立命館大学法学部・法務研究科教員有志は7月1日に、「安保関連法案に対する法律専門家の違憲論を尊重し、法案の撤回を求める立命館大学法学部・法務研究科教員有志の意見」を発表しています。
その「意見呼びかけ人一同」が22日、「安保法制の強行採決に抗議する緊急声明」を出しました。
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立命館大学法学部・法務研究科教員有志の意見呼びかけ人一同
「安保法制の強行採決に抗議する緊急声明」
2015年9月19日、安倍政権による安保法制の採決強行に対し、満腔の怒りを込めてここに抗議の意思を表明する。
今次の安保法制に対しては、圧倒的多数の憲法研究者、歴代内閣法制局長官、元最高裁判所長官を含む広範な法律家によって違憲との評価 がなされてきた。また、こうした法律専門家の意見もあり、過半数の国民が安保法案に反対し、「今国会で成立させる必要がない」7割、「 国会での議論は尽くされていない」との声が8割に達するなど、主権者国民の声からすれば、到底採決を強行できる状況ではなかったはずで ある。公聴会の直後の強行採決は主権者国民の声を聞く耳すら安倍政権が持っていないことの証左であるといえる。主権者国民の声を聴こ うともしない政権の姿は「選挙による独裁」とのそしりを免れないといえよう。「議場騒然、聴取不能」とする参院安保法制特別委員会の 議事録からは、そもそも採決されたのか疑問であり、無効であるといっても過言ではなかろう。
さらに、国会で審議をすればするほど、法案の不備が露呈し、政府答弁も二転三転し、挙句の果てには、立法事実すら存在しないことが明 らかとなった。安倍政権からすれば、国民の理解が得られないのは、国民が「愚か」であるからだということであろうが、法案の不備、危 険性を国民が理解したからこそ、これほど広範な国民の反対があったというのが事の真相である。
安倍政権の下、日本の民主主義、平和主義、立憲主義は、今、戦後最大の危機にあるといえる。しかしながら、国会前、全国各地で連日 にわたり繰り広げられた国民的反対運動に、とりわけ若い人々が組織動員型でなく、自発的、主体的に参加した姿は、日本に国民主権、平 和主義、立憲主義が根付いてきた証左であるともいえる。
我々は、「学生を二度と再び戦場に送らない」との決意の下、学生をはじめとし た若い人々、さらに、広範な人々と共同し、安保法制の廃止に向けて全力を尽くすことをここに宣言する。
2015年9月22日
安保関連法案に対する法律専門家の違憲論を尊重し、
法案の撤回を求める立命館大学法学部・法務研究科
教員有志の意見(7月1日発表)呼びかけ人一同