2018年10月19日金曜日

片山さつき大臣に国税庁への100万円口利き疑惑が浮上!

 18日発売の「週刊文春」に、片山さつき議員が国税庁への口利きの謝礼(事務所側は着手金と言っている)として100万円を受け取っていたというスクープ記事が載りました。
 
 その概要は、
 15年6月、製造業を営むX氏の会社が青色申告を取り消されそうになり、旧大蔵省出身の片山さつき議員に“口利き”を依頼したところ、片山事務所の南村博二秘書・税理士が面談に応じ、月、X氏は片山南村両人が差出人の着手金依頼書を受け取り、100万円を振り込んだ。
 しかしその後南村氏から何の連絡もないため、9月に事務所で片山議員に面会し100万円を振り込んだことを伝えると、別の秘書に「南村にすぐ連絡してこっちに振り込みさせなさい!」と言い、X氏には、「じゃあやっておきますよ。任せてもらえれば、大した問題じゃないから」「うまくいったら、百万円なんて決して高いものじゃないわよね」と請け合ったが、結局、青色申告は取り消され要望に沿えなかった。
というものです。
 
 何やら、千葉県内の建設業者から口利きの見返りに多額の現金を受領して、大臣職を辞した甘利明・元経済再生担当相の事例を思い出させます。
 
 なお片山さつき地方創生担当相18日午後、記者会見を開き、この国税庁に対する口利き疑惑を否定し、「政治家としての社会的評価が著しくおとしめられており、名誉毀損で訴える準備をしている」と述べました。そして記者からの具体的な質問に対しては、「訴訟準備に入っているので・・・」と、明確な説明を避けました。
 
 LITERAの記事を紹介します。
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片山さつき大臣に国税への100万円口利き疑惑が浮上! 
生活保護不正受給バッシングの裏で自分こそ疑惑まみれ
LITERA 2018.10.18.
 安倍首相が「全員野球内閣」と名付けた改造から約2週間にして、とんでもないスキャンダルのニュースが飛び込んできた。内閣で唯一の女性閣僚である片山さつき地方創生担当相が、財務省・国税局に口利きをした見返りに100万円を受け取っていたと、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)がスクープしたのだ。
 
 同誌によれば、問題が起こったのは2015年7月。製造業を営むX氏という人物が、会社に税務調査が入ったことで青色申告の承認が取り消されそうになっている状況をなんとかしようと、片山事務所に相談。片山氏の私設秘書である南村博二氏を紹介され、この南村氏から指定された口座に100万円を振り込んだのだと証言しているのだ。
 しかも、この振り込み時の“物証”を「週刊文春」は入手。それは〈書類送付状〉と書かれた文書で、そこには差出人として〈議員名 参議院議員 片山さつき〉〈秘書名 秘書・税理士 南村博二〉と記されている上、こんな文面が記載されているのだ。
着手金100万円を、至急下記にお願い申し上げます。ご確認後、国税に手配させて頂きます〉
 私設秘書だった南村氏は片山氏の懐刀として知られ、秘書というだけでなく、片山氏と複数の会社や団体で役員や理事に一緒に名前を連ねていた人物。そんな側近が口利きに動いていたということだけでも驚きのスクープだが、この疑惑には片山大臣本人も登場する。
 100万円を振り込んだものの南村氏から報告もなく不安になったX氏は、同年9月、参議院会館にある片山氏の事務所を訪問。通された執務室で100万円を振り込んだことをX氏が片山氏に伝えると、「南村にすぐ連絡して!(こっちに)振り込みさせなさい!」などと別の秘書に激昂。そして、片山氏は最終的に、X氏にこう話したというのだ。
「じゃあやっておきますよ。任せてもらえれば、大した問題じゃないから」
「うまくいったら、百万円なんて決して高いものじゃないわよね」
 
 ようするに、片山氏は秘書が口利きの見返りに100万円を振り込ませたことを把握した上で、片山氏本人も「任せてもらえれば」と引き受けていたというのである。その上、結局X氏の会社は青色申告は取り消されてしまい、その際、南村氏は「百万円は片山にとられた」とX氏に語ったのだという。
 さらに、「週刊文春」は、片山氏が働きかけをおこなったとみられる国税幹部の存在も報じている。
 この証言が事実であれば、甘利明・元経済再生担当相による口利き賄賂事件と同様、あっせん利得処罰法違反に問われる可能性もある。
 
 一方、片山氏の事務所は「週刊文春」の取材に対し、X氏の会社に南村氏を紹介したことを認めたものの、私設秘書としてではなく「税理士」として南村氏を紹介したとし、南村氏本人からは「税理士報酬をもらった」と聞いて知ったと回答。さらに南村氏は2015年5月に私設秘書を退任していると主張している。
 2015年5月に私設秘書は辞めているのだから、同年7月に100万円が振り込まれた件と片山氏とは関係ないと言いたいようだが、はたしてこれは本当なのか。というのも、当の南村氏は「週刊文春」の取材に対して、退職時期を2016年2月25日だと回答しているからだ。
 また、二人が役員や理事に名前をつらねている会社や団体でも、関係を解消しているのは、2016年になってからだ。
 じつは「週刊文春」は2016年からこの口利きを取材し始めており、片山サイドは疑惑隠しのために、慌てて南村氏を辞職させた可能性が高い。
 しかも、「税理士として紹介した」という説明もおかしい。青色申告の承認取り消しは税理士がどうこうできる問題ではない上、普通の税務相談なら、100万円という税理士報酬は高すぎるだろう。
 
元夫・舛添要一の政治資金私的流用疑惑を痛烈批判していたが…
 前述したように、「週刊文春」は2016年に今回の情報を得ながらも、100万円が支払われたという裏付けがとれず断念していた。しかし、今回は違う。再取材によって前述の物証となる文書と、当事者であるX氏の証言を得た上で記事にしたのだ。つまり、満を持してのスクープであり、確度も高いと言えるだろう。
 そもそも片山地方創生担当相は、先週号の「週刊文春」でも恐喝で逮捕歴のある人物からの1400万円借金疑惑が報じられたばかり。安倍首相は片山氏を大臣に抜擢した際「2人分、3人分の発信力をもって仕事をしていただけると」などと述べたが、皮肉にも早々に「2人分、3人分の金銭スキャンダル」が浮上した格好だ。
 しかし、そうなると、今回のスクープで思い起こされるのは、片山氏の過去の発言だ。
 たとえば、元夫である舛添要一氏が政治資金私的流用疑惑で東京都知事を辞職した際、ここぞとばかりにメディアに登場し、こんな大バッシングを繰り広げていた。
「本当に残念で、お恥ずかしいこと」
「なぜ2年4カ月も暴走、増長したのか」
「セコい、小さい、哀しい」
「これはルール違反だし、公というものに対する意識がまったく欠けている」
「“公私混同”の極み」
 
 元夫の私的流用疑惑を猛批判することでメディアに露出し自分の存在感をアピールするゲスさもさることながら、今回、浮上した疑惑を踏まえると「ルール違反」「公私混同」という言葉はそっくりそのまま片山氏にも当てはまる。いや、はっきり言ってしまえば、舛添氏による私的流用疑惑は多くの国会議員らも同じように指摘されている問題であり、安倍首相も「ガリガリ君」を政治資金で購入するなどの「セコい、小さい、哀しい」問題をはじめとして私的流用が疑われる例はあるのだ。なのに、舛添氏はさんざんバッシングに晒され辞任に追い込まれた一方で、疑惑がもち上がった多くの国会議員たちは記者会見さえ開かないなど説明責任も果たさず、安倍政権はそうした議員らを黙認してきたのだ。
 それに、今回もち上がった片山地方創生担当相の疑惑は、証言が事実であれば、国会議員という立場を利用して古巣である財務省へ口利きをする見返りとして100万円を受け取るという、かなり悪質性の高いものだ。「公というものに対する意識がまったく欠けている」と言うのであれば、それは片山地方創生担当相のことだろう。
 
生活保護バッシングを煽動してきた片山さつき
 そして、もうひとつ、片山地方創生担当相が、生活保護受給者や貧困家庭の子どもなど社会的弱者を標的にしたバッシングの急先鋒になってきたことを忘れてはならないだろう。
 
 2012年4月にもち上がった次長課長の河本準一の親族が生活保護を受けていた問題では、河本のケースは不正受給など違法にあたるものではなかったが(後の法改正で扶養義務が強化されることになる)、片山氏はメディアに登場しては河本の大バッシングを展開。片山氏が巻き起こした生活保護バッシングによって、「生活保護費は削るべき」「不正受給許すまじ」という空気が見事につくり出され、その後、安倍政権は生活保護費をどんどんと削減している。
 
 さらに、2016年には『NHKニュース7』が紹介した、シングル家庭で経済的に困窮している女子高生のレポートがネット上で炎上すると、片山氏は鬼の首を取ったかのように参戦。Twitter上でこの女子高生を、こう非難しはじめたのだ。
〈拝見した限り自宅の暮らし向きはつましい御様子ではありましたが、チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思い方も当然いらっしゃるでしょう。経済的理由で進学できないなら奨学金等各種政策で支援可能!〉
〈私は子ども食堂も見させていただいてますが、ご本人がツイッターで掲示なさったランチは一食千円以上。かなり大人的なオシャレなお店で普通の高校生のお弁当的な昼食とは全く違うので、これだけの注目となったのでしょうね。〉(原文ママ)
 貧困を訴えるのなら、1000円のランチなんて食うな、アニメグッズやコンサートになど行くな──。曲がりなりにも国会議員であるというのに片山氏は、未成年の女子高生に「貧乏人は贅沢するな!」と公然と批判したのである。
 
 この片山地方創生担当相の言動をいま一度踏まえて、ぜひ「週刊文春」のスクープ記事を読んでほしい。「生活保護はずる貰い」「貧乏人には趣味の支出も許さない」などとがなり立ててきた一方で、片山氏は「うまくいったら、百万円なんて決して高いものじゃないわよね」と言って口利きを約束するという“犯罪行為”を働いていた疑いがあるというのである。そんな馬鹿な話があるだろうか。
 
 片山氏は“日本人が本来もっていた「恥の文化」が失われている”などと喧伝し、生活保護への強烈な偏見を社会に広め、本来、生活保護を受け取らなければならない人びとに行き渡るようにするのが政治の仕事であるにもかかわらず、逆に後ろめたさを植え付けた。だが、「恥」を覚えるべきは、片山地方創生担当相のほうではないのか。ともかくこの疑惑について、片山地方創生担当相にはしっかりとした説明を求めたい。(編集部)