2019年9月21日土曜日

安倍内閣の大臣3人が“暴力団との密接交際”発覚も不問

 先に吉本芸人たちが反社会勢力と闇の交際をしていたことがTVのワイドショウなどで取り上げられ、散々に批判されたばかりなのに、今度の内閣改造で入閣した武田良太・国家公安委員長竹本直一・科学技術担当相田中和徳復興相の3人は、いずれも指定暴力団など「反社会団体」の幹部らと濃密な関係にある人たちだということです。
 永田町では、内閣改造直後から「武田、竹本、田中の“3T”が危ない」と囁かれ、安倍首相の周辺からも「3Tが特に不安」という声があがっていたということです。
 
 問題は、そんなに闇の団体との「黒い関係」が知られた人たちが、何故堂々と入閣し、それをメディアも殆ど報じないかですが、官邸にはメディアは多分騒がないだろうから大事には至らないという自信があったからで、事実官邸の思惑通りメディアも週刊誌を除けば殆ど騒ぎませんでした。
 LITERAは、メディアの「この異常なまでの政権への気の使いようを見ていると、忖度どころではない、何かとてつもなく強い圧力がかかっているとしか思えない」と報じています。以下に紹介します。
 
(追記 なお、記事の後半部分で、安倍首相自身が抱えた「「#ケチって火炎瓶」問題・・・云々という記述がありますが、それは
 1999年におこなわれた下関市長選をめぐり、安倍事務所が暴力団とも関係が深い前科8犯のブローカー・小山佐市氏に対立候補への選挙妨害(中傷ビラの配布など)を依頼しましたが、その後、安倍事務所が当初約束した報酬を一方的に減額したため、翌2000年に男は暴力団員を使って数回にわたり安倍邸に火炎瓶を投げ込み、車庫や自家用車3台などに放火した事件
のことで、小山氏はその後2003年に逮捕されました。
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安倍内閣の大臣3人が“暴力団との密接交際”発覚も不問、テレビも報道せず ほっしゃん。が「吉本の芸人との違いは?」
LITERA 2019.09.19
 内閣改造からちょうど1週間の昨晩、さっそく「タマネギ内閣」の新閣僚から公選法違反の疑いが濃厚な疑惑が飛び出した。安倍首相の側近である高市早苗総務相が、選挙中に国と取引をおこなう契約業者から献金を受け取っていたというのだ。
 報道によると、2017年におこなわれた衆院選の選挙期間中に、高市氏が代表を務める自民党奈良県第2選挙区支部が、当時、警察庁や防衛省と取引のあった奈良市の寝具リース会社から30万円の献金を受領。公職選挙法では、国政選挙において国と利益を伴う契約を結ぶ当事者による寄付を禁止しており、あきらかに公選法違反にあたるだろう。
 
 そもそも高市氏をめぐっては、やはり総務相だった2016年に計925万円の「闇ガネ」疑惑が浮上するなど、カネにまつわる疑惑が数々持ち上がってきた(詳しくは過去記事参照)。ハナから大臣失格者なのだ。
 
 しかし、この「タマネギ内閣」では、高市総務相だけではなく、複数の閣僚も問題が噴出。しかも、そのいずれもが暴力団など反社会勢力と密接交際をしていたなどというとんでもない話なのだ。
 その筆頭が、“魔の二階派”に所属し、今回初入閣を果たした武田良太・国家公安委員長だ。内閣改造から間もない13日、「週刊朝日」Web版が「武田国家公安委員長が元暴力団関係者から献金」と報道。記事によると、武田氏は2009年と2010年に、指定暴力団山口組系の元組員とされる人物から政治資金パーティー代として合計120万円を受け取っていたというのである。
 
 その上、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)でも、警察関係者が「(武田氏の周辺では)とかく反社会的勢力の影がチラついていた」と指摘。1996年の衆院選では武田氏の支援者だった右翼団体幹部が選挙区内の飲食店店長を、武田に投票しないと店を営業できなくすると脅迫し公選法違反で逮捕されるなどの事件があり、「その後の選挙でも福岡県警は武田陣営を徹底マークしていた」(福岡県警関係者)という。
 支援者が公選法違反を犯し、地元警察からもマークされていた人物を、よりにもよって全国警察組織を監督する立場である国家公安委員長に登用する──。まるで悪い冗談のようだが、“黒い交際”疑惑はほかにもある。“IT担当相なのに違法動画に高評価”として話題となった竹本直一・科学技術担当相だ。
 昨年3月、「FRIDAY」(講談社)が「岸田文雄 自民党政調会長 山口組元幹部との「親密写真」が流出」と題し、指定暴力団中野会の副会長だった人物と岸田政調会長が握手する写真を掲載したのだが、じつはこの写真が撮られたのは、竹本氏の後援会が開催した「新春賀詞交歓会」でのこと。つまり、竹本氏のパーティに指定暴力団の元副会長が参加していたのである。しかも、この元副会長と竹本氏が一緒に写った写真もSNSに掲載されていたというのだ。
 
 さらに、同じく初入閣した田中和徳復興相をめぐっては、財務副大臣だった2006年に指定暴力団稲川会系組長が取締役を務める企業にパーティー券を販売していた疑惑が2011年に発覚したが、今週発売の「週刊文春」では、田中氏は国会議員になる前から稲川会系の組長と親密だったと指摘。なんと初当選後にはその組長の息子を秘書として雇用するなどしていたという。
 
暴力団にパー券購入させ組長の息子を秘書にして二階幹事長は「不問に付す」と
 出るわ出るわの大臣スキャンダル──。永田町では、内閣改造直後から「武田、竹本、田中の“3T”が危ない」と囁かれ、安倍首相の周辺からも「3Tが特に不安」という声があがっていたというが、まさかここまでひどいとは……。
 国家公安委員長が暴力団に巨額パーティ券を買ってもらっていたとか、復興相が交友のある暴力団組長の息子を秘書にしていたとか、これは、問題になっていた宮迫博之をはじめとする吉本芸人たちの比ではない、暴力団との直接的な密接交際ではないか。安倍改造内閣は「反社内閣」「ヤクザ内閣」と言われてもしようがないレベルだろう。
 だが、自民党の二階俊博幹事長は17日、自分の後継者とも言われている武田国家公安委員長のパーティ券問題や、竹本科学技術担当相の元暴力団副会長との写真問題について、「週刊誌に何か書かれたからといって物事がどうこうするわけではない」と発言。不問に付すと言い切ったのである。
 大臣による暴力団絡みの疑惑に、調査も注意もせずスルーって……。「#ケチって火炎瓶」問題を抱えた安倍首相がトップであることを考えてもあまりにありえない対応だが、しかし、問題は、メディアの態度だろう。
 
 テレビのワイドショーは飽きもせずにいまも韓国のチョ・グク氏の話題を熱心に取り上げているが、その一方で、この国の大臣に発覚した高市総務相による公選法違反疑惑や、山口組系の元組員とされる人物から政治資金パーティー代120万円を受け取っていた武田国家公安委員長の問題をはじめとする「3T」による“黒い交際”スキャンダルは、まったく取り上げようとしない。
 これは一体どういうことか。ワイドショーはついこの前まで、吉本芸人たちの“闇営業”問題を連日取り上げ、“反社会的勢力との付き合いや癒着は許されないこと”だと繰り返していたのではないか。なのに、もっとも厳格さが求められるはずの大臣に持ち上がった暴力団絡みのスキャンダルはまるで無視。「3T」などというキャッチーなネーミングまであるというのに、話題にしようともしないのだ。
 
 吉本芸人でありながら安倍政権に鋭い批判をつづけている星田英利=ほっしゃん。が「二階幹事長は閣僚の暴力団との交友報道を問題視しない考え」というニュースをリツートした上で、〈これを問題にしないのだったら、吉本の芸人さんとの違いは? あれもOKってことなんだね? 誰か教えて。〉〈もちろん間違っても、“じゃあ芸人たちも”って話じゃないよ。芸人たちも大問題です。だからこの人たちは桁違い、はるかに大問題でしょ!〉とツイートしていたが、その通りだろう。
 本サイトでは、ワイドショーで今回の台風災害における政府の初動対応の責任を問うことがタブー化していると指摘したが(詳しくは過去記事参照)、最近のワイドショーの政権ネタといえば、小泉進次郎環境相の一挙手一投足を好意的に報じるくらい。チョ・グク氏の話題はしつこくやるのに、けっして安倍政権のスキャンダルや疑惑の追及には踏み込もうとしないのだ。この異常なまでの政権への気の使いようを見ていると、忖度どころではない、何かとてつもなく強い圧力がかかっているとしか思えないのだが…。(編集部)