安全保障関連法案に反対する熊本大、熊本学園大、熊本県立大の教授ら8人が1日、熊本県庁で会見し廃案を求める声明をそれぞれ発表しました。
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安保法案に反対声明 県内学者有志、廃案求める
熊本日日新聞 2015年9月2日
安全保障関連法案に反対する熊本大、熊本学園大、県立大の教授ら8人が1日、県庁で会見し「自衛隊が海外で殺し殺される状況をつくってはいけない」と廃案を求める声明をそれぞれ発表した。賛同者は計80人に上り、今後も各大学で募るという。
熊本大の鈴木桂樹教授は「集団的自衛権は他国防衛でしかない。安倍晋三首相が言う抑止力も武力衝突を誘発する恐れがある」と指摘。声明では「最前線に武器や弾薬を供給する兵たんを担う自衛隊員が攻撃目標になる。隊員、市民に犠牲が出てからでは遅い」と危機感を強調した。
県立大の難波美和子准教授は「他国軍の後方支援に参加すれば、日本が果たしている平和貢献が機能しなくなる。暴力的行動は避けるべきだ」と訴え、声明で「憲法9条に違反し、戦争する国へと導く法案。衆院憲法審査会で学者3人が違憲としたにもかかわらず、安倍内閣は学問的成果を軽視している」と訴えている。
熊本学園大の坂本正教授は「教育者として若者に社会経験を伝えることは、学者として私たちの存在意義でもある」として、声明は「解釈改憲で戦争をする国に変えるのは重大な憲法違反。民主主義に挑戦する独裁者の暴挙だ」と安倍首相を批判した。
全国では115大学で「有志の会」が発足、ノーベル賞受賞者の益川敏英氏らがつくる「安全保障関連法案に反対する学者の会」が賛同署名を集めている。(福井一基)