2020年9月28日月曜日

杉田水脈氏は「議員辞職を」 緊急オンラインフラワーデモ

  2018年、月刊誌への寄稿で性的少数者について「生産性がない」などと記し大きな批判を浴びた自民党の杉田水脈衆院議員は、イギリスのBBCが18年6月28日に、ジャーナリストの伊藤詩織さんが受けた性暴力事件「日本の隠された恥」を放送したときにも、同番組のインタビューに応じ「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね。男性の前でそれだけ飲んで、記憶をなくしてっていうようなかたちで」「詩織さんが記者会見を行なって、ああいう嘘の主張をしたがためにですね、山口さんや家族に死ねとかいうような誹謗中傷のメールとか電話とかが殺到したわけです」などと伊藤さんを批判しました。

 杉田議員が25日、党本部での会議で「女性はいくらでもウソをつける」と発言したことに対して、女性や性暴力被害者への蔑視発言に抗議する緊急フラワーデモが26日、オンラインで行われました。
 呼びかけ人の作家・北原みのりさんは「性暴力被害者をおとしめるセカンドレイプであり性差別です。性暴力根絶の動きを後退させかねない発言を国会議員がするなど許されない」と述べました。
 「#KuToo」呼びかけ人の石川優実さんは「見逃さないで声をあげていかないといけない」と強調。杉田氏の性的少数者への差別や選択的夫婦別姓に関する国会でのヤジも自民党はうやむやのままだと指摘し、「自民党がちゃんとしてほしい」と述べました。
 フラワーデモが同日呼びかけた、発言撤回、謝罪、議員辞職を求める電子署名は午後9時時点で約4万人となりました。(しんぶん赤旗)

(LITERA 25日)杉田水脈が自民党の“性暴力”議論で「女性はいくらでも嘘をつける」と暴言! 伊藤詩織さん攻撃でも被害女性を貶める差別思想が

 毎日新聞の記事としんぶん赤旗の主張を紹介します。
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「性暴力被害者の声をつぶすな」フラワーデモ主催者ら オンラインで緊急集会 杉田議員発言に抗議
                       毎日新聞 2020年9月27日
 自民党の杉田水脈衆院議員(比例中国ブロック)が性暴力被害者の相談支援を巡り「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言したことに抗議し、性暴力の根絶を訴える「フラワーデモ」を全国各地で開催してきた市民らが26日夜、緊急のオンラインデモを開催した。被害者や支援者らが「性暴力被害者の声をこれ以上つぶさないでほしい」と訴えた。【塩田彩/統合デジタル取材センター】
 オンラインデモには、全国各地でデモを開催してきた女性ら35人が参加した。
 フラワーデモを最初に呼びかけた作家の北原みのりさんは「杉田議員の発言は、(被害者が周囲の言動で苦しめられる)セカンドレイプであり、性差別であり、性暴力根絶のために声をあげてきた人たちの運動を後退させるような発言」と指摘。「『どうせ言っても信じてもらえない』というあきらめで被害者の声はつぶされてきた。これ以上声をつぶすような発言を国会議員がすることは許されない」と訴えた。
被害者を信じない社会を代表
 群馬県から参加した女性は、性暴力被害について「うそをついている」と言われ続けてきたという。「怒りがまひしていたけれど、(杉田氏の)発言を聞いた母親が泣く姿を見て、怒らなきゃいけないと思えた」と振り返り、「杉田議員の言葉で傷付いた人はたくさんいると思うが、一人じゃないと感じてほしい」と呼びかけた。
 横浜市から参加した女性は「被害を話すことは一番苦しめられていたところに自分自身を引き戻すような行為。命を削る思いで訴えている。私も35年以上被害を誰にも言えずにきたが、フラワーデモでやっと声をあげられた。杉田議員の発言は被害者や支援者、すべての女性をおとしめる言葉だ」と語った。
 また、沖縄で被害者支援に携わる参加者からは「杉田議員の発言は今の社会を代表している。それほど性被害に遭った人が信じてもらえない空気や(被害者に責任があるとする)『強姦(ごうかん)神話』が社会を覆っている。しっかりと(被害者の)声を聞いていかなければいけない」と訴えた。
議員辞職求める署名に4万人
 杉田氏は2018年、月刊誌への寄稿で性的少数者について「生産性がない」などと記し大きな批判を浴びた。オンラインデモでは、性暴力被害者で性的少数者でもある参加者から「杉田議員に2度蔑視された」という声もあがった。
 また、問題の発言に関連し、杉田氏が相談事業について民間委託ではなく警察が積極的に関与するよう求めたことについて、性暴力問題に詳しいライターの小川たまかさんは「民間相談所での心理的ケアや法的支援を受けて初めて警察に行けるという人がいる。支援現場をまったく分かっていない」と指摘した。
 フラワーデモ主催者らは26日、杉田氏に発言の撤回と謝罪、議員辞職を求めるオンライン署名を始めた。午後9時半時点で4万2000人以上が賛同している。
 杉田氏の発言は25日、自民党内の会議で、性暴力被害者のために行政や民間が運営する「ワンストップ支援センター」の増設方針などについて内閣府男女共同参画局から説明を受けた際にあった。杉田議員は質疑の中で、支援センターなどでの相談事業について、民間委託ではなく警察が積極的に関与するよう主張。「女性はいくらでもうそをつけますから」と、虚偽の被害申告があるように受け取れる発言をしたという。
 杉田議員は26日、自身のブログで「女性を蔑視する趣旨の発言はしていない」と記したが、共同通信の取材に対し、複数の会議出席者が杉田氏の発言を認めている。
 フラワーデモは、性暴力事件の無罪判決が相次いだことをきっかけに19年4月に始まり、全国各地に広がった。これまで公の場で語ることが少ないとされてきた性暴力被害者らが路上で声をあげ、性犯罪に関する刑法の再改正を検討する国の動きにもつながっている。

主張 杉田議員の暴言 どこまで尊厳踏みにじるのか
                     しんぶん赤旗 2020年9月27日
 自民党の杉田水脈衆院議員が、性暴力被害の相談事業などがテーマになった党内の会議で「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言しました。性暴力に苦しむ被害者をおとしめ、女性を侮辱する許し難い暴言です。性暴力の根絶を願って自らのつらい被害体験について勇気をふるって語り始めた女性たちを深く傷つけ、尊厳をあからさまに踏みにじるものです。杉田議員は、かつてLGBTs(性的少数者)を侮蔑し、批判を浴びました。政治家としての資格がないのはいよいよ明白です。議員を辞職すべきです。
被害者に沈黙を強いる
 杉田議員の発言は、自民党の内閣第一部会・第二部会合同会議(25日)でのものです。内閣府が女性政策をはじめ2021年度予算の概算要求について説明し、性犯罪・性暴力被害者が直ちに相談でき必要な支援を受けられる「ワンストップ支援センター」増設の方針などが示されました。杉田議員の発言は、その質疑の中であったと報道されています。同議員は会議後、「そんなことは言っていない」と述べましたが、会議に出席した複数の関係者は、発言があったことを認めています。
 杉田議員の発言が深刻なのは、性暴力被害にあった女性たちを再び傷つけ、追い詰め、沈黙を強いるものだからです。被害者が悩みに悩み抜いて勇気を出して相談しても、証言が疑われる場合が少なくありません。信用されないことを恐れて泣き寝入りし、被害が顕在化せず温存される悪循環が大きな問題になっています。
 いまだ社会に根深くある偏見や性差別をただすことが政治に求められる役割なのに、被害者に向かって「うそをつける」などと心ない言葉を投げつけることは、到底許されません。
 杉田議員は、自ら受けた性暴力被害を告発したジャーナリストの伊藤詩織さんを誹謗(ひぼう)中傷するツイッターに賛同を示す「いいね」を押し、伊藤さんから損害賠償を求める裁判も起こされています。旧日本軍「慰安婦」問題でも、女性たちへの性被害は「ねつ造」であるかのような不当な攻撃をしています。女性の人権と尊厳を奪った行為を肯定し、痛みを感じない態度はあまりに重大です。
 性暴力被害の根絶をめざす取り組みが、世界的な「#MeToo運動」として大きなうねりとなり、日本では、「フラワーデモ」が各地で広がっています。性暴力被害にあった当事者たちが胸に秘めてきた痛切な思いを声に出したことが、政治と社会を動かし、歴史を前に進める大きな力へ発展しています。声を上げる被害者を侮蔑する杉田議員の発言は、世界の流れにも完全に逆らうものです。
自民党の姿勢が問われる
 杉田議員は2018年、LGBTsカップルに「生産性」がないなどとする差別的な暴言を月刊誌に寄稿し、国民の怒りをかいました。しかし、同議員は暴言を撤回せず、自民党は形ばかりの「指導」でうやむやにしました。今年1月の衆院本会議では、選択的夫婦別姓導入を求めた野党議員の質問時の杉田議員のやじが大きな問題になりました。自民党は、人権侵害の言動に無反省な杉田議員を不問にし続けるのか。17年総選挙で比例中国ブロックに同氏を擁立した同党の責任が厳しく問われます