2019年9月25日水曜日

千葉県災害対策本部まだ作られず 災害から2週間 国も県も後手の対応

 西日本を縦断した8月の台風10のときは、政府は上陸前後に省庁横断で重要問題を扱う関係閣僚会議を2回開き「先手の対策を」と指示しました220万戸が停電した昨年の台風21号では非常災害対策本部を立ち上げ対応にあたりました。しかし今回、千葉県に大被害を与えた台風15号では、既に2週間が過ぎていますが、まだそのいずれも開かず立ち上げずです。菅官房長官は今後関係閣僚会議開かないと断言(20日)する有様です。
 政府は、気象庁8日に「記録的な暴風となるおそれがある」と発表したにも拘わらず「大きな被害は出ない」だろうと甘く考え、被害が確認された9日には「2、3日で復旧するだろう」という見方で11日の内閣改造に専念して、初動対応をミスりました。いまさら開くと初動対応の遅れを指摘されるからという思いから開かないのでしょうか。
 しんぶん赤旗が後手にまわっている政府の対応を批判しました。
 
 また日刊ゲンダイによれば、住宅被害があった約1万戸では、飛ばされた屋根瓦をブルーシートで覆うなど応急処置しかないなかで、人手や材料の不足でそれも満足に出来ず家具も雨ざらしになっています。県の対応あまりに、住民たちからは森田知事に対する批判が続出しているということです
 彼は、俳優歌手として活躍した後、参院、衆院の議員を経て、2009年に千葉県知事に初当選し、3選を果たしています。そんな経歴から、行政機関にとっては御しやすい知事だったようですが、一たびこうした事態になったとき地金が出ます。「知事をリコールすべきだ!」という声SNS上で日増しに大きくなっているということです
 
 しんぶん赤旗と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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対策本部いまだつくられず 台風15号災害2週間 後手の政府対応
 しんぶん赤旗 2019年9月24日
 9日未明に上陸した台風15号の強風による千葉県を中心とする大規模停電、住宅家屋の損害などの災害発生から2週間がすぎました。最大時約93万戸にのぼった停電は約2800戸(東京電力)に減ったとされますが、いまだに被害の全体像は不明です。被害発生直後の11日には予定通り内閣改造を行うなど、政府の初動対応が後手に回ったからです。防災担当相が本部長の非常災害対策本部もいまだ立ち上がっていません
 
 「台風の上陸前から関係省庁災害警戒会議を開催するなど適切に対応している」。菅義偉官房長官は20日の記者会見で、政府の災害対応に問題はないと繰り返しました。災害警戒会議は事務的会合で、6日の同会議では後に内閣改造で退任する山本順三防災担当相が「明るいうちに安全な場所への避難を心がけるよう」に呼びかけるにとどまりました。
 
内閣改造を優先
 台風15号が千葉市付近に上陸した9日午前5時以降の政府の対応は後手後手です。最初の関係省庁災害対策会議を開いたのは、33時間後の10日午後2時半。内閣改造が行われた11日は開かず、安倍晋三首相が関係閣僚に停電の全面復旧に全力をあげるよう指示した閣僚懇談会は、災害発生から4日後の13日。経済産業省が菅原一秀経産相を本部長とする停電被害対策本部を設置したのも13日でした。
 西日本を縦断した8月の台風10号の上陸前後、政府は、省庁横断で重要問題を扱う関係閣僚会議を2回開き、「先手の対策を」と指示。220万戸が停電する大災害をもたらした昨年の台風21号では非常災害対策本部を立ち上げ対応にあたりましたが、今回はいずれも開いていません
 
 この問題を問われた菅官房長官は「それぞれの災害の状況で総合的に勘案して、最も適切な態勢を敷いている」(20日の会見)と問題視せず、今後関係閣僚会議さえも開かないと断言。「今回の台風は質が違う。史上最大といわれる瞬間風速57メートルに象徴されるように、風によっての被害が発災している」(17日の会見)としながら、被害実態に即した対応をとっていないのです。
 
東電見通し追認
 大規模停電の問題をとっても政府自ら本腰を入れての対応ではありません。東京電力はこの2週間、停電の全面復旧の見通しを次々変え、被災者・被災地を不安に陥れました。しかし政府は、「全容は控えたい」「停電の復旧が重要。そのうえで検証したい」「東電で検討が行われている」と東電側の甘い見通しを追認し、かばう姿勢に終始してきました。
 過去の台風による大規模停電による復旧では関西電力、中部電力などが検証報告書をまとめ、経産省も検討策をまとめています。政府は実態に見合った態勢をただちにとり、過去の災害の教訓を踏まえた具体策をただちにとるべきです。(高柳幸雄)
 
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被災の坂上忍が猛批判…森田千葉県知事に“辞めろ”の大合唱
日刊ゲンダイ 2019/09/24
「知事をリコールすべきだ!」という声はSNS上で日増しに大きくなっている。
 9日午前に台風15号が千葉県を通過し、大規模停電や住宅の損壊など、甚大な被害をもたらしてから2週間。22日午後10時現在、南房総市、市原市などでは、いまだ約2300戸が停電。約1万戸に上る住宅被害では、飛ばされた屋根瓦をブルーシートで覆うなど応急処置でしのいでいる状態だ。
 県が災害対策本部を設置したのは停電発生から丸1日たった10日、市町村に職員を派遣したのは、台風直撃から3日後の12日。森田健作知事(69)が被災現場の南房総市を視察したのは5日後の14日だった。さらに被害の大きかった鋸南町を視察したのは、11日後の20日。住民からは、「もっと早く来て欲しかった」の声が上がったというが、当然だろう。あまりに遅い県の対応に、森田知事に対する批判が続出している。
 
 先週18日放送の「バイキング」(フジテレビ系)では、自らも千葉県在住で被災したMCの坂上忍(52)が、初動が大幅に遅れたことについて「(森田知事の)顔が見えない。個人的な意見としては真ん中に位置している県の責任がかなり重いと思っています」とコメント。
 翌19日の放送でも坂上は憤慨。森田知事が首相官邸に赴き「激甚災害」の指定を求めた際の会見で「混乱の中でいろいろ問題が出てきた。誰が悪い、これが悪いではない」と話したことについて、「首長さんだったら、前に出て行って責任を取りにいくような陣頭指揮を執ってくれないと」と話した。
 
■“地金”が出た
 責任を転嫁するような森田知事の発言についてはツイッター上で、「おまえが悪い!」と総ツッコミが入り、大炎上。芸能文化評論家の肥留間正明氏はこう話す。
「行政の長としてもっとも率先して動くべき立場であるにもかかわらず、その対応はあまりにもニブく、まったく呆れます。電気や水に困っている県民を前にして、これでは行動力のカケラもなく、話にならない。知事失格です」
 
 森田知事は、代表作のドラマ「おれは男だ!」をはじめとして、俳優、歌手、タレントとして活躍した後、参院、衆院の議員を経て、2009年に千葉県知事に初当選し、17年に3度目の当選。肥留間氏が続ける。
「国会議員時代から見てもこれといった実績は見当たりません。タレント知事として人気があって、たいした仕事もしないから行政機関にとっては御しやすい知事だったのかも知れない。しかしこうした事態になったときこそ地金が出ます。リコールの声が上がっているのももっともな話です。単なる人気投票ではいけない。こういうタレント政治家に対しては、今後も冷静に見極めていく必要がある
 まずは“男らしく”初動の遅れを認めて、県民に謝罪したらどうか。