2019年9月15日日曜日

橋本五輪相も東京五輪で「旭日旗」持ち込み許可の方針!

 橋本聖子・五輪担当相、12日の会見で、韓国が五輪会場への旭日旗の持ち込み禁止を求めていることについて「旭日旗が政治的な宣伝になるかということに関しては、決してそういうものではないと認識している」と語り、「旭日旗」の東京オリンピック・パラリンピック会場への持ち込みについて、認める方針であることを明らかにしました。
 
 旭日旗には「政治的な意味がない」どころか大ありです。
 そもそも旭日旗は紛れもなくかつての帝国陸海軍の「軍旗」でした。それが、1952年に海上警備隊が創設されたときに、国民が知らないうちに旧海軍軍人たちで構成された「秘密委員会」で、隊艦旗(2年後に自衛艦旗)として使うことが決まったのでした。そのとき旧海軍関係者たちは感激・狂喜したと言われています。そこに旧帝国軍旗を復活させる意図があったのは明らかです。
 
 曲がりなりにも「平和の祭典」であるオリ・パラリンピックの会場に、どうして旧帝国陸海軍の「軍旗」を持ち込まなくてはならないのでしょうか。これは当事国が「~そういうものではないと認識している」からで済まされる問題ではなく、韓国などからの批判に対して、「誤解である」と反論すれば済むという問題でもありません。「旭日旗は日本で広く使用される」というのも欺瞞で、それは在特会などのごく一部が意図的に用いているだけのことです。
 
 要するに「旭日旗」掲示の可否を決めるものは、ひとえに韓国、北朝鮮、中国をはじめ日本が侵略したアジア諸国がどう受け止めるかであり、そうした問題です。韓国以外の国々がまだ問題視していないのは、そんなことが行われることを知らないからに過ぎません。国際社会の常識で考えればあり得ないことだからです。
 
 この件については、今月はじめ、東京オリ・パラ組織委が「旭日旗は日本で広く使用されるため、それを防ぐ理由がない」「旭日旗自体には、どのような政治的意味も含まれていない。そのため禁止品目とは見なさない」として、「旭日旗」の持ち込みを認める方針を示していたことが発端です。
 そもそも「旭日旗に特別の意味はない」のであれば、何も無理に持ち込む必要はありません。それをなんとしても「持ち込みたい」とするところに特別の意味が感じられます。
 
 問題は、そうした組織委の欺瞞と非常識に基づく方針が、政府によって修正されずに素通りしてしまうことです。まさに (9月11日) 日本の孤立もたらす安倍内閣反知性主義(植草一秀氏) を地で行くものです。
 
 以下にLITERAの記事を紹介します。
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橋本聖子も東京五輪で「旭日旗」持ち込み許可の方針! 
大日本帝国・軍国主義と安倍歴史修正主義の象徴を世界に晒す愚行
LITERA 2019.09.14
 この人たちは、東京五輪をいったいどんなグロテスクなイベントにするつもりなのか。内閣改造で入閣した橋本聖子・五輪担当相も、「旭日旗」の東京オリンピック・パラリンピック会場への持ち込みについて、禁止せず認める方針であるとした。
 12日の会見で、韓国が五輪会場への旭日旗の持ち込み禁止を求めていることについて「旭日旗が政治的な宣伝になるかということに関しては、決してそういうものではないと認識している」と語ったのだ。
 本サイトでも既報のとおり、今月はじめ、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が、「旭日旗は日本で広く使用されるため、それを防ぐ理由がない」「旭日旗自体には、どのような政治的意味も含まれていない。そのため禁止品目とは見なさない」として、「旭日旗」の持ち込みを認める方針を示していた。
 橋本五輪担当相つまり安倍政権は、この組織委の判断にお墨付きを与えたのである。
 
 橋本五輪担当相も東京五輪・パラリンピック組織委員会も「旭日旗に政治的意味はない」「旭日旗が政治的宣伝にならない」などとデタラメを吹いているが、「旭日旗」は紛れもなく戦前・戦中日本の軍国主義の象徴だ。韓国や中国のみならず、日本が侵略したアジア諸国からも反発が起こることは当然であり、しかも、まがりなりにも「平和の祭典」を標榜する五輪に持ち込むなど、国際社会の常識で考えればありえない判断だ。
 国際オリンピック委員会がこのまま看過するとも思えないが、「旭日旗持ち込み」が強行される可能性もゼロではないだろう。橋本五輪担当相の「旭日旗持ち込み可」発言は、橋本五輪担当相が「私の父」と言ってはばからない東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の意向に追随したのと同時に、その森会長とも極右思想をともにする安倍首相の意向を反映したものでもあるからだ。
 
 ここ数年、安倍政権は、「旭日旗」をめぐって、大日本帝国の軍国主義の象徴であるという負の歴史をネグり、正当化しようという動きに出ている。
 2017年サッカー国際試合での「旭日旗」持ち込みが国際的に問題になった当時、菅義偉官房長官は「旭日旗は差別的ではないとの認識か」との質問に対して、「自衛隊旗や自衛艦旗だけではなくて、大漁旗やしゅっさん、節句の祝い旗など、日本国内で現在も広く使用されていると考えている」などと会見で述べるなど、事実上、旭日旗の使用は不適切ではないとの認識を示した。
「日本国内で現在も広く使用されている」と言うが、それは在特会などのヘイトデモではないか。
 さらに、今年5月には、日本の外務省がホームページで「旭日旗」に関する説明文書をアップ。「旭日旗」が大日本帝国・軍国主義の象徴であるという史実を完全にネグり、“まったく問題ない”と強弁しているのである。
 しかし、安倍政権や東京オリンピック・パラリンピック組織委員会がどんなに「旭日旗自体には、政治的意味はない」などと強弁しようとも、「旭日旗」が大日本帝国・軍国主義の象徴であるという史実は揺らがない。むしろ「旭日旗」正当化は安倍政権の歴史修正主義の象徴であり、政治的宣伝にならないどころか、大日本帝国の侵略戦争の正当化というプロパガンダそのものだ。
 現在の国際秩序への挑発であり、こんなものをオリンピック・パラリンピックという「平和の祭典」とも称される国際イベントの場に持ち込むなど、許していいはずがないだろう。
 
 本サイトでは、「旭日旗」が、現在の「海上自衛隊旗」も含め、いかに問題あるものか、検証したことがある。以下に再編集して、掲載する。「政治的宣伝ではない」「政治的意味はない」などという橋本五輪担当相、安倍政権の説明がいかに欺瞞に満ちたものか。あらためて、ご一読いただきたい。
 
外務省がHPで「旭日旗」正当化! サッカー国際試合でも問題になる軍国主義の象徴を無理やり肯定する歴史修正主義
 
以下は、当ブログ(9月5日) 東京五輪組織委が旭日旗の持ち込みを許可するとで紹介したLITERAの記事と同文なので省略します