LITERAが、第4次安倍改造内閣は“全員問題大臣”であるとする記事(前・後編)を出しました。
我々は、選挙対策委員長になった甘利明氏や、憲法改正推進本部長になった下村博文氏の「黒さ」や総務会長になった加藤勝信氏や広報本部長になった松島みどり氏の「不出来ぶり」、あるいは、地方創生相になった片山さつき氏の「生活弱者バッシング」や「天賦人権論の否定」などについては、ある程度は知っていました。
しかし、国家公安委員長となった山本順三氏が、安倍氏が絡んだ「NHK番組改変」問題で2006年当時、裁判で改変の実態を証言したNHKの番組制作者2名を制作現場から外させた人物であることや、環境相になった原田義昭氏が「南京大虐殺や慰安婦」の存在自体の否定者で、ネトウヨ月刊誌2月号で対談した杉田水脈氏を「自民党だけではなく国家の財産ですよ」と大絶賛したことや、五輪担当相になった櫻田義孝氏が、日韓合意直後の2016年1月に「慰安婦を職業としての売春婦と言うことを、遠慮することない」と発言し、韓国外務省報道官から「無知蒙昧な妄言」と非難され、国際問題に発展したことなどはあまり知られていないことでした。
LITERAは、「ネトウヨ大臣が集結した内閣と、戦前回帰を目論む役員が揃ったいま、安倍首相がついに憲法改正に乗り出す・・・という悪夢のような人事」と評しています。
実際、加藤新総務会長は、安倍首相が秋の臨時国会での改憲案提出を目指していることについて、早くも「党の憲法改正推進本部でも議論を深めていく。関心を持って注目しながら対応したい」とコメントしています。
LITERAの記事は前編と後編を合わせると7000字を超えますが、一括して紹介します。
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第4次安倍改造内閣“全員問題大臣”の顔ぶれ(前編)
田崎史郎までが「一番出来の悪い内閣」と…
安倍改造内閣で片山さつきら問題議員、不祥事政治家が次々大臣に
LITERA 2018年10月2日
本日午後、第4次安倍改造内閣と自民党役員人事が発表された。安倍首相は「全員野球内閣」と称したが(笑)、早くも「在庫一掃内閣」「総裁選の論功行賞人事」「また安倍首相のお友だちばかり」と非難囂々。あの田崎史郎でさえ、「これまでの安倍内閣でいちばん出来の悪い内閣」「この人で大丈夫かなという人が5人くらいいる」と口にしたほどだ。
それも当然だ。何よりもまず、森友公文書改ざん問題にくわえてセクハラ問題で被害者女性を攻撃する発言をおこなった麻生太郎が副総理兼財務相を続投するなんて言語道断。しかも安倍首相は、口利き賄賂事件の疑惑追及・説明責任から逃げつづけている甘利明・元経済再生担当相を党4役の選挙対策委員長に、働き方改革一括法案の国会審議でデータ捏造が発覚した上、インチキ答弁を繰り返した加藤勝信厚労相を総務会長に抜擢したのである。
これだけでも論外の人事なのだが、さらに仰天したのは、下村博文、松島みどり、そして稲田朋美という“不祥事大臣”を党の要職に就けたことだ。
あらためて指摘するまでもないが、下村は文科相時代に任意団体「博友会」をめぐる政治資金問題で刑事告発される騒動を起こし、昨年には加計学園から計200万円を受け取っていたという“闇献金”疑惑まで発覚。「都議選が終わったら丁寧にお答えします」などと言っていたが、いまなお「丁寧にお答え」などしていない。
また、松島は自身の名前やイラストが入ったうちわを選挙区で配布した問題で2014年に法相を辞任。2016年には衆院外務委員会で審議がおこなわれている最中に堂々と携帯電話をいじったり読書したりという態度のひどさが問題となり、謝罪コメントを出したこともあった。
稲田元防衛相にいたっては、昨年、自衛隊の南スーダン日報隠蔽問題で防衛相を辞任したばかり。しかも、森友学園をめぐる虚偽答弁に、都議選での「自衛隊としてお願い」発言など問題を連発していたにもかかわらず安倍首相が庇いつづけ、日報隠蔽に稲田防衛相が直接関与していたことは明白だったのに、辞任したことを盾に閉会中審査への出席を拒否。最後まで説明責任を果たすことはなかった。
このような問題大臣を、安倍首相は何事もなかったかのように党要職で登用。下村は憲法改正推進本部長に引き上げただけでなく、うちわ配布で辞職した松島をよりにもよって広報本部長に、そして稲田には筆頭副幹事長と総裁特別補佐という役職を与えた。安倍首相は稲田を「ともちん」と呼び、“ポスト安倍”として寵愛してきたが、あれだけの問題を起こして党内からも批判が集中した稲田を、今度は自分のアドバイス役につけるというのだから、呆れてものが言えない。
だが、話はこれで終わらない。初入閣・再入閣の新メンバーも、スキャンダルや疑惑・問題を抱えた“大臣不適合者”が山のようにいるからだ。
その筆頭は、無論、地方創生相に選ばれた片山さつきだろう。片山といえば“生活保護バッシング”の急先鋒であり、2016年にも貧困女子高生バッシングに参戦し、Twitterで“貧乏人は贅沢するな!“といった批判を公然と展開
米カジノ企業から脱法建献金を受け取っていた岩屋毅が防衛相に
これだけで大臣の資質はまったくないと断言できるが、さらに片山は“デマ常習犯”としても有名で、2014年に御嶽山が噴火した際には〈民主政権事業仕分けで常時監視の対象から御嶽山ははずれ〉たなどとツイートしたものの、実際は御嶽山が観測強化対象から外れていなかったことが判明し謝罪。また、同年には「NHKの音楽番組『MJ』では韓国人グループ・歌手の占有率が36%。これでは“ミュージックコリア”だ」などと国会で質疑。しかしこれも同番組の韓国人グループ・歌手の出演率は約11%でしかなかったことがすぐさま判明、その上、この「占有率36%」というのは2ちゃんねるに書き込まれた情報で、それを片山が調査もせずに鵜呑みにしたのではないかと見られている。
さらに、今回の内閣改造で目を疑ったのは、今年の通常国会で安倍政権が強行採決したカジノ法案で、大スキャンダルがもちあがった岩屋毅議員を防衛相に抜擢したことだ。
その大スキャンダルとは、「週刊文春」(文藝春秋)7月19日号が報じた「安倍政権中枢へのカジノ『脱法献金』リスト」という記事。同誌によると、超党派のIR議連に所属する自民党を中心とした政治家に対し、米国の大手カジノ企業「シーザーズ・エンターテインメント」が、間接的にパーティ券購入のかたちで資金を提供していたという。その政治家への資金提供リストには、麻生太郎副総理や西村康稔官房副長官らと並んで、カジノプロジェクトチーム座長(IR議連幹事長)を務めた岩屋議員の名前が記されていたのだ。
政治資金規正法第二十二条では、外国人および外国の法人・組織からの献金が禁じられており、日本でのカジノを進めようとする自民党議員らが外国カジノ企業のロビイストを通じてパーティ券を購入してもらっていたという事実は、明らかに法の目を潜り抜けようとする悪質行為だ。こんな問題がもち上がって3カ月も経っていない岩屋議員を防衛相に据えるとは……。
“疑惑の人物”といえば、国家公安委員長となった山本順三議員も同じだ。というのも、山本議員は愛媛県今治市出身で、加計学園問題でも名前が浮上。2014年に下村元文科相がセッティングをおこない、加計孝太郎理事長と会食をおこなっていたことが下村事務所の日報からあきらかになっているほか、今年発覚した愛媛県新文書でも、〈加計学園の直近の動向・今後の予定〉なる項目で〈3/8 山本順三参議院議員を励ます会に出席した下村文科大臣と面談〉と名前が登場している。
また、山本議員は加計疑惑の登場人物のひとりであるだけではなく、安倍政権の特徴ともいえる“圧力・恫喝”体質の持ち主だ。事実、安倍首相が内閣官房副長官時代に放送前のNHKのドキュメンタリー番組に政治的圧力をかけ、NHK放送総局長に対し「勘ぐれ、お前」と言い放ったとされる「NHK番組改変問題」をめぐり、山本議員は2006年に国会で、裁判で改変の実態を証言した番組制作者2名について「NHKはどのようなけじめをつけるのか」と処分を迫り、結果、この2名には制作現場から外されるという報復人事がおこなわれた。こうした人物が国家公安委員長に就任するとは、背筋が凍る。
文科相には同性婚攻撃の柴山昌彦、IT担当相にはネトサポの親玉・平井卓也
さらに、文科相となる柴山昌彦・総裁特別補佐は、2015年に『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)に出演した際、「同性婚を制度化したときに、少子化に拍車がかかるのではないか」と発言。同性婚と少子化にはまったく関係がないにもかかわらず、「経済的な制度と違って家族制だとか文化伝統の問題というのは一挙手一投足には変えられないもの」などと述べた。同性愛者に対する法的な不平等には目も向けず“伝統的家族観”をもち出す人物を文科相に抜擢したことは、安倍政権の本質を表しているといっていいだろう。
このほかにも、ネトウヨの巣窟とされる自民党ネットサポーターズクラブ、通称「ネトサポ」の代表をつとめ、2013年におこなわれたニコニコ生放送の党首討論会で福島瑞穂議員の発言中に「黙れ、ばばあ!」と書き込んだことが発覚したこともある平井卓也議員が、科学技術・IT担当相として初入閣するなど、すでに問題大臣が続出の安倍改造内閣。安倍首相周辺は、徹底して“身体検査”をおこなったというが、ここまで挙げてきた新大臣たちの言動やスキャンダルは問題ないというのだろうか。
いや、この安倍改造内閣は、問題発言やスキャンダルを抱えた大臣が揃っているということだけではない。もうひとつの問題、それは極右議員が集結した「ネトウヨ内閣」だということだ。
その問題については、後編でじっくりとりあげたいと思う。(編集部)
第4次安倍改造内閣“全員問題大臣”の顔ぶれ(後編)
安倍首相が組閣で本性全開! 杉田水脈レベルの差別主義者と歴史修正主義者だらけの“ほぼ全員ネトウヨ内閣”
LITERA 2018年10月2日
本日、発表された第4次安倍改造内閣と自民党役員人事。安倍首相は記者会見でこの内閣を「全員野球内閣」(笑)と名付けたが、その実態は自分のお友だちと総裁選の論功行賞という相も変わらぬ私物化人事だった。しかもその面子は、汚職疑惑や不祥事、スキャンダル、差別的言辞などの問題を抱えた大臣不適格者が揃っていることを前編ではお伝えした。
そして、この後編では、改造内閣のもうひとつの問題を取り上げたい。それは、この内閣が「全員野球内閣」ならぬ「(ほぼ)全員ネトウヨ内閣」であるという問題だ。
初入閣の“ネトウヨ大臣”として、まず筆頭にあげなければならないのは、環境相に抜擢され、安倍首相が会見で「国際派」と評価した原田義昭議員だろう。
原田議員といえば、2015年、自民党で歴史認識問題に取り組む「国際情報検討委員会」の委員長として、「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、(中国が世界記憶遺産に)申請しようとするのは承服できない」と発言。グロテスクな歴史修正主義が自民党の本質そのものであることを満天下に知らしめた。ちなみに原田議員はその後、TBSラジオ『荻上チキ・Session-22』に出演したのだが、荻上チキ氏によるロングインタビューに対し、南京事件について基本的な知識すらもっておらず、ネトウヨの間で流布しているデマや極右学者のトンデモ学説をがなりたてていただけだったことを露呈させた
原田義昭環境相は性的マイノリティ差別の杉田水脈を「国家の財産」と絶賛
さらに原田議員は、同じく“南京大虐殺はなかった”と主張し、性的マイノリティに対する「生産性がない」問題で逃げつづけている杉田水脈議員とは、ネトウヨ雑誌「ジャパニズム」(青林堂)で過去に2回対談をおこなっているのだが、2018年2月号(vol.41)での対談では、原田議員は杉田議員の当選を「奇跡的な流れ」「杉田さんのようにポテンシャルのある人材を置いておくのは本当にもったいない」と激賞した挙げ句、「櫻井よしこさんのような立派な論客になる道もまだ残ってるし、杉田さんは自民党だけではなく国家の財産ですよ」と大絶賛。杉田議員はもはや「日本の恥」としか言いようがないことは多くの国民が知るところとなったが、そんな杉田議員を「国家の財産」と言ってしまうことからも、原田議員のネトウヨ度は容易に推察できる。
だが、この原田議員と肩を並べる歴史修正&ヘイト大臣といえば、地方創生担当相に選ばれた片山さつき議員だ。
片山議員は「生活保護バッシングをはじめ弱者叩きの常習犯」「情報源は2ちゃんねるやネトウヨまとめサイトと思しきデマに食いつくフェイクニュース拡散装置」「天賦人権論を否定し“国に尽くせ!”と主張」などということでもよく知られているが、自民党でも屈指のヘイターとしても有名だ。
たとえば、「正論」(産経新聞社)2012年11月号に掲載された稲田朋美議員との対談では、「韓国と日本の民族性はまったく異なり、成熟度が日本に比べて低い」などと言い、外交についても「韓国の国民性を考えると、日本主導の外交をやるためには、常に我々のほうが上位で有利なポジションにいることをキープし続けなければならないでしょうね」「常に韓国が日本に頭を下げざるを得ない状況を作らなければならない」と植民地意識を丸出しに。
当然ながら歴史修正ぶりもすさまじく、「慰安婦問題など存在しない」と断言したり(「WiLL」2012年11月号/ワック)、「欧米よりも韓国よりも、日本人は慰安婦に対して人間として接していたと思う」(同2013年8月号)と、“思う”だけの話で性暴力を矮小化した。
ネトウヨ度が安倍首相の評価基準、ネトウヨ度が高いほど出世できる
こうした片山議員のネトウヨぶりについて、元夫である舛添要一氏は“安倍首相に取り入って出世した稲田氏らに焦った結果だ”と分析。「自分は元大蔵官僚で、しかもミス東大なのになぜ出世できないのか。稲田が安倍さんに重用されるのは右派だからだ。それなら私も右に行けば出世できるのではないか ─ 結果、在特会のデモに参加してしまう」と述べている(『SAPIO』2018年1・2月号/小学館)。ようするに、“処世術としてのビジネス・ネトウヨ”だというわけだが、こうした努力が実ったのか内閣唯一の女性大臣として安倍首相に引き立てられたことを考えれば、ネトウヨ度が高いことが安倍首相の評価基準になっていることを証明した人事と言えるだろう。
実際、五輪担当相となった櫻田義孝議員も、たびたび問題を起こしてきたネトウヨ議員だ。
たとえば、櫻田議員は文科副大臣だった2014年、日本維新の会が開催した「「河野洋平官房長官談話」の見直しを求める国民大集会」に出席。「慰安婦」の強制性を認める河野談話に対し、「私はうそをついたり、人をだましたり、事実を捏造することが大嫌いな人間だ。皆さんと心は同じ、考え方も同じ。一生懸命応援する」などと述べて談話見直しに賛同した。
このとき、櫻田文科副大臣に対しては菅義偉官房長官が注意をしたというが、「慰安婦」の強制性を認めたくないのは安倍政権とも一致した考えであることに変わりはない。事実、日韓合意後の2016年1月には、自民党本部で開かれた会合で櫻田議員は「(慰安婦は)職業としての娼婦、ビジネスだ。犠牲者のような宣伝工作に(日本は)惑わされ過ぎている」「(慰安婦を)職業としての売春婦と言うことを、遠慮することない」と発言をエスカレートさせ、被害女性たちを蹂躙したのだ。櫻田議員はその後、発言を撤回したが、韓国外務省報道官が「無知蒙昧な妄言」と非難し国際問題に発展。そんな人物を五輪担当相に抜擢するとは、この人事自体が国際問題になりかねない。
さらに、自民党ネットメディア局長を務め、ネトウヨの巣窟とされる自民党ネットサポーターズクラブ、通称「ネトサポ」の代表だった平井卓也議員も、今回、科学技術・IT担当相として初入閣。平井議員は2013年におこなわれたニコニコ生放送の党首討論会で福島瑞穂議員の発言中に「黙れ、ばばあ!」と書き込む一方、安倍首相の発言には「あべぴょん、がんばれ」と投稿するなど、さすがはネトウヨを束ねていただけあって言動もネトウヨそのもの。
実際、2016年に「改憲支持大学生が渋谷でデモ」というニュースが報じられた際には、すかさず〈このようなデモはあまり報道されませんが、学生はシールズというイメージは間違いです〉とSNS に投稿したが、この「改憲支持大学生」というのは世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)の政治組織である国際勝共連合の学生団体「国際勝共連合 大学生遊説隊UNITE」(現・勝共UNITE)のこと。ようするに、実態は旧・統一教会という宗教が主体となった右派運動だったのだが、それを知らないはずもない平井議員はあたかも大学生たちの自由な“安倍応援デモ”であるかのように情報を拡散させていたのである。
戦前復古主義者と安倍傀儡で固めた党内人事は、改憲に乗り出すため
このように、うんざりするほどにネトウヨ議員が次々と初入閣を決めた、今回の内閣改造。これぞ、ネトウヨに慰められたい安倍首相を支えるにふさわしい布陣とも言えるが、もっと恐ろしいのは党内人事のほうだ。
前編でもお伝えしたように、今回の自民党役員人事で安倍首相は、働き方改革一括法案の国会審議でデータ捏造が発覚した上、インチキ答弁を繰り返した加藤勝信厚労相を総務会長に、自衛隊日報隠蔽問題で防衛相を昨年辞任したばかりの稲田朋美議員を筆頭副幹事長兼総裁特別補佐に、くわえて加計“闇献金”疑惑が浮上した下村博文・元文科相を憲法改正推進本部長に据えた。
数々の疑惑や不祥事、無責任な姿勢によって国民からの不信感も強いこの3人を、なぜ安倍首相は要職に引き立てたのか。言うまでもなく、稲田元防衛相と下村元文科相は筋金入りの歴史修正主義者であり戦前復古主義者である。また、稲田元防衛相と加藤厚労相は完全な安倍首相の言いなりとなる手下のような存在だ。しかも、加藤厚労相はいかにも頭の悪いネトウヨ発言やヘイト発言を自らすることはないが、安倍首相の好戦思想、歴史修正主義的主張を代弁しつつ、そうした安倍政権の本質が国民から危険視されないよう、欧米諸国の反発を得ないよう、どう騙すかを考えるような狡猾さがある。
つまり、改憲に向けた組織づくりのために、自分の思想を反映する下村を憲法改正推進本部のトップにおき、自らの意向を党と調整させる役目として稲田を、そして国会への改憲案提出のキーマンとなる総務会長に傀儡である加藤を抜擢したのだ。実際、加藤は安倍首相が秋の臨時国会での改憲案提出を目指していることについて、早くも「党の憲法改正推進本部でも議論を深めていく。関心を持って注目しながら対応したい」とコメントしている。
ネトウヨ大臣が集結した内閣と、戦前回帰を目論む役員が揃ったいま、安倍首相がついに憲法改正に乗り出す──。まさに悪夢のような人事だが、その分、国民に馬脚を露わすのも案外早いかもしれない。本サイトも注意深く目を向けていくつもりだ。(編集部)