2020年9月30日水曜日

作家・適菜 収氏による 「菅話法」新論

 作家適菜収氏は日刊ゲンダイに「それでもバカとは戦え」を連載(週1)しています。

 26日号では菅話法を取り上げました。「菅話法」は、「その指摘はあたらない」「答弁を控えさせていただく」「いま答えた通り」……などの一連の話法のことで、記者の追及を問答無用で断ち切る強硬な姿勢を現したものと解されていました。
 それに対して適菜収氏は、「首相就任会見を見た人たちから、どうもそうではないのではないかという声が上がっている」として、他人とコミュニケーションを取る能力が著しく欠如していると解すべきだとしました。そうでないと2015沖縄県の基地移設問題を巡り翁長雄志知事と沖縄担当相であった氏が会談した際、沖縄の苦難の歴史を語った翁長に対し、菅氏が「私は戦後生まれなので、歴史を持ち出されたら困る」と支離滅裂意味不明」に言い放ったことの説明にならないというものです。そうであるなら国会議員の大多数は歴史を無視していいという話になるからです。
 そもそも琉球処分に始まって、戦中に沖縄が味わった苦難と戦後米国統治を経ての本土復帰したという歴史を捨象した沖縄問題(の認識)はあり得ず、そうした場で政府のメンバーである国会議員が「戦前のことは知らないから」と対応することの非は1年生議員であっても肝に銘じている筈です。驚くべき認識不足(そして常識の欠如)というのが失礼であるならば、「他人とコミュニケーションを取る能力著し欠如」というしかありません。我々は前首相の饒舌な無内容には重々苦しめられましが、こんどはそういう人がトップの地位に就いたわけです。どういうことになるのでしょうか。
 適菜氏の記事を紹介します。
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それでもバカとは戦え 
歴史を捏造するアベの後継は「なかったこと」にする最低男 
                     適菜 収 日刊ゲンダイ 2020/09/26
 朝日新聞の世論調査によると、菅義偉内閣の支持率が65%もあったらしい。安倍退陣後の調査では、次期首相に「誰がふさわしいか」との質問に石破茂が34・3%でトップ、菅は14・3%、河野太郎が13・6%だった。腐ったメディアが誘導すれば世論は簡単に変わるということだろう。菅は「国民のために働く内閣」を掲げたが、ではこれまで誰のために働いてきたのか。この先、アメリカのために働いてきた安倍政権と一線を画すとも思えない。
 なお、今年5月の安倍政権の支持率は29%だったが、辞意表明後に実績評価を聞くと、「大いに」「ある程度」を合わせて71%が「評価する」と答えた。では、当時と今とでは何か大きな変化があったのか。新型コロナウイルス対策、森友学園問題に関連する公文書改ざん事件、「桜を見る会」に関連する権力の私物化、北方領土の主権の棚上げ問題……。いずれも闇の中である。というより、闇の中に葬り去ろうという明確な意思を感じる。説明から逃げ、論点をはぐらかし、時間を稼げば、どうせ世間は忘れるというそろばん勘定だ。

 いわゆる「菅話法」がある。「その指摘はあたらない」「答弁を控えさせていただく」「いま答えた通り」……。こうした菅の態度はメディアに対する強硬な姿勢と捉えられてきたが、首相就任会見を見た人たちから、どうもそうではないのではないかという声が上がっている。要するに、他人とコミュニケーションを取る能力が著しく欠如しているのだ。
 2015年、沖縄県の基地移設問題を巡り翁長雄志知事と菅は会談。沖縄の苦難の歴史を語った翁長に対し、菅は「私は戦後生まれなので、歴史を持ち出されたら困る」と言い放ったという。
 支離滅裂、意味不明。だったら、国会議員の大多数は歴史を無視していいという話になる
 ポツダム宣言がいつ出されたかも知らず、歴史を捏造してきた安倍政権を引き継いだのは、そもそも歴史を「なかったこと」にする最低の男だった。7年8カ月に及ぶ悪政は今もそのまま引き継がれている。
 9月20日、アメリカのトランプと初の電話会談を行った菅は「大統領からは24時間いつでも何かあったら電話をしてほしいと。『テル』『テル』と、そういうことで一致した」と発言。よくわからないが、そういうことらしい。日本人は菅と周辺の一味にバカにされていることに気づいたほうがいい。

適菜収 作家
1975年生まれ。作家。近著に「国賊論 安倍晋三と仲間たち」、「ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」など著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜 収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジン https://foomii.com/00171