政治経済学者の植草一秀氏が「菅内閣が継承する営利化利権政治」として、小泉(・竹中)政権で顕著になり、それが第一次二次安倍政権に受け継がれた営利化利権政治の本質を極めて端的に分かりやすく解説する記事を出しました。
大資本の利益極大化追求が安倍政治の本質であり、その安倍政権を支配していたのは巨大資本であり、さらにその上に米国を支配する巨大資本がいると述べています。
誠に身も蓋もない話ですが、事実を見ればまさにその通りに動いてきたわけなので、日本の軍国化以外にはさしたる志を持っていなかった安倍政権が売国の政権にならざるを得なかった必然性も、そこにあったのでした。
そして菅政治がこれまでの売国政治、利権政治をそのまま引き継ぐことになるのは確実だと述べています。安倍政治追随以外の志を見つけることのできない菅氏であれば、情けないことですが、その通りになるしかないのでしょう。
植草一秀氏のブログを紹介します。
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菅内閣が継承する営利化利権政治
植草一秀の「知られざる真実」 2020年9月 2日
政治の役割とは予算の編成・執行と法律の制定。これが二本柱だ。
法律も予算の執行のためのものが圧倒的に多い。
政治に力を注ぐ与党議員の多くが、政治活動が生み出す利権を動機としている。
安倍首相が辞意を表明し、後継者選出の過程に移行した。
当初の読み通り、菅義偉氏が後継首相に就任する流れがあっという間に形成された。
流れを作った主因は「利益動機」である。
小選挙区制度が導入されて以来、政党執行部への権力集中が進展した。権力の源泉は公認権、資金配分権、人事権だ。主流派に属することで権力集中の恩恵に預かれる。
二階俊博氏が菅後継の流れを作り、主要派閥が主流派に乗り遅れまいと行動し、菅一強体制が構築された。
安倍政治の本質は何か。安倍政治の本質は大資本の利益極大化である。日本政治の支配者は巨大資本だ。
米国を支配する巨大資本が日本をも支配している。この意向に逆らう者は人物破壊工作の対象にされる。
この勢力の僕(しもべ)になれば身の安泰が約束される。
安倍政治が7年8ヵ月もの長期にわたって存続したのは、安倍首相が日本の支配勢力に隷従したからだ。大資本の利益極大化追求。これが安倍政治の本質である。
この政治潮流の先駆者は小泉純一郎氏。2001年に発足した小泉内閣が大資本の利益極大化政治を導入した。これを焼き直して強化したのが安倍政治だった。
小泉氏は「構造改革路線」と称した。
プラスの響きのある用語を使えば、悪魔の政策も善良な政策に偽装することができる。安倍氏はこれを「成長戦略」と称した。
成長戦略の柱は次の五つだ。
農業自由化
労働規制撤廃
民営化
特区創設
法人税減税
これらのすべてに共通する目的がある。それが大資本利益の極大化だ。
日本農業を国際大資本に支配させる制度変更が強行されている。
TPP参加もこの文脈のなかに位置付けられる。
「働き方改革」という名の「働かせ方改悪」が強行された。
すべては、大資本の労働コストを圧縮するためのもの。
特区と民営化は「新しい利権」だ。
加計学園の獣医学部新設に便宜が図られた。
「構造改革」や「成長戦略」と表現すると善政に聞えるが、実態は「新しい利権政治」である。
「民営化」の実態は「営利化」だ。必要不可欠な公共財供給の事業を譲渡されることは「国家による利益保障」である。
国際大資本の利益極大化政策の一つとして「民営化=営利化」が重要視されている。
「民営化」事業を請け負う企業の動機は利潤である。
事業を民間企業が担えば、必ず利潤の分だけ提供されるサービスの価格が上がる。
適正な管理体制の下で公的に事業を運営することが市民の利益になる。
菅義偉氏は小泉内閣、安倍内閣の「大資本利益極大化」、「新しい利権政治」の路線をそのまま継承する。
この「売国政治」の水面下で蠢くのが「政商納言」だ。
種子法廃止、種苗法改定、漁業法改定、水道法改定、TPP批准のすべてが「新しい利権政治」にかかわるもの。
菅政治がこれまでの売国政治、利権政治をそのまま引き継ぐことになるのは確実だ。
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