ICANのノーベル平和賞受賞が決まってから6日で1年になります。
日本政府は虚構の「核の傘論」を口実にして、核兵器の開発や使用、威嚇などを禁じる画期的な「核兵器禁止条約」に参加しませんでした。それはこれまでも見慣れた光景ではあるのですが、同条約に唯一の戦争被爆国であるのに参加しないのは何とも残念なことでした。
条約制定に賛同する「ヒバクシャ国際署名」はその後も続けられていて、応じた国内の自治体トップは1125人(全体の63%)に上りました。政府が条約に消極的な立場を崩さない中でも賛同自治体は増え、日本政府に条約への参加を働きかけています。
岩手、長野、三重、沖縄各県議会は核兵器禁止条約に政府が署名・批准するよう求める意見書を採択し、少なくとも335自治体が同趣旨の意見書を採択しています。
毎日新聞が報じました。
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核兵器禁止条約 6割超す首長が賛同 ICAN受賞1年
毎日新聞 2018年10月6日
核兵器の開発や使用、威嚇などを禁じる核兵器禁止条約の国連採択に主導的な役割を果たしたとして、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN・本部ジュネーブ)のノーベル平和賞受賞が決まってから6日で1年。条約制定に賛同する「ヒバクシャ国際署名」に応じた国内の自治体トップは1125人に上り、全体の6割を超えた。平和賞受賞後も署名活動は続いており、日本政府に条約への参加を働きかけている。
署名は日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のメンバーら国内外の被爆者が呼びかけ、2016年4月に始まった。現在はICANに参加する「ピースボート」(東京)など40団体以上が展開している。
日本被団協の集計(9月12日現在)によると、都道府県・市区町村計1788のうち、1125自治体(62.9%)の首長が署名に賛同し、長野や香川、鳥取などでは、知事を含む県内全ての首長が署名した。
「趣旨には賛同するが、政治的に利用されないか慎重になっている」(近畿の首長)などとして保留する首長もいるが、日本政府が条約に消極的な立場を崩さない中でも賛同自治体は増えている。
岩手、長野、三重、沖縄各県議会は核兵器禁止条約に政府が署名・批准するよう求める意見書を採択した。原水爆禁止日本協議会(日本原水協)などによると、少なくとも335自治体が同趣旨の意見書を採択している。日本被団協の木戸季市事務局長は「核兵器は駄目だという素朴な思いが、少しずつだが確実に広がっている。唯一の被爆国である日本が条約に参加できるよう、力を尽くしたい」と話している。【岡崎英遠】