2015年9月17日木曜日

福井大、北星学園、東京女子大が安保法案反対の声明

 15日、福井大の教員「有志の会」は安保法案反対のアピールに職員や大学院生らから146の賛同署名が集まったことを明らかにしました。
 
 北星学園、東京女子大の安保法案反対声明を、併せて紹介します。
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安保法案反対、署名146筆集まる 福井大教員らの会
福井新聞 2015年9月16日
 福井大の教員らでつくる安全保障関連法案の廃案を求める「有志の会」は十五日、教育地域科学部の教員の四割が活動に賛同し、署名したと発表した。職員や大学院生らの分も含め、百四十六筆を十六日に首相官邸と県選出国会議員の事務所に郵送する。
 
 署名集めは二~十四日にインターネットで実施。教育地域科学部を中心に広がり、同学部では教員百人のうち学部長を含む三十九人が賛同した。工学部や医学部のほか、活動を知った県内外の市民からも署名が集まった。
 呼び掛け人代表の大学院教育学研究科の森透教授(65)は「夏休みで学生や院生になかなか広げられなかったが、限られた期間で多くの先生が反対を表明してくれた」と評価。教育地域科学部の山根清志特命教授(67)は「強行採決で押し切られれば、日本の法治主義が崩れる」と訴えた。(高橋雅人)
 
 
安全保障法制に反対する北星学園教職員有志のアピール 
 
 日本の安全保障の枠組みを根底から覆す安全保障法制法案が、衆議院を強行採決により通過し、今国会において成立しようとしています。わたしたち北星学園の教職員有志は、知的誠実を旨とする立場から、日本国憲法をないがしろにして提起されている安全保障法制が戦後70年の節目の年に成立しようとしている事態を看過することができません。
 
 日本国憲法のもとでの戦後日本の歩みにおいて、日本の国家権力は司法も含め集団的自衛権の行使が可能であるという立場を一貫してとってきませんでした。それが認められると解するならば、憲法9条は何も禁じていない空文になってしまうからです。しかし、現政権は戦後のどの政権もとってこなかった憲法解釈を閣議決定し、安全保障法制を提起しています。
 
 先の大戦からの反省と教訓を踏まえ、日本国憲法の平和主義は、戦後、堅持されてきました。日本国憲法の平和主義とそのもとでの戦後の歩みを見つめ直すことなしに、日本の安全保障の枠組みを覆す法案が提起されること、ましてやそれが国会の場で可決されるということなどは、立憲主義に立つかぎり、ありえないことです。
 
 北星学園は、戦後50年の節目に「北星学園平和宣言」を発表し、「あらためて平和をつくり出すことの大切さと人権を尊ぶ教育の重要さを思います」とした上で、「これまでの不十分な戦後の歩みを反省し、新しい時代の平和をつくる学園として歩むことを宣言」しました。また、自衛隊がイラクのサマワに派遣された2004年2月には「2004年2月声明」をやはり学園として発表し、「未来に生きる生徒・学生を戦場に送らないため、戦争行為を正当化するいかなる政策にも反対し、平和を実現する教育を貫き通すことを表明します」としています。こうした認識のもと、大学・短大、女子中高、大学附属高校、余市高校の北星学園各校は、これまでそれぞれに平和教育に力を注いでまいりました。
 
 <自由>は天から降ってくるものではないということ、でも、あたかも当然のものであるかのようにその<自由>を確保していく必要があることを、大学の自治と学問の自由への脅威に際して、わたしたちは、その困難とともに実感したところです。<平和>もまた、それを守るために絶えざる努力が必要です。わたしたちは、現政権の憲法解釈の変更から安全保障法制の提起、そして、衆議院通過に至る、一連の経緯を省みて、その思いを新たにせざるをえません。
 北星学園に奉職する教職員有志は、知的誠実のもと、また、学園の掲げるキリスト教の精神に鑑み、安全保障法制は廃案にされるべきであると強く訴えます。
 
「平和を実現する人々は、幸いである」(マタイによる福音書 5章9節)
「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。」(マタイによる福音書 26章52節)
2015年8月
立憲主義と日本国憲法を尊重する
北星学園教職員有志の会
 
 
安全保障関連法案に反対する東京女子大学有志アピール
 
 私たち東京女子大学教職員有志は、海外での戦争参加に道を開く違憲の安全保障関連法案に反対します。
2015年9月12日
 
「太平洋の懸け橋」となることを望み、国際連盟事務次長として国際平和のために力を尽くして斃れた新渡戸稲造を初代学長に持つ東京女子大学は、新渡戸の遺志を継承して、平和の希求という理念をキリスト教主義と並ぶ建学の精神の重要な支えとし、教育理念の中核の一つとしてきました。
 先に強行採決によって衆議院を通過し、現在参議院で審議中の「安全保障関連法案」は、戦後七十年、憲法九条の規定によって守られてきた日本の平和を危うくし、「積極的平和主義」の美名のもとに、違憲の疑いが濃厚な「集団的自衛権」に基づいて海外での他国の戦争に積極的に加担する道を開く危険な法案と言わざるを得ません。
 私たち東京女子大学に勤務する教職員有志は、大学が守り続けてきた平和への意志に対する全面的な共感の念から、戦争へ繋がるこの法案に強く抗議し、反対の意思を表明するものです。
呼びかけ人・賛同人の名簿は省略します