長くは続けられません。その出口に向かう時が株高のバブルがはじけるときです。
 
 東証株価の下落は世界同時株安の一環と見られがちですが、東証の下げ幅は米国やアジア各国の下げ幅を1.5~2.3倍と大きく上回っていて、日刊ゲンダイはアベノミクスの無残な幕切れを意味するものと見ています。
 もしも年明けの日米FTA交渉で、通貨切り下げに報復措置を行える『為替条項』を突きつけられれば、超円高が到来し株価大暴落するなど日本経済はクラッシュしかねません
 
 日刊ゲンダイとしんぶん赤旗の「超大株主の保有株価が安倍政権下5倍に膨張した」とする記事を紹介します。
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アベノミクス無惨な幕切れ 全てが暗転で東証株価は奈落へ
 日刊ゲンダイ 2018年10月27日
 (阿修羅文字起こしより転載)
 東証株価の下落が止まらない。25日に前日比822円安と大幅に下げた日経平均は、26日も続落。下げ幅は一時200円を超え、2万1000円の節目も一時割り込んだ。
 今月2日の取引中に年初来高値の2万4448円07銭をつけた際には、「1991年11月以来、約26年10カ月ぶりの水準で、バブル崩壊後の最高値圏」と大メディアは大ハシャギだった。ところが、ホンの3週間ちょっとで3000円以上も暴落したのだ。
 大メディアは株安の理由をどうのこうのと伝えているが、答えはひとつだ。東証株価の大幅下落は、アベノミクスの無残な幕切れを意味する。
 世界同時株安といえども、東証の下げ幅が飛び抜けているのが、何よりの証拠だ。25日の日経平均は前日比3.72%も下落した。アジアの株価指数の下落幅は台湾が2.4%、韓国が1.6%。世界同時株安の“震源地”である米ダウ平均の下落幅も2.41%にとどまり、東証の下げ幅は際立っている。
 アベノミクスの株高はもともと、輸出頼みの官製相場だ。黒田日銀が異次元緩和で円安を演出し、自動車産業など輸出大企業をバックアップ。さらに、日銀のETF“爆買い”や年金基金の株式運用比率引き上げ、郵貯マネーの株買い支えなど、国民の“虎の子”のカネを鉄火場の株式市場に湯水のようにブチ込み、株価を水増し続けた
 
 その結果、日銀のETF残高は直近データ(20日時点)で約22兆円に到達。3月末時点で、東証1部上場企業の2064社のうち少なくとも710社で公的マネーが「筆頭株主」に躍り出た。日本を代表する大企業の3社に1社の筆頭株主が、“親方日の丸”に握られるという異常事態である。経済評論家の斎藤満氏が言う。
「輸出頼みの官製相場は、しょせん“砂上の楼閣”。米中2大経済大国の景気に陰りが見えれば、もろいものです。米中貿易戦争の激化というトランプ大統領の『米国第一主義』の“毒”が回り、中国のGDPは約9年半ぶりの低水準。一方の米国も対中制裁関税の影響による原材料価格の上昇にFRBの利上げが重なり、住宅販売不振など消費の減速が顕在化してきました。イタリアの財政不安や記者殺害を巡るサウジアラビアと欧米諸国との対立など、国際情勢を巡る不安が今後も株価の重しとなり、加えて日本はトランプ大統領のINF条約破棄で、核大国の米ロに挟まれる地政学的リスクも背負ってしまった。安倍首相が『過去最高の企業収益』を強調しても、トヨタ株はPBR(株価純資産倍率)が1倍を切る割安水準まで売り込まれているのです。アベノミクスは全てが暗転し、上がり目なしです」
 東証株価が奈落に向かうのは必至の情勢だ。
 
国民の虎の子資産を焦げつかせる悪魔の所業 
 これまで大手証券などは「日経平均は年末に2万5000円に到達する」と、強気な予想を示してきたが、さすがに悲観論に傾いている。
 ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次氏は「先行きについて強気の材料がないため、2万円割れを意識せざるを得ない」と毎日新聞に語っていたが、市場でも「日経平均2万円割れ」を予想する声が目立つ。
 それなのに、黒田日銀は懲りていない。負けが込んだギャンブラーのように、きのうまでの10月の19営業日全てでETFを購入。特に25日までは5営業日連続で毎日715億円も買ってきた。19営業日でETF購入に投じた額は7961億円にも上る。この調子だと、株価が奈落に沈むうちに、公的マネーがどれだけ焦げつくのか、知れたものじゃない。
アベノミクスは結局、輸出企業の濡れ手に粟の大儲けとデッチ上げ相場の株価維持のために、国民をダマして大事な資産に手をつけ、吸い上げてきた詐欺的政策なのです。国民から召し上げたカネは大企業の巨額の内部留保に姿を変え、円安政策は原材料費高騰を招き、庶民の暮らしは値上げラッシュで火の車。過去5年間(13~17年)の労働者の実質賃金を分析すると、『1世帯当たりの平均所得』は毎年15・8万円もダウン。5年の累計で79・2万円も減ったのです。国民を貧しくしただけのアベノミクスは既に限界を迎えているのに、安倍政権と黒田日銀は終わった政策にすがりつき、国民の資産を暴落相場に今なおつぎ込んでいる。まるで悪魔の所業です」(経済アナリストの菊池英博氏)
 アベノミクスが無残な幕切れを迎えるのは勝手だが、国民の虎の子の資産まで溶解させるなんて冗談ではないのだ。
 
■日米FTA交渉でさらなる大暴落の危険性
 しかも、株価は上がり目なしの状況下で、安倍首相は来年10月に予定通り消費税率を10%に引き上げると表明したのだ。とても正気の沙汰とは思えない。
「来年10月の消費増税は最悪のタイミングです。その頃にはちょうど東京五輪の開催に向けた公共事業の需要がピークアウトする。増税が重なることで消費は凍り付き、ただでさえ、脆弱な内需にトドメを刺すことになります。安倍政権は増税に伴う消費低迷を回避するため、クレジットカードに増税分をポイント還元する愚策しか出せない経済無策です。ますます日本経済は絶望的です」(斎藤満氏=前出)
 
 さらに年明けには日米貿易交渉が本格化する。安倍は「TAG」なる造語を作ってまで否定するが、日米FTA交渉であることは隠しきれない。トランプ大統領のポチ首相が「シンゾー、言うことを聞けよ」と恫喝され、無理難題を吹っかけられる姿が今から目に浮かぶのだ。前出の菊池英博氏はこう言った。
「日米FTA交渉におけるトランプ政権の最大のターゲットは、円安で儲け過ぎている日本の自動車産業です。アベノミクス開始直前の2012年をベースにすると、円の対ドル相場は平均約40%の円安水準で推移。その恩恵を最大限に享受してきたのが自動車産業で、対米輸出額はこの間53%も増えました。トランプ政権が自動車への高関税措置をチラつかせているのも、『円安で儲けた自動車輸出の利益を米国に吐き出せ』という意思の表れ。安倍政権は自民党最大のスポンサーである自動車産業を窮地に陥れるわけにいかず、『農産物の輸入自由化で勘弁して下さい』と懇願。ボロ儲けの自動車産業を守るため、日本の農業を差し出すとは売国の極みです。その上、それでトランプ大統領が満足する保証はなく、自国の貿易を有利にする通貨切り下げに報復措置を行える『為替条項』を突きつけられる恐れもあります。安倍首相がトランプ大統領にシッポを振って、その条件をのんでしまえば超円高が到来し、たちまち株価は大暴落。ゆうちょ銀の保有株が焦げつき、債務超過に陥るなど、日本経済はクラッシュしかねません」
 
 経済無策、庶民イジメ、トランプ言いなり政権がこれ以上続いたら、国民生活は間違いなく破綻する。インチキ相場の維持のため、大事な資産を巻き上げたペテン首相に、国民はもっともっと怒りをぶつけ、政権の座から引きずり降ろさなければいけない。
 
 
超大株主の保有株 時価総額が5倍に 安倍政権下で膨張
 しんぶん赤旗 2018年10月28日
 保有株式1000億円以上(時価総額)の超大株主が持つ株式の時価総額が、安倍晋三政権の5年9カ月で5倍に膨れ上がりました(グラフ)。日本共産党第5回中央委員会総会で指摘しています。
 
 時価総額で1000億円以上の株式を保有する株主は第2次安倍政権が発足した2012年末に12人いました。時価総額の合計は3・5兆円でした。それが18年9月末には58人、17・6兆円に急増しました。
 この間、安倍政権は日銀による大規模な金融緩和と公的年金積立金の株式投資拡大で株価をつり上げ、日経平均株価は2倍に上昇しました。恩恵は富裕層に集中しています。
 
 18年9月末時点で保有時価総額トップはソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の3兆1144億円。次いで計測機器大手キーエンスの滝崎武光名誉会長(1兆8251億円)、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(1兆6390億円)など。5位は柳井正氏の長男、一海氏、6位は次男、康治氏です。柳井家3氏の保有株時価総額を合わせると2兆6769億円にのぼります。
 上場企業の有価証券報告書などに記載されている大株主の持ち株数と調査時点の株価から算出しました。
 
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