2019年9月13日金曜日

13- 消費税率10%へのアップには最悪の経済環境

 10月1日に消費税率10%へのアップが実施される予定ですが、いまの経済環境はメタメタで、これまで2回延期した時点(15年10月と17年4月)よりも更に悪化しているということです。
 安倍首相は「リーマン・ショック級のこと起こらない限り」消費税率引き上げるとしていますが、消費税率引き上げ自体が「リーマン・ショック級」の事態といわれています。
 
 安倍外交はいまや八方ふさがりの状態で、一番弱い相手だと見て行った「韓国叩き」では、観光旅行の抑制や不買運動という手ひどい反発を受けました。まさに国内問題に転化したわけで、この影響はこの先一層深刻化すると見られています。
 安倍政権の失政がもたらした最悪の環境のなかで増税を強行するのでしょうか。これ以上はない愚行です。
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実質賃金や消費者心理は延期時より悪化でも“増税強行”の愚
日刊ゲンダイ 2019/09/12
 来月1日の消費税率10%への引き上げが近づく中、厳しい経済環境を示す統計結果の発表が相次いでいる。安倍首相は過去2回、2015年10月と17年4月に予定されていた消費増税を延期しているが、増税予定月1年前の数値を比べてみると(別表・添付省略)、現下の状況は延期時よりメタメタであることがよく分かる。
 
 厚労省の最新の「毎月勤労統計」(7月速報値)によれば、賃金の伸びに物価の変動を反映した実質賃金は前年同月比0・9%減で7カ月連続のマイナスだった。一方、1回目の延期時は、5カ月前(15年5月)に25カ月ぶりにマイナスを脱していた。いったん4カ月前(15年6月)に、賞与支給時期が前年に比べずれた特殊要因でマイナスになったものの、その後、プラスに転じていた。2度目の延期時もプラスの数値が並んでいる。
 内閣府の最新(8月)の「消費動向調査」はもっとひどい。消費者心理の明るさを示す消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)は、前月比0・7ポイント低下の37・1で、ナント11カ月連続の悪化だった。消費者心理は、1年前から坂道を下り続けているのだ。一方、2度の延期前は、改善や悪化を繰り返し、今のように右肩下がりではない
 
 経済環境がよっぽどマシだった過去2回は延期して、今回、目も当てられない統計を横目に、4・6兆円もの消費増税を強行するのは正気の沙汰とは思えない。立正大客員教授の浦野広明氏(税法)が言う。
増税延期を促す経済統計が次々と出ているのに、延期論議が起きていません。国会が開かれていないし、メディアが淡々と統計結果を伝える姿勢に終始しているからです。増税をする経済環境でないことは明らかです。技術的には今からの延期も可能。仮に、強行されても、野党は秋の臨時国会で10月1日に遡って増税を撤回する法案を提出すべきです。税金は、国民を代表する議会の決めた法律によらなければならない原則があり、過去への課税は許されませんが、国民に有利になる減税は、遡って行うことができるのです」
 消費税は間違いなく、臨時国会や次の衆院選の大争点になる。