2018年10月5日金曜日

自民党閣僚 全員「神政連」に加盟歴(しんぶん赤旗)

 しんぶん赤旗が、柴山昌彦文科相が、教育勅語を現代的にアレンジして教えることも「検討に値する」と発言したことと、自民党総裁特別補佐に就任した稲田朋美元防衛相が、自衛隊の敵基地攻撃能力の保有を主張したことを取り上げました。
 そしてその背景には、今回の第4次改造内閣で、安倍首相と自民党所属閣僚の計19人の全員が、「靖国」派改憲右翼団体と連携する「神道政治連盟国会議員懇談会」と「日本会議国会議員懇談会」の二つの議員連盟のいずれかに加盟歴がある(両方に加盟歴があるのは15人)という陣容になっていることを挙げ、それを表にまとめたものを公表しました。
 
 また日本共産党の志位委員長は3日、国会内で会見し、次の点を強調しました。
気候変動が背景にある豪雨災害や台風、それに大地動乱の時代に入っているという指摘がある地震の問題で、緊急・抜本の両面での対策を政治の責任で行う必要がある。
・安倍首相が、米国と事実上の日米FTA交渉開始合意し、さらにロシアとは領土要求を放棄してしまうようなやり取りをしたのは外交上の大失態である
臨時国会では安倍首相が声高にかかげる憲法改定を正面から追及していく
柴山文科相が「教育勅語に、アレンジした形で道徳等に使うことができる分野は十分ある」などと述べたのは、「教育勅語の『徳目』すべて『大事のときには天皇のために命を投げ出ことにつながっているという核心を理解していないものである。
 
 しんぶん赤旗の二つの記事を紹介します。
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新閣僚ら早速暴言 戦前の教育勅語「今も使える」 敵基地攻撃能力の保有を主張 それもそのはず ズラリ「靖国」派
しんぶん赤旗 2018年10月4日
 2日発足した第4次安倍改造内閣と自民党新執行部の閣僚や役員から早くも重大発言が相次いで飛び出しました。初入閣した柴山昌彦文部科学相は、教育勅語を現代的にアレンジして教えることも「検討に値する」と発言自民党総裁特別補佐に就任した稲田朋美元防衛相は、自衛隊の敵基地攻撃能力の保有を主張しました
 2日深夜の記者会見で教育勅語について問われた柴山氏は「いまの道徳教育に使うことができる分野というのは十分にあるという意味では普遍性を持っている」と述べました。
 
時代錯誤
 戦前の道徳教育「修身」では、教育勅語に基づき“天皇のために命をささげよ”と教え、子どもたちを侵略戦争に駆り立てました。そのため戦後の日本国憲法のもとで、衆参両院が同勅語の排除と失効をそれぞれ決議しました。その勅語を道徳教育で「使うことができる」との認識を現職の文科相が表明したのは極めて重大です。
 
 一方、稲田氏は2日、東京都内で開かれたシンポジウムで「北朝鮮は実は非核化の意思はないんじゃないか」と述べ、「ミサイル防衛で1発目のミサイルを撃ち落とし、2発目(が撃たれる)までに敵基地を反撃する能力を持っていない状況でいいのか」と主張したと報じられました。朝鮮半島の平和の激動の流れに全く逆行する発言です。
 
 自民党の閣僚や役員らはこれまでも、時代錯誤で好戦的な暴言や改憲の主張を繰り返してきました。柴山氏は2017年の改憲右翼団体「日本会議」系の集会で「今が(改憲の)絶好のチャンス」だと主張。今回、自民党憲法改正推進本部長に就任した下村博文氏は文科相当時の14年4月8日、「教育勅語の中身そのものは、まっとうなことが書かれている」と発言していました。
 
右派議連
 その背景に何があるのか―。今回の第4次改造内閣で公明党所属の石井啓一国土交通相を除き、安倍晋三首相と自民党所属閣僚の計19人の全員が、「靖国」派改憲右翼団体と連携する「神道政治連盟国会議員懇談会」と「日本会議国会議員懇談会」の二つの議員連盟のいずれかに加盟歴があることが本紙の調査で分かりました。とくに「神道政治連盟」の議連には19人全員に加盟歴があり、「日本会議」の議連には15人が加盟しています。(表)
 
 また、自民党四役のうち留任の岸田政調会長と新任の加藤勝信総務会長、甘利明選対委員長の3氏は、いずれも両議連に加盟しています。
 初入閣の12人を含む13人を入れ替えた内閣改造でしたが、安倍首相や麻生太郎財務相をはじめ、過去の日本の侵略戦争を「正義の戦争」と正当化する「靖国」派が多くを占める自民党から何人入れ替えても、その危険な主張が変わらないのは当然です。
 
図

課題山積 すみやかに臨時国会を 志位委員長が会見
 しんぶん赤旗 2018年10月4日
 日本共産党の志位和夫委員長は3日、国会内で会見し、記者団からの質問に答えました。
 
■臨時国会
 秋の臨時国会で議論すべきテーマについて問われた志位氏は、災害対応について一連の台風、豪雨、地震の被災者支援・復旧・復興の緊急性を語るとともに、「これだけ連続的に災害が続くもとで政治の対応として抜本的な方策を講じる必要がある」と強調。「気候変動が背景にある豪雨災害や台風の問題。大地動乱の時代に入っているという指摘がある地震の問題。こうした問題で、(緊急・抜本の)両面での対策をかなり突っ込んで政治の責任で行う必要があるという議論を提起していきたい」と表明しました。
 
 さらに「この間の安倍内閣の対米、対ロ外交はどちらも非常に屈辱的な結果になった。対米では事実上の日米FTA(自由貿易協定)交渉を開始する合意、対ロでは領土要求を放棄してしまうようなやり取りもあった。外交上の大失態だ。国益がかかった問題としてしっかりただしていく必要がある」と語りました。
 
 志位氏は、森友・加計などの国政私物化問題に加えてこの間、起こっているLGBT(性的少数者)差別など自民党の政治モラルの堕落をあげ、「安倍政権の政治姿勢の根幹をただしていく必要がある」と述べました。
 その上で、臨時国会では安倍晋三首相が声高にかかげる憲法改定を正面から追及していくと強調。沖縄知事選で米軍新基地ノーの審判が下っても「辺野古唯一」と言い続けるのかということもただしていかなければならないと述べ、「課題は山積みであり、すみやかに臨時国会を開いて内外の諸問題について野党と議論することを求めたい」と語りました。
 
■教育勅語
 記者団から、柴山昌彦文科相が2日の就任会見で教育勅語をめぐり「アレンジした形で道徳等に使うことができる分野は十分ある」などと述べたことについて問われた志位氏は、「教育勅語の一連の『徳目』はすべて『大事が起これば天皇のために命を投げ出せ』という『徳目』につながっている。この核心を理解していない重大な発言だ」と批判。臨時国会で追及する考えを示しました。
 
■改造内閣
 さらに志位氏は、改造内閣と自民党新体制への感想を問われ、「辞めるべき一番の人は安倍氏本人と思っているから、とくに言うこともないが、女性閣僚がついに1人になったのは、どうにも説明がつかないと思う。あれだけ『女性活躍』と言っているのだから」と指摘するとともに、「国民に対する説明責任を果たさないまま閣僚を辞任した人々が新役員に就いている。自民党のモラルハザードの深さをよく示している」と述べました。