2018年10月10日水曜日

10- 加計理事長のデタラメ会見に学園の職員も「ありえないこと」と

 7日に開かれた加計理事長の記者会見は、焦点となる渡邉良人・前事務局長の「虚偽発言」を記した愛媛県文書に目を通していないと理事長が言うなど、全く話にならないものでした。「では、なんで会見を開いたのか」と記者に言われていましたが、愛媛県からの30億円の給付金が撤回されることを惧れて、しぶしぶ会見に応じたというのが真相なのでしょう。
 
「報ステ」の取材に登場した加計学園職員「事務局長が勇み足』をするそんなことあり得ません。理事長がトップで、あとはみんな兵隊ですから」という発言や、6月の会見のとき、「こういう会見のかたちは理事長が判断するのか」との問いに、皆木相談役「そりゃそうです。うちは法人ですから、それだけ権限を下に下ろしておりません。こういう重要なことは、すべて理事長判断をいただいております」と述べていることが、全てを物語っています。渡邉氏が独断で虚偽発言をするなどということはあり得ません。
 
 LITERAが会見のデタラメぶりを明らかにするとともに、NHK記者が理事長を厳しく追及したにもかかわらず、それを全く報じなかったNHKのダメさ加減を報じました。
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加計理事長のデタラメ会見に加計学園の職員も「ありえない」! 
一方、NHKは安倍政権への忖度で完全に沈黙
LITERA 2018年10月9日
 「加計理事長と安倍首相が面談した」と愛媛県に説明したのは担当者の「勇み足だった」、面談の詳細が記された問題の愛媛県文書は「読んでいない」──。7日に開かれた加計孝太郎理事長の会見は、前回6月の会見をも上回る、人を舐めきった内容だった。
 この呆れ果てる会見を受けて、一部ではあるが、テレビのニュース番組もさっそく、加計理事長の発言の嘘や矛盾を指摘。厳しい追及の姿勢を見せた。
 
 まず、「安倍首相と加計理事長の面談」が加計学園の常務である渡邉良人・前事務局長のつくり話だったという弁明について疑問を呈したのが、昨晩放送の『NEWS23』(TBS)だ。
 愛媛県文書によれば、2015年2月25日に安倍首相と加計理事長が面談をおこない、その席で安倍首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたとあるが、渡邉前事務局長は5月31日に愛媛県庁に謝罪に訪れた際、「ふと思ったことを言いました」とヘラヘラと笑いを浮かべながら記者団に語っていた。
 だが、『NEWS23』は、2015年4月2日に首相官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面談した際の愛媛県文書をあらためて紹介。柳瀬首相秘書官の主な発言がまとめられたその文書では、〈加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんと言っているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めた〉とあり、これに柳瀬首相秘書官は「今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取り組み状況を整理して、文科省に説明するのがよい」とアドバイスしていたことを取り上げたのだ。
 一介の学校法人の事務局長が、首相秘書官を相手に、安倍首相と加計理事長の面談をでっち上げただけではなく、当時、文科相だった下村博文氏の名前までもち出して架空のつくり話の対応策を求める。そんなことが考えられるのか──『NEWS23』はそう疑問を投げかけ、星浩キャスターも「昨日の会見は結果として納得を得られるものはなかった」と言及した。
 
 さらに、加計理事長の会見内容をひっくり返す新証言をぶつけたのは『報道ステーション』(テレビ朝日)だ。このところ、政権批判をほとんどやらなくなっていた同番組だが、この会見についてはトップで報道。しかも、加計学園の職員が登場して、渡邉前事務局長に責任を被せようとする加計理事長の「勇み足発言」に対し、こう反論したのだ。
「(事務局長が「勇み足」するということは)そんなことあり得ません。理事長がトップで、あとはみんな兵隊ですから。もう、茶番を何べんするのっちゅう話。そんな勝手に『こういうことがありました』というのを黙っているわけにはいかないので」
 つづけて、「加計理事長の意向なくして、そういう動きを事務局長がとることはあり得るか?」という質問に、この加計学園職員は「考えづらいというか、あり得ません」と断言した。
 加計理事長の説明だと、まるで渡邉前事務局長が主導権を握り、安倍首相との面談をでっち上げるという詐欺的行為によって獣医学部新設にもち込んだかのようだが、加計学園の職員は「そんなことはあり得ない」と告発したのである。
 実際『報ステ』は、今年6月におこなわれた最初の会見時に締め出しを食らった際にも、いかに加計学園が理事長のトップダウンで物事が決まっているのかを裏付ける証言をとっていた。
 
6月の会見で加計学園の皆木英也相談役が「すべて理事長判断」と明言
 6月の会見では、地元の記者クラブ加盟社しか会見場に入れず、『報ステ』取材班は門前払いを受けたのだが、そのとき、番組スタッフが「地元のメディアのみを中に入れるというのは理事長の意向なんですか?」と質問すると、メディア対応にあたっていた加計学園の皆木英也相談役は、さも当然であるかのようにこう答えたのだ。
「そりゃあもう、トップの判断。私が何か報道担当だからこうしろああしろじゃなしに、方針については全部、理事長の判断をもらって、この学園としての意思としてやらせてもらっています」
 さらに「こういう会見のかたちは理事長が判断されるんですか?」という質問にも、皆木相談役はこのように胸を張って答えた。
「そりゃそうです。うちは法人ですから、それだけ権限を下に下ろしておりません。すべて、こういう大きな重要なことは、すべて理事長判断をいただいております
 加計理事長がすべての判断をおこなっている──。たしかに、今回の会見でも、加計理事長はひとり悪びれることもなく平然としており、同席していた上田剛久・岡山理科大学事務局長に睨みをきかせるように目配せを何度もおこなっていた。その様子からは、事務局長に獣医学部新設を任せきるような裁量を加計理事長が与えているようには、まったく見えなかった。
 
「理事長がトップで、あとはみんな兵隊」という職員の証言といい、渡邉前事務局長が独断で「安倍首相との面談」という国家を揺るがす嘘をでっち上げたり、首相官邸への度重なる訪問を加計理事長に報告もしなかったなんて、まずもって「あり得ない」のだ。
 このように、掘り下げればいくらでも加計理事長による会見の矛盾や疑問が次々に湧いて出てくるが、こうして独自の視点を織り交ぜて加計理事長の会見を報じたのは、『NEWS23』と『報ステ』だけ。ツッコミどころは満載なのにワイドショーもことごとくスルーし、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)がわずかに触れた程度だ。
 
NHKは現場の記者が必死で質問していたのに会見内容をほとんど放送せず
 しかも、あまりに酷かったのがNHKだ。
 会見では、NHKの記者も質問をし、厳しい追及をおこなっていた。たとえば、“首相官邸で面談がおこなわれたのは渡邉事務局長が柳瀬首相秘書官と面識・パイプがあったためだが、柳瀬氏といつどこで会ったのかを渡邉氏は覚えていない”と説明する加計学園側に対し、NHKの記者は「一学園事務局長が総理秘書官にいつどこで会ったのかを覚えていないというのはにわかに信じがたい」ときびしく追及。安倍首相と面談したとされる2015年2月25日に加計理事長は何をしていたのかを問い、「覚えておりませんですねえ」と答える加計理事長に、「明確に否定されるのであれば根拠を」「(記録も記憶もないのであれば)会っていないとも言えないわけですよね」と食い下がり、出張記録の提出を求めた結果、上田事務局長から「後ほど対応させていただく」という回答を引き出した
 
 このNHK記者の厳しい追及の模様は、『NEWS23』や『報ステ』でも放送されたのだが、しかし、NHKは会見が開かれた7日当日の18時と、翌8日の早朝6時の5分枠であるストレートニュースで短く伝えただけ。7日の『NHKニュース7』をはじめ、翌8日の『おはよう日本』や『NHKニュース7』『ニュースウオッチ9』で一切取り上げなかったのだ。
 自局の記者が加計理事長の無責任な発言をいくつも引き出したにもかかわらず、それを放送せず、問題自体を報じない──政権批判を抑え込む体制に移った『報ステ』でさえトップニュースで伝えたというのに、公共放送であるNHKこそが、もっとも露骨な忖度を見せたのである。
 加計学園をめぐる疑惑は、今回の加計理事長の会見でさらに疑いが深まり、今後、3度目の会見実施や国会へ招致、そして出張記録の提出に向け、加計問題再燃の流れができあがりつつある。今後、加計理事長の嘘を証明する決定的な証拠が出てくる可能性もある。
 しかし、報道するのが『NEWS23』と『報道ステーション』だけというマスコミの体たらくをみていると、本当に安倍首相を追い詰められるとはとても思えない。マスコミは自分たちの報道の自由を取り戻すためにも、もう一度勇気を振り絞るべきではないか。
(編集部)