北朝鮮が五月以降、発射を繰り返した短距離の新型ミサイルに関し、複数回、自衛隊のイージス艦や航空自衛隊のレーダーで発射後の軌道を探知できなかったことが分かりました。低い高度や変則的な軌道のため捕捉できなかったもので、韓国軍は探知に成功したとみられています。
「複数回」できなかったということですが、ほとんどできなかったということと思われます。探知が発射地点や軌道からの距離に影響されるからというのもおかしな話で、低い軌道と言っても別に巡航ミサイルではないのですから、高度は数十キロあったものと思われます。
要するにイージス艦の探知能力はその程度のもので、早期探知が出来なければそれを迎撃出来る筈はなく、仮に早期発見してもミサイルで迎撃することは無理です。
実用の域に達していない迎撃システムにこれ以上の金を投じるのは愚の骨頂です。安倍政権が登場する前の本筋に戻って、近隣諸国との友好関係を深めるのが唯一の有効な自衛策です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
北ミサイル探知できず 日本政府 低高度や変則軌道
東京新聞 2019年9月23日
北朝鮮が五月以降、発射を繰り返した短距離の新型ミサイルに関し、日本政府が複数回、発射後の軌道を探知できなかったことが二十二日、分かった。複数の関係者が明らかにした。日本を射程に収める可能性があるミサイルも含まれていた。低い高度や変則的な軌道のため捕捉できなかったとみられる。日本政府は北朝鮮が既存のミサイル防衛網の突破を目指していると分析しており、技術開発の進展に危機感を強めている。
韓国軍は探知に成功したとみられる。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)破棄が日本の安全保障に影響を及ぼす懸念も広がりそうだ。早期の探知ができなければ迎撃が困難になる上、着弾に備えた避難警報や被害拡大を防ぐ対応も後手に回る。
関係者によると、北朝鮮が五~九月、計十日間にわたって発射した飛翔(ひしょう)体は以前と形状や性能が異なっていた。ほとんどが通常より低い高度六十キロ以下で飛行し、日本海側で警戒に当たる海上自衛隊のイージス艦や日本に配備された航空自衛隊のレーダーで探知できない事例が出た。探知は発射地点や軌道からの距離に影響されるため、韓国の方が捉えやすい。
防衛省や韓国軍によると、この期間に発射されたのは(1)新型短距離弾道ミサイル「KN23」(2)米国の戦術地対地ミサイル(ATACMS)と似た新型ミサイル(3)多連装ロケット砲-など。
このうちロシア製の高性能弾道ミサイルに酷似したKN23は日本にも届く恐れがある。変則的な軌道で知られ、今回捕捉できなかった事例の中に含まれていた。
日本は北朝鮮が今後、技術開発を一層進めると警戒。低高度もカバーするため複数のイージス艦を運用することや、レーダー機能の強化を急ぐなど対応を検討している。(共同)