2019年9月26日木曜日

26- 日本の防空システムもサウジと同じ米国製 役に立たない

 ジョンソン英首相、マクロン仏大統領、メルケル独首相の3首脳は23日、国連総会出席のために訪れているニューヨークで会談し、14日サウジアラビアの石油処理施設が無人機(ドローン)で攻撃された事件について、「この攻撃の責任がイランにあるのは、私たちには明らかだ。他に妥当な説明はできない。詳細を明らかにするため、現行の調査を支持する」と、イランを非難する共同声明を発表しました。
 この(英)仏独の豹変に対してイラン外務省は24日「英仏独は米国の弱い者いじめに対抗する力も意思もないことを示した」と述べ、英仏独の共同声明を強く非難しました。
 
 責任の意味が不明ですが、責任論を述べるのであれば多年にわたってイエメンを空爆してきたサウジを中心とする多国籍軍の責任が問われるべきでしょう。仮にそれがイランからの技術供与。武器供与など(があったとしてそれ)を意味するのであれば、それについても、武器を広く売り捌いている米国などを除外するのはあり得ないことです。
 
 それはともかくサウジアラビアにはアメリカ製の防空システム88基のMIM-104 PAC-3・システム)が配備され、更にペルシャ湾には海軍所属3隻のイージス艦が配置されていましたが、全く役に立ちませんでした。
 その理由をアメリカなどはドローンが小型なうえ、低空で侵入してきたことを挙げていますが、要するに防衛できないシステムであったということです(現実にシリアでは米国を後ろ盾にするジハード傭兵がドローンで何度もロシア軍基地を攻撃していますが、いずれもロシア製の近距離防空システムパーンツィリ-S1(車上設置式)で阻止されているということです米国製ステルス戦闘機による攻撃も含めてです)。
 
 サウジアラビアの防空システムが機能しないということは、日本の防空システムも機能しないということです。それなのに6千億円余が掛かるとされているイージスアショアをはじめ、役に立たない米国兵器購入に、安倍政権は国民の血税を湯水のごとく使おうしています。
 安倍政権ではそれが止められないのであれば、一刻も早く退場させるべきです。
 
 櫻井ジャーナルの記事を紹介します・
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サウジの石油施設を守れなかった米国製防空システムは日本も導入している
櫻井ジャーナル 2019.09.25
 サウジアラビアのアブカイクとハリスにあるアラムコの石油処理施設が9月14日に18機のUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)と7機の巡航ミサイルで攻撃され、生産量が半分に落ちるという被害を受けたと言われている。この攻撃についてイエメンのフーシ派は自分たちが実行したと発表しているが、アメリカやサウジアラビアはイランによるものだと主張した
 それに対し、アメリカの好戦派やイスラエルによる偽旗作戦だとする人たちもいる。ドナルド・トランプ大統領やサウジアラビアがイエメンでの戦争を止めたがっていると言われているが、戦争を継続し、軍事的な緊張を高め、あわよくばイランを攻撃したいと好戦派やイスラエルは思っているからだ。
 今のところ、誰が実際に攻撃したのかを示す明確な証拠は見当たらないが、フーシ派がサウジアラビアの油田地帯を攻撃できるUAVやミサイルを開発しつつあったことは事実。実戦でも使用されてきたと言われているので、フーシ派が行ったとする説が有力なようだ。
 
 いずれにしろ、アメリカ製の防空システムは石油施設を守れなかった。伝えられているところによると、その周辺には88基のMIM-104 トリオット・システムが配備されていて、そのうち52基は日本も導入を進めているというPAC-3。しかもペルシャ湾にはアメリカ海軍に所属する3隻の駆逐艦(イージス艦)がいた
 攻撃を防げなかった理由について、アメリカなどはUAVが小型なうえ、低空で侵入してきたことを挙げているが、それで駄目ならシステムが駄目だということ。シリアではアメリカなどを後ろ盾にするジハード傭兵がUAVでロシア軍の基地を何度も攻撃、いずれも阻止されている。近距離防空システムのパーンツィリ-S1が有効だとされているが、そうした種類のシステムはアメリカにないようだ。
 
 今回の石油施設破壊は日本も無縁ではない。石油の輸入という面もあるが、サウジアラビアの防空システムが機能しないということは、日本の防空システムも機能しないことを示しているからだ。両国は同じアメリカ製のシステムを導入している。もっとも、弾道ミサイル防衛システムのイージス・アショアの場合、真の目的は攻撃にあるとされているので問題ないと考えているのかもしれないが。
 日本が大量に買おうとしている高額戦闘機F-35が欠陥品だということも知られている。2015年1月にカリフォルニア州のエドワード空軍基地近くで行われたF-16戦闘機との模擬空中戦でF-35は完敗しているのだ。
 F-35のステルス能力を強調する人もいるが、1999年にNATO軍がユーゴスラビアを先制攻撃した際、アメリカ空軍に所属するステルス機のF-117が対空ミサイルで撃墜された。それ以来ロシアのレーダーはアメリカのステルス機が「見える」と一般的に考えられている。