自民党が憲法改正に向け挙党態勢で動き出しました。
これまで憲法議論に距離を置いてきた二階幹事長まで、安倍首相が今回の党人事で挙党態勢で改憲に臨む決意を示すと、「憲法改正は、ほかのいかなる議案よりも重要だ」と応じ、10月18日に地元・和歌山県での1千人規模の憲法集会開催を早々に決めました
岸田政調会長も、訪問先のシンガポールで21日、改憲をテーマにした地方政調会を開く考えを表明しました。
また稲田朋美幹事長代行は、自身が共同代表を務める議員連盟「女性議員飛躍の会」を中心にして、全国各地での街頭演説や勉強会を計画しています。
しかしそうした取り組みは、産経新聞が14、15日に行った調査でも、安倍内閣が優先して取り組むべき課題として「改憲」を挙げたのは僅かには4・7%(「社会保障」は34%)であるという現実からあまりにも乖離していて、安倍政権の失政でいち早く近隣国の中国・韓国との貿易量を落ち込ませ、その回復の見通しも立たない中で消費税増税を行う愚策と一対をなすものです。
産経新聞の記事を紹介します。
「戦争する国づくりストップ! 憲法を守り・いかす共同センター」(憲法共同センター)が27日総会を開き、安倍改憲を阻止する運動を新たな構えでたたかうことを確認したという、しんぶん赤旗の記事を併せて紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自民、改憲へ挙党態勢 幹部始動、二階氏は地元で大規模集会
産経新聞 2019.9.28
自民党が結党以来の党是とする憲法改正に向け挙党態勢で動き出した。二階俊博幹事長や岸田文雄政調会長ら党四役が前面に立ち、全国各地での集会や講演などを展開する。改憲議論を活発化させ、国民の理解や世論の喚起につなげたい考えだ。(石鍋圭)
「憲法改正は、ほかのいかなる議案よりも重要だ」
二階氏は24日の記者会見でこう強調した。これまで憲法議論に距離を置いてきた二階氏だが、安倍晋三首相(党総裁)が今回の党人事にあたり挙党態勢で改憲に臨む決意を示すと、いち早く呼応。10月18日に地元・和歌山県での1千人規模の憲法集会開催を早々に決めた。首相側近として改憲に取り組む下村博文選対委員長が講演し、首相もビデオメッセージを寄せる。
党和歌山県連関係者によると、憲法記念日がある5月以外で大規模な憲法集会を開くのは異例だという。二階氏周辺は「二階氏が動かなければ『挙党態勢』は始まらない。地元での集会はわかりやすいメッセージだ」と解説する。
岸田氏も腰を上げた。訪問先のシンガポールで21日、改憲をテーマにした地方政調会を開く考えを表明。自衛隊明記など4項目の党改憲案に加え、環境など新たなテーマを議論する必要性にも触れた。首相が目指す改憲に貢献することで「ポスト安倍」としての存在感を発揮したい狙いもある。
稲田朋美幹事長代行は女性層にターゲットを絞る。自身が共同代表を務める議員連盟「女性議員飛躍の会」が中心となり、全国各地での街頭演説や勉強会を計画している。稲田氏は「女性は9条改正に対する抵抗感が強い。女性の立場から丁寧に改憲の必要性を説明する必要がある」と周囲に意欲を示している。
産経新聞社などが14、15両日に行った世論調査で、安倍内閣が優先して取り組むべき課題を聞いたところ、「改憲」は4・7%だった。「社会保障」(34・0%)や「経済対策」(22・6%)に比べ低調で、党幹部が改憲の必要性を国民にどれだけ浸透させられるかが焦点となる。
一方、挙党態勢と逆を行くのが石破茂元幹事長だ。20日のBSフジ番組では、4項目の党改憲案は総務会の意思決定を経ていないと主張。党内で再議論する必要があるとの持論を展開したが、党幹部は「党内議論は決着した。時間を巻き戻している余裕はない」と突き放している。
改憲策動葬る運動を 憲法共同センターが総会
しんぶん赤旗 2019年9月29日
「戦争する国づくりストップ! 憲法を守り・いかす共同センター」(憲法共同センター)は27日、東京都内で総会を開き、安倍改憲を阻止する運動を新たな構えでたたかうことを確認しました。
開会あいさつした新日本婦人の会の笠井貴美代会長は、参院選で改憲勢力を3分の2割れに追い込んだことを強調。憲法共同センターを設立し、幅広い団体と総がかり行動実行委員会をつくって共同の輪を広げてきた成果だとして、安倍改憲阻止、野党連合政権に向けて新たなたたかいを呼びかけました。
国会情勢を報告した日本共産党の山添拓参院議員は、安倍首相が改憲へ執念を示していることを指摘。野党の13項目の共通政策の第一が改憲阻止であり、これを野党連合政権の柱にすえるような本気のたたかいが必要だと呼びかけました。
議案を提案した全労連の竹下武常任幹事は、改憲策動に決着をつけるため総がかり行動実行委員会や市民連合などに結集し、総選挙勝利に向けて野党共闘の構築、政権構想を含めた政策合意に力を尽くそうと強調。安倍9条改憲阻止の署名運動をさらに広げていこうと訴えました。
選択的夫婦別姓、LGBT(性的少数者)の権利保障、消費税10%反対など憲法の先駆性を生かして国民の多様な運動を広げようと呼びかけました。
渡辺治一橋大学名誉教授が「参院選結果と安倍改憲阻止闘争」と題して講演しました。
岩手の代表は「戦争法廃止の運動が参院選や知事選勝利の力になった」と発言。埼玉の代表も、市民と野党の共闘で知事選に勝利したと語りました。