2018年10月5日金曜日

改憲一直線の党役員の布陣が逆に安倍政権崩壊の火種に!?

 4日17時台のTV東京のニュースで、第4次安倍内閣が、改憲を急ぐあまりその関与メンバーを自分の盟友たちで固めたことに対して、それでは党内の意見の集約がスムーズにいかなくなり、逆に上手く進まなくなるという異論が党内から出て、作戦を見直さざるを得なくなった旨の説明がありました。しかしそう述べただけで次の話題に移ったので、具体的な説明は何もありませんでした。
 
 4日付の本澤二郎氏のブログがその内容に関係しているように思われますので、以下に紹介します。
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鳥取・島根連合が浮上!
 「ジャーナリスト同盟」通信 2018年10月4日
本澤二郎の「日本の風景」(3114
<怒り狂う細田・竹下+石破+宏池会林G+石原G>
 今回の党・内閣人事で、派閥の大将としてのメンツをすっかり失った御仁というと、総裁派の細田博之と竹下派の竹下亘の、ともに島根県の自民党実力者。政界雀は「90人の大所帯を率いて安倍三選の功労派閥・清和会の細田会長の改憲推進本部長の首を、安倍は容赦なく切り落とした。そして賄賂の容疑のかかっている下村を指名した。これには日頃、穏健そのものの細田も怒り心頭だ。細田派内どころか党内からも同情が集まっている。同じく、安倍にコケにされたのが、竹下派の会長だ。二人は傷をなめあいながら、反撃の機会を狙うようだ」と安倍打倒連合の行方を注目し見ている。
 
 これに腰を浮かせているのが、いうまでもなく安倍の挑戦者・石破茂である。島根と鳥取の反安倍連合が、水面下で進行し始めているというのだ。ほかにもいる。安倍・山口県の最大のライバルの林芳正の宏池会反安倍グループだ。まだいる。今回の人事で完全に干された石原グループ。これら5人の派閥会長らが反安倍で固まるという。生き馬の目を抜く政界の動きは速い。
 
<福田康夫+青木幹雄+古賀誠+山崎拓らOBも動く>
 清和会の本家である福田康夫は、細田に同情的という。当然であろう。衛藤征四郎ら福田側近も、安倍の今回のやり方に強く反発している。
 「安倍の小僧にかき回されてたまるか」との思いが強い。
 
 こうした事態の到来を待ち望んでいたのが、竹下派OBの御意見番・青木幹雄だ。
竹下派を石破支持にまとめた御仁だ。今回の安倍人事による「細田派の乱」にニンマリという。
 青木には、小渕恵三の後継人事において、政権を清和会に継承させたとの負い目がある。この重い責任が、その後ずっと尾を引いている。災害列島を放置、改憲軍拡路線で、弱者を放置してきたという政治責任はただごとではない。1日でも早く清和会政治を終わらせなければ、死んでも死にきれない、との思いが強い。
 
 その点で、宏池会OBの古賀誠も同じような考え方をしている。今回の総裁選で、会長の岸田文雄はいち早く安倍に屈服して衝撃を受けたが、安倍に反撃した林芳正は古賀の意向に応えてくれた。
 かくして1日で、永田町は大きく変貌している。石原グループの面倒を見ている山崎拓も、この反安倍勢力に加わったようだ。
 沖縄知事選の大敗の、予想外の影響と新展開である。
 
<40日抗争の再現も、不信任提出も視野?>
 過去に自民党では、40日抗争という党内抗争があった。事情通は「事と次第では40日抗争が起きる環境が出てきている」というのだ。
 「野党を巻き込むと、内閣不信任案を可決させられる可能性も考えられる」というのだ。人事の恨みつらみは小さくない。
 谷垣グループには、何度も当選しても入閣できない逢沢一郎がいる。松下政経塾OBだが、同塾出身の唯一の護憲リベラルで知られている。同じように安倍の家庭教師で、出来の悪いシンゾウの頭を何度もたたいたという平沢勝栄も、完璧に干されている。
 
 第4次安倍改造内閣は、公明党との改憲を優先するあまり、露骨な改憲シフトを断行して、自らの仕掛けた罠に落ち込んでしまったものか。
 
 アベノミクスは、とうに崩壊している。農民を犠牲にする、米国との自由貿易協定が列島を押しつぶすだろう。地方選出の議員の怒りの心境は、爆発寸前である。株高にしても、政府・日銀・銀行の株買いのイカサマ操作によるもので、日本の景気が上向いているわけでは全くないのだ。
 安倍外交は、四面楚歌の状態にあるというのも事実である。国内に格差を持ち込んで、人々の生活と精神の分断を助長しているのも、改憲のためという、許しがたい政治手法である。
 
<政界一寸先は闇>
 政界一寸先は闇とよく言われてきたが、長期政権が崩壊する時には、それが的中するものだ。
 「安倍やめろ」の合唱は、国民共通の合言葉になってきている。
 6年の長期間、安倍の恣意的な人事と暴政に対して、鬱積した思いを爆発させる機会の到来が、ひょっとして今かもしれない。既に、極右の12人の新人閣僚の暴言も野党追及の対象となった。むろん、モリカケTBS強姦魔事件もこれから本格的に追及するのだから。国民が、永田町監視を新聞テレビに全て委ねていると、日本丸の進行を誤るかもしれない。
 この波乱万丈の世界での長期政権は、もろく危うい。
2018年10月4日記
(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)