2015年9月9日水曜日

登山で平和憲法を訴える 函館の医師が10年以上

 函館市の医師 長谷川昭一さんは、登山中に憲法9条の大切さをアピールする活動を10年以上前から続けているということです
 
 登山歴40年長谷川さんは、リュックにメッセージを書いた布を結わえ、山頂ではアピール文を掲げて写真を撮ってインターネットで配信しています。
 年間の山行日数は30日以上でアピール活動を行った山は50峰を超えています
 
 「湯沢平和の輪」も湯沢駅東口の正面ビルに「平和でこそ スキー 温泉 山登り」の標語を掲げていますが、正にそれを地で行くもの、その見本となるものです。
 
  (関係記事)
 2014年2月18日 平和だから登山ができる 登山者9条の会がアピール 
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登山で平和憲法を訴え 函館の医師・長谷川さん、リュックにメッセージ
北海道新聞 2015年9月8日
 【函館】平和憲法を守ろう―。函館市内の医師で登山愛好家の長谷川昭一さん(58)は、登山中に憲法9条の大切さをアピールする活動を10年以上前から道内外の山で続けている。リュックにメッセージを書いた布を結わえ、山頂ではアピール文を掲げて写真を撮ってインターネットで配信する。この夏は安倍晋三政権が提出した安全保障関連法案の国会審議に危機感を抱きながら、ヒマラヤ山脈に囲まれたブータンを訪れ、7千メートル峰をバックにした写真でメッセージを伝えた。
 
 長谷川さんは函館出身。学生時代に、甚大な被害を世界に与えた先の大戦の体験談や文献にふれ「戦争だけは二度としてはならない」と感じ、ソマリアなど海外の紛争地域で医療活動に従事しながら、その思いを強めた。大戦の反省から生まれた平和憲法の下、1人の戦死者も出していない戦後日本の歩みの貴さを痛感し、趣味の登山を生かした活動を2002年に始めた。
 
 黄色の布に「平和憲法を守ろう」と記し、ゼッケンのようにリュックの背に付けて、静かに登山者にメッセージを伝える。山頂や景色の良い場所ではカメラをセルフタイマーにし、メッセージを持った自身の写真を撮ってブロクで発信する。
 
 長谷川さんの登山歴は40年。年間の山行日数は30日以上で、アピール活動を行った山は、道内や本州を中心に50峰を超えるという。
 
 10年ほど前に富士山を会場にした山岳レースでアピールした際は山頂にゴール後、レース中に相前後した男性から声を掛けられた。男性は「メッセージを何度も見るうち、登山ができるのも平和だからだ、とあらためて思った」と話したという。一方で、憲法9条の改正を考える登山者に「早く変えた方がいいのでは」と言われたこともある。
 
 ブータンを訪れたのは、集団的自衛権行使を可能にする安保関連法案の衆院での審議が佳境を迎えていた今年7月。ヒマラヤ山脈のふもとを8日間かけてトレッキングし高山植物の花を撮影するのが訪問の目的だったが、安倍政権の「平和憲法を踏みにじる振る舞い」に危うさを感じ、「アベ政治を許さない」というメッセージを持って、チョモラーリ峰(7315メートル)を背に写真を撮った。
 
 長谷川さんは「日本が戦争に巻き込まれれば家族や知人が海外に送られるかもしれない。軍事が最優先になり、自由にモノも言えなくなる。戦争をできるようにする安保法案を今、ストップさせないと後で本当に後悔することになる」と話す。
 
 長谷川さんは現在、ブータンで撮影した写真の作品展を、函館市中道2のしらかば薬局ギャラリーで開催中。花の写真のほか、アピール活動を紹介する写真も掲げている。無料、11日まで。(清水博之)