「核兵器廃絶国際デー」の26日、日本政府が核保有国と非核保有国間のギャップを埋めるためにとかという不可解な理由で、17年7月に国連で採択された核兵器禁止条約に参加しない中で、ニューヨークの国連本部で核兵器禁止条約の新たな署名・批准書提出式が行われ、9カ国が署名、5カ国が批准書を提出しました。
これで署名は79カ国、批准は32カ国となります。同条約の発効に必要な批准まであと18に迫りました
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核兵器禁止条約批准書提出 32カ国 発効へあと18
しんぶん赤旗 2019年9月28日
【ニューヨーク=遠藤誠二】「核兵器廃絶国際デー」の26日、ニューヨークの国連本部では、2017年7月に採択された核兵器禁止条約の新たな署名・批准書提出式が行われ、9カ国が署名、5カ国が批准書を提出しました(うち署名と批准書提出を同時に行ったのは2カ国)。これで署名は79カ国、批准は32カ国となります。同条約の発効に必要な批准まであと18と迫りました。
式にはムハンマドバンデ国連総会議長、中満泉(なかみついずみ)国連軍縮担当上級代表(事務次長)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のフィン事務局長らが出席しました。
フィン事務局長は、批准書提出や署名を行った諸国代表に、「おめでとう。あなた方は歴史をつくっている」と祝意を伝えるとともに、「道はまだ半ば」だと述べ、各国にいっそうの批准を促進し、遠くない日に核兵器禁止条約を発効させ核兵器廃絶の道に進むことを訴えました。
同日の署名国はレソト、モルディブ、セントクリストファー・ネビス、トリニダード・トバゴ、タンザニア、ザンビア、ボツワナ、ドミニカ、グレナダ。批准書提出国はラオス、モルディブ、トリニダード・トバゴ、キリバス、バングラデシュ。前日には、エクアドルも批准書を提出しました。
核兵器廃絶国際デー“禁止条約発効早く”国連ハイレベル会合 各国代表ら訴え
しんぶん赤旗 2019年9月28日
【ニューヨーク=遠藤誠二】ニューヨークの国連本部で26日、「核兵器廃絶国際デー」を記念する「ハイレベル会合」が開かれました。グテレス国連事務総長、各国の首相・閣僚、市民社会代表が演説し、核兵器のない世界にむけ核兵器禁止条約の早期発効を呼びかけました。
グテレス事務総長は、「核兵器廃絶は、国連発足の初日から軍縮分野で最も高い優先課題だ」と指摘し、「核兵器の存在は人類にとって受け入れがたい危険だ。核兵器の脅威を無くす真の方策は、核兵器そのものの廃絶だ」と訴えました。
キューバのロドリゲス外相は、「広島と長崎への犯罪的な原爆投下から74年たつが、人類は、約1万4000発の核兵器の存在によって依然として脅威にさらされている」「核兵器の保有は、どのような安全保障上の概念やドクトリンをもってしても正当化されるものではない」と主張。「核兵器のない世界の促進と多国間主義の強化にむけ国際社会とともに取り組む。核兵器禁止条約の発効に向けた批准を(各国に)呼びかける」と発言しました。
オーストリアのシャレンベルク欧州・統合・外相は、「オーストリアは禁止条約をいち早く批准した国の一つだ。2年前、122カ国の賛成で核兵器禁止条約が採択されたことは(世界にむけた)強力なシグナルであり、批准を促進することで核兵器廃絶への取り組みを続けよう」と強調しました。
他の国の代表からも、「核兵器禁止条約は重要であり、核保有国や核の傘のもとにある諸国も署名、批准すべきだ」(ウガンダ)、「核兵器禁止条約は核兵器廃絶にむけた重要なステップだ。一刻も早い発効を」(バチカン)、「批准を促すことで条約発効にむけたスピードを速めよう」(コスタリカ)などの意見が相次ぎました。