2019年9月30日月曜日

30- 石崎徹衆院議員書類送検 説明責任いつ果たすのか

 石崎徹・自民党衆院議員(1984年1月25日 ~ )の元秘書が、5月から数百回にわたり殴る蹴るの暴行を受けたとして、6月に新潟県警に被害届が出されたのを受けて、925日、県警は石崎議員を傷害と暴行罪の疑いで、起訴を求める「厳重処分」の意見付きで、新潟地検に書類送検しました。
 これを受け自民党新潟支部は27日、石崎議員に対し離党を勧告しました。
 同議員は82日に自民党新潟支部長職の辞表を電子メールで県連に提出して翌3日付で辞任し、8月7日付で県連常任顧問職を解任されています。。
 
 石崎議員は、2007年慶大法学部卒業後財務省に入省。2012年、自民党の衆院総選挙の候補者公募に合格したので財務省を退官し、同年12月地元の新潟1区から立候補して衆院議員に当選しました。3期目の2017年の衆院選では新潟一区で立民党の西村智奈美に敗れたものの、比例北陸信越ブロックで復活当選しました。
 
 7月17日、石崎議員が元秘書に対し、「バカ」「死ね」などの暴言を吐いた音声が週刊新潮のウェブサイトで公開され(7月25日発売の週刊誌で、石崎が英語のレッスンで知り合った東欧出身の27歳の女性に対し5万円で売春を持ちかけたことも報じられ)たことで、世間から非難されるようになりました。(『ウィキペディア』より)。
 
 石崎議員は週刊誌の報道があったときに、複数の県連幹部に電話で「迷惑をかけた。しばらく休養する」と伝え、8月2日に自民党新潟支部長職を辞職する際のメールには、「ご迷惑、ご心配を掛け、不徳を恥じ、おわび申し上げたい」とコメントしたとされていますが、いわゆる有権者への説明責任は何も果たしていません。
 新潟日報が沈黙を続けている石崎議員に対し「説明責任いつ果たすのか」とする社説を掲げました。
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【社説】 石崎氏書類送検 説明責任いつ果たすのか
新潟日報 2019/09/29
 いつまで逃げ続けるつもりなのか。公の場で説明責任を果たすよう、重ねて強く求める。
 自民党の石崎徹衆院議員が、秘書に対する傷害と暴行の疑いで書類送検された。
 県警が石崎氏に任意で事情聴取するなど捜査を進め、今回の書類送検となった。今後は新潟地検が起訴するかどうかが焦点となる。
 秘書を務めていた30代の男性が県警に被害届を出し、問題が明るみに出たのは参院選さなかの7月中旬だ。
 腕を殴ったり、足を蹴ったりしたとされる容疑そのものに加え、発覚から2カ月余、石崎氏が一度も公の場に姿を見せていないことも大きな問題だ。
 
 7月に2回、文書でコメントを出した。そこで石崎氏は秘書への暴言は認めた。ただし、暴行や傷害の有無については明確にしていない。
 文書では「真実を伝えられる時が来たら、しっかりと誠意を持って説明する」としていた。それは一体いつなのか。この約束は守られるのか。
 8月の臨時国会は体調不良で欠席した。国会議員が本務である国会に出席しないのは自らの責任の放棄だ。都合が悪くなると逃げるような姿も、政治家としての資質を疑わせる
 
 今回の書類送検を受けて菅義偉官房長官は「政治家は常に自らを律するとともに、説明責任を果たすべきだ」と求めた。
 「事実なら言語道断。出処進退を自らお考えになっていただくことと思う」と、辞職に言及する自民党議員もいる。
 石崎氏は前回2017年衆院選は新潟1区で敗れたが、比例北陸信越で復活当選した。石崎氏に1票を投じた有権者は約11万3千人に上る。この重みをきちんと感じているのか。
 
 新潟1区の有権者からは「若い議員で期待していたのに」「情けない」など、失望と怒りの声が上がっている。
 自民党県連は党本部に石崎氏の除名など厳しい処分を求めている。党本部の判断はまだ出ていないが、地元は既に石崎氏の後任選びに動いている
 10月4日に臨時国会が召集される。ここでも逃げるようなことがあれば、失望はさらに膨らむに違いない。
 
 財務省出身の石崎氏は12年衆院選で28歳の若さで初当選したが、これまでも女性問題などが取り沙汰されてきた。同期の自民議員には不祥事が相次ぎ「魔の3回生」と呼ばれている。
 政治家の「劣化」はどうしたものか。強い危機感を抱かざるを得ない。石崎氏の不祥事が県民の政治への不信感を高めたことは間違いない。そのことにも危機感を抱く。
 本県にはかつて、田中角栄元首相はじめ、与野党問わず実力ある政治家を輩出した時代があった。閣僚も珍しくなく、新潟県の政治力は中央政界でも一目置かれていた。
 国のため、地域のため有為な政治家を選び、育てる。そのためにはどうすればいいのかを私たち有権者が真剣に考えたい。