2018年10月30日火曜日

米からの兵器購入額のローン(年賦)残高5兆円を突破

 米国から購入する高額兵器はローン(年賦)で払いますが、その残高が18年度で5兆円を突破(予算ベース)し、19年度には5兆3000億円に達する見込みです。
 安倍政権は、ここにきて、敵地侵入用に開発されたオスプレイ、重戦車型戦闘機といわれ空戦能力が極めて劣るF35系戦闘機、そしてマッハ5以上のミサイルの迎撃は出来ないとトランプ氏自らが公言したイージスアショア等々を爆買いしていますが、これらは極めて高価であるものの全て不要か役に立たないものばかりです。しかもすべて「対外有償軍事援助(FMS)」に基づいてアメリカの言い値で買い取るもので、その価格はあってなきがごとし・・・アメリカがぼろ儲け出来る仕組みになっています。
 
 アメリカの軍需産業は、一時期「アメリカ1強」を築き上げたのに甘んじ、その後は金儲けに奔った結果、兵器は高額化の一途を辿りましたが、その実、性能は相対的に低下しました。いまではロシアの兵器に及ばないと言われています。
 シリアの要請でロシアが参戦してから、アメリカなどが後押ししていた反政府武装勢力がたちまち劣勢になり、最後の拠点であるイドリブからも国外退去を余儀なくされいるのはその良い例です。
 無用乃至は役に立たない兵器に巨額な資金を投じるのは、国費をドブに捨てるようなものです。
 東京新聞の二つの記事を紹介します。
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米から購入 安倍政権で急増 兵器ローン残高、5兆円突破
東京新聞 2018年10月29日
 防衛予算で戦闘機やミサイルなど高額兵器を導入する際、費用を複数年度に分けて支払う「後年度負担」の残高が二〇一八年度予算で初めて五兆円を突破し、一九年度は五兆三千億円に達する見込みであることが分かった。輸送機オスプレイなど安倍政権で急増した米国製の高額兵器導入が、大きな要因となっている。兵器の輸入拡大に伴い、毎年の後年度負担の支払いも増加しており、防衛費の大幅増につながっている。(「税を追う」取材班)
 
 日本は近年、米国政府の「対外有償軍事援助(FMS)」に基づき、兵器を多く輸入している。一九年度は最新鋭戦闘機F35A(六機・九百十六億円)、早期警戒機E2D(二機・五百四十四億円)、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」(二基・二千三百五十二億円)などの購入契約を結ぶ方針だ。
 FMSの契約額は一二年度予算で千三百八十一億円だったが、同年末に安倍政権が発足してから急増。防衛省は一九年度予算で、一二年度の五倍の六千九百十七億円を要求している。
 
 兵器の購入費は最長五年間に分割して米政府に支払っており、二年目以降のローン残高が後年度負担と呼ばれる。米国製兵器の導入拡大に伴い、国内調達分を含めた後年度負担の残高も急増。一九九八~二〇一二年度までは三兆円前後で推移していたが、一三年度以降は右肩上がりで、一九年度は五兆三千三百七十二億円と六年間で約二兆一千億円も増える見通しだ。
 残高全体に占めるFMSの割合は、一三年度の5・9%から一九年度28・3%と急速に拡大している。
 
 防衛予算は安倍政権下で毎年増大。一九年度の要求額は五兆二千九百八十六億円で、六年間で約五千四百億円増えた。だが防衛費の借金とも言える後年度負担の残高は一八年度時点で年間予算に匹敵する額に膨らみ、予算を圧迫している。
 政府は年内に、向こう十年程度の防衛力整備の指針となる「防衛大綱」を見直し、一九~二三年度の装備品の内容や総額を示す中期防衛力整備計画(中期防)を策定する。兵器増強や防衛予算の硬直化を解消するため、防衛費のさらなる増大を打ち出すとみられる。
 来年十月に消費税率が10%に引き上げられる。税金は正しく使われているのか。シリーズ「税を追う」では初めに、増え続ける防衛費の流れを追い、無駄や利権がないか検証する。
 
◆日米の軍事一体化で加速
 急増する米国からの兵器導入が防衛費を押し上げている。国産の装備品も含めたローン残高は年間の防衛予算に匹敵するまでに増大しており、返済が追いつかない状況になっている。
 
 政府は防衛力増強の理由に北朝鮮のミサイル開発や中国の軍備増強を挙げ、日米の一層の軍事一体化を進める。二〇一五年の安全保障関連法の成立後、米艦船や米機の護衛など自衛隊の任務は大きく拡大した。さらに拍車をかけたのが、兵器売り込みで対日貿易赤字の解消を迫るトランプ大統領の登場だ。圧力に押されるように、日本は後年度負担という名の「兵器ローン」で、輸入を加速させている。
 そのツケとも言うべき毎年の支払いが、国家予算に重くのしかかる。国と地方の借金は一千兆円を超え、社会保障制度の安定や財政再建はまったなしだ。後年度負担が今のペースで増え続ければ、防衛費増大に歯止めがかからなくなる。 (鷲野史彦)
 
<対外有償軍事援助(FMS)> 米国政府が同盟国に軍事援助の一環で武器を売る制度。米国防総省の国防安全保障協力局が所管している。買い手は高性能の武器が購入できる半面、▽価格、納入期限は米政府の都合で変わる▽代金は納品前に支払い-など米国に有利な内容となっている。
 
◆今の環境で削減困難
<防衛省会計課の話> 後年度負担が増えている要因は、北朝鮮のミサイルに対応する装備品が増えたためだ。装備品が高性能化して単価が上がったことも一因。後年度負担の削減に向けた取り組みは続けているが、今の安全保障環境で減らしていくのは難しい。
 
 
<税を追う> 取引先1位は米政府 装備品、「言い値」で高騰度々
東京新聞 2018年10月29日
 防衛省の最大の取引先は国内企業ではなく、アメリカ政府-。安倍政権で米国の「対外有償軍事援助(FMS)」に基づく兵器導入が急増し、米国は二〇一五年度から三年連続で契約先のトップに立つ。「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)」。兵器購入を迫るトランプ米大統領に応じてきた安倍晋三首相。だが、米側の「言い値」で決まりがちな価格など、米国主導の取引により、防衛予算の借金が膨らんでいる。 (「税を追う」取材班)
 
 「安倍政権の米国製装備品の積極的な購入は、事実が物語っている」。今年六月の参院外交防衛委員会。井上哲士(さとし)議員(共産)が防衛省から取り寄せた資料を基に切り出した。
 地方防衛局分を除いた防衛省の装備品契約額。一二~一四年度は国内最大手の三菱重工業が一位で、米国政府は一三年度の二位(千六十九億円)が最高だった。それが一五年度からはトップに居続ける。一七年度は三千八百七億円で、二位の三菱重工業に一千億円以上の差をつけた。
 「(ミサイル防衛の)イージスシステムやF35A戦闘機といったわが国を守るために必要な装備品はFMSでしか調達できない」。小野寺五典(いつのり)防衛相(当時)はそう答弁し、「今後とも米国と連携する」と日米一体化を強調した。その一つが一九年度に契約予定の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」だ。
 
 防衛省は秋田市と山口県萩市・阿武町にある二つの演習場に配備する方針で、価格は二基で計二千三百五十二億円。だが一九年度に支払うのは五十七億円だけで、残る二千二百九十五億円は二〇年度以降、四年に分けて支払う。
 「北朝鮮は核兵器を放棄せず、対応策は必要だ」。元航空自衛隊空将の織田(おりた)邦男氏は地上イージスの意義は認めつつ、「米国は秘の部分は教えてくれない。問題は価格の中身が分からないことだ」と案ずる。
 
 FMSでの兵器の取引価格は米側が見積もるため、値段は言い値になりがちだ。日本向けに部品を作り直すなどの理由で、当初の見積もりから価格が高騰することも度々ある。日本側が適正価格を検証するのは難しく、米側の圧倒的優位は動かない。
 
 米国製兵器の導入拡大により、複数年度で支払う後年度負担(ローン残高)は急増。一九年度の支払いは国産を含め、二兆七百八億円と予算全体の四割を占める。これに人件費と糧食費を合わせると八割が固定的な経費となり、新たな装備品の購入などに使える「自由枠」は二割しかない。
 防衛省では、予算の硬直化への懸念が広がる。ある幹部はつぶやく。「後年度負担に圧迫され、これ以上切り詰められないところまで来ている」
 
<イージス・アショア> イージス艦に搭載している迎撃ミサイルを地上に配備し、大気圏外で弾道ミサイルの迎撃を図るシステム。防衛省は2024年度ごろに山口、秋田両県に2基を配備し、日本全域のカバーを目指すが、強力なレーダー波による健康被害を懸念する声も出ている