9日、演劇や舞台表現にかかわっている俳優や演出家、音楽家らの代表が記者会見を行い、安保法案反対の声明を出しました。
京都女子大学有志の会は6日付けで、安保法案反対の声明を出しました。
二つの声明文を紹介します。
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安保法案で演劇人らが反対声明=600人以上が参加
時事通信 2015年9月9日
参院で審議中の安全保障関連法案について、演劇や舞台表現にかかわっている俳優や演出家、音楽家ら600人以上が9日、反対声明を発表した。
演出家の西川信広さん、音楽家の池辺晋一郎さん、長唄三味線の人間国宝、今藤政太郎さんら40人が呼び掛け人となり、同日までに約600人が賛同した。呼び掛け人には7月に死去した俳優の加藤武さんも加わっていた。
声明は「私たちはかつて、文化芸術が戦意高揚のために使われ、多くの芸術家が戦渦に倒れ、弾圧された痛苦な経験を持っている。その深い反省から、法案に断固反対する」と訴えた。
(演劇人・舞台表現者の会 安保法案反対 声明文)
声 明 文 (案)
私たちは、安保法制関連法案に反対です。
私たちは、安倍政権の暴走を許しません。
ほとんどの憲法学者が違憲とし、多くの国民が反対し、説明も十分でない安保法案を、安倍首相は今国会で強引に成立させようとしています。
この行為は立憲主義と民主主義の破壊です。私たちはこの暴挙を許しません。
また、この法案は、政府が戦争と言わない派兵・出動をもって国民を戦争状態に追いやり、国際平和と国民の生命を危険にさらす極めて高い可能性を有する法案です。私たちはかつて、文化芸術が戦意高揚のために使われ、多くの芸術家が戦禍に倒れ、弾圧され、投獄された痛苦な経験を持っています。
その深い反省から、舞台芸術にかかわる私たちは、安保関連法制法案に断固反対します。
また、この間の国民の意思に反した安倍政権の「暴走」を許すことはできません。選挙で多くの議席を得ているからと言って、国民は安倍首相と政権に憲法に反する法案を成立させる委任をしたわけではありません。
私たちは、表現のジャンルを超えて、安倍首相と安倍政権の「暴走」に断固反対の意思を表明し、憲法に基づき、国会が徹底審議をつくして、安保法案を廃案とすることを強く求めます。
安保法制と安倍政権の暴走を許さない演劇人・舞台表現者の会
(安保法案に反対する京都女子大学有志の声明文)
安全保障法案に反対します
ご存知のように,安倍内閣はこれまでの政権には見られない強硬な手法で安全保障関連法案の成立を図り,衆議院では国民の強い反対の中,採決を強行しました。そして前例のない90日もの国会会期延長へと暴走し,参議院での可決を経て成立させようとしています。
この法案の問題点はすでに多くの識者が言明していますが,憲法で禁じられた集団的自衛権の容認によって,アメリカによる海外の戦争に,否応なしに日本を巻き込む道を開くことにあります。
安倍政権は,広範な国民の反対の声を無視し,立憲主義という近代民主主義国家の統治の原理さえもないがしろにして,民主主義とは程遠い政治姿勢をとっています。戦後,幾多の犠牲のうえに国民が獲得した新しい憲法と民主主義が,今や危機にさらされています。
一方で,この悪法に対しては,これまでにない国民の反対の声が上がっており,ニュース等でもごらんのように,多くの市民や若い学生たちの運動が湧き上がり,全国の大学・研究機関の科学者,研究者による反対の動きも次々と伝えられています。そのうねりの大きさに,国会での審議は再三にわたって遅滞しています。
しかしそれでも,安倍政権は何が何でもこの悪法を通そうという構えを捨ててはいません。国民の反対の声が民主主義を守り通すか,あるいは戦争への道を再び日本が歩くことになるのか,いま日本は大きな歴史の分岐点に立っています。
京都女子大学は,「親鸞聖人の体せられた仏教精神に基づく人間教育」を建学の精神としています。この仏教精神とは,「平和」,「平等」,「安穏」と表 現することができます。すなわち,ブッダ釈尊は一切の差別を嫌い,争いに明け 暮れる人間の愚かさを嘆き悲しんで,私共に安らかで平穏な境地を目指すよう教えられました。その仏の御心を正しく受け取られた親鸞聖人は「世の中,安穏 なれ」と願われて,力強く生き抜かれたのです。
本学に集う私達は,人々をこの精神に全く相反する方向に導こうとする「安保 法案」に強く反対します。ここに私達の不屈の意志を表明するものです。
安全保障関連法案に反対する京都女子大学有志の会
2015年9月6日