12日、「れいわ新選組」の山本太郎代表と共産党の志位委員長が国会内で初の党首会談を行いました。共産党が野党連合政権に向けた話し合いを各党に呼び掛け、最初に実現した党首会談です。
会談後にはそろって記者会見し、共産党が唱える「野党連合政権」の実現に向けた協力や消費税廃止、安倍政権下での憲法9条改正反対などで基本合意したと発表しました。
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れいわが共産と協力合意「野党連合政権」に向け本格始動
日刊ゲンダイ 2019/09/13
第4次安倍再改造内閣の発足の裏で、「野党連合政権」構想も本格始動だ。
12日、「れいわ新選組」の山本太郎代表と日本共産党の志位和夫委員長が国会内で初の党首会談を行った。会談後にはそろって会見。共産党が唱える「野党連合政権」の実現に向けた協力や消費税廃止、安倍政権下での憲法9条改正反対などで基本合意したと発表した。
7月の参院選でれいわから当選した2議員が初登院した8月1日以来、山本氏が公の場に登場するのは久しぶりということもあり、会見には数多くの報道陣が詰めかけた。注目度は衰えていないようだ。
会見で山本氏は「いつ総選挙があってもいいように、野党が力を合わせ、未来が見える話し合いを早期に始めないといけない」と話し、志位氏も「消費税は野党共闘のテーマになり得る」と応じた。
この会談は、志位氏からの申し入れで実現。山本氏が他党の党首と会談するのは参院選後、初めてだ。消費税廃止を掲げ、次の衆院選に「候補者を100人擁立する」と公言している山本氏だが、会見では、れいわ単独での100人擁立にこだわっていないことを明らかにした。
■現実路線の共闘が進む
野党共闘で政権交代ができるなら、譲るべきところは譲って、協力態勢の構築を優先させる。消費税廃止についても、来月に予定されている増税の「10%阻止」は大前提だが、廃止を目標とした財源などについて協議した上で、減税から始めることも選択肢だと、柔軟な姿勢を見せた。
「れいわが触媒になり、政権交代を見据えた現実路線の野党共闘が進み出しそうです。山本氏がたったひとりで始めたれいわが旋風を起こし、他の野党もようやく本気になった。れいわの登場で状況が一変したのです。立憲民主と国民民主が衆参両院での統一会派結成も進んでいる。まだ紆余曲折はあるでしょうが、野党がバラバラでは何もできないし、選挙協力だけでは限界がある。連合政権のネックになるとみられていた共産党も、れいわと共同歩調を取る形で参画すればいい。政権交代可能な本物の野党連合の輪郭が見えてきました」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
山本氏は18日から、「全国ツアー」と称する遊説行脚をスタート。まず第1弾として、18日の利尻島を皮切りに27日の網走まで、10日間かけて北海道を回る。
れいわが政権交代に向けて動きだしている以上、他の野党もチンタラしていられない。
野党連合政権での協力合意 志位委員長、「れいわ」山本代表と会談
しんぶん赤旗 2019年9月13日
日本共産党の志位和夫委員長と「れいわ新選組」の山本太郎代表との党首会談が12日、国会内で行われました。日本共産党が野党連合政権に向けた話し合いを各党に呼び掛け、最初に実現した党首会談です。会談には、日本共産党の小池晃書記局長が同席。両党党首は会談後に共同記者会見し、台風15号の被災者へのお見舞いと政府・東京電力に一刻も早い復旧を求める立場を表明したうえで、3点で合意したことを明らかにしました。
第一は、両党が野党連合政権をつくるために協力することです。
志位氏は、3回の国政選挙で野党が共闘してきた到達の上にたって、次の総選挙を野党が政権構想を示してたたかう選挙にしていくために、両党が協力していくことを確認したとして、「たいへんに大事な合意となりました」と強調。その際、野党が市民連合と結んだ13項目の政策合意を土台にすることを確認したことを明らかにしました。
山本氏は「どのタイミングで解散が打たれてもいいように、私たちは有権者に政権交代をすればどのような世の中になるのかイメージしてもらう話し合いは一刻も早く進めるべきです」として「れいわ新選組がまず最初に、この連合政権の話し合いに参加させてもらいました」と強調しました。
第二は、安倍政権が進めようとしている9条改憲に反対することです。
志位氏は、安倍9条改憲・発議の阻止は市民連合と結んだ13項目の政策合意の中に入っているが、安倍晋三首相が内閣改造後の記者会見で改憲について「必ず成し遂げる決意だ」と明言しているとして、「今日の党首会談でも、安倍9条改憲には断固反対ということを確認しました」と述べました。
消費税廃止に向け道筋を協議
第三は、消費税の問題で、両党が、(1)消費税10%増税の中止を最後まで求めていく(2)消費税廃止を目標にする (3)消費税廃止に向かう道筋、財源について協議していく (4)消費税問題での野党共闘の発展のために努力する ― ことの4点で協力することです。
志位氏は、10%増税の中止とともに、消費税廃止を目標にした意義を力説。「消費税廃止は日本共産党の一貫した主張ですが、この税を導入して30年、貧困と格差を拡大し、景気と経済を壊す悪税ぶりがいよいよ明瞭になってきました。そうしたもと消費税廃止を掲げる新たな政党が誕生したことを歓迎しています。消費税廃止の旗を高く掲げることを両党で確認しました」と述べるとともに、「消費税廃止への道筋、財源については、国民から歓迎され、政策として合理性・説得力のある内容を協議していくことで合意しました」と述べました。
山本氏は「私たちは選挙の時は廃止を訴えたが、野党全体として消費税10%増税の中止を求めることとは全く矛盾しないと考えています。その中で、さらに消費税廃止を目指すために財源など数々の部分について協議を始めることは一刻も早くやった方がいい」と強調しました。
さらに、日本共産党と国会で連携していく意義について問われた山本氏は、参院選で当選した、れいわ新選組の重度障害者の舩後靖彦、木村英子両氏の国会活動について触れて、「お世話になったから、今回の会談をOKしたわけではありませんが、重度の障害をもつ2人の議員が誕生したんだから国会自体が変わっていかないといけないということで、実際に一番、手を差し伸べてくれたのは共産党だといいたい」と述べました。