2020年12月9日水曜日

09- 超高給取り・首相の食事代(本澤二郎氏)

 首相動静欄を見ると、菅首相はこのコロナ禍の中でも超一流のホテル(旧「ホテル大倉」など)での朝昼晩の豪華食事の贅沢三昧に耽っています。

       ⇒12月5日) 感染急拡大の大阪市 維新政治の下で何が
   (上記タイトルの2番目の記事「菅首相はコロナ禍でも朝昼晩『外食フルコース』
     の贅沢三昧」)

 東京タイムズ元政治部長・政治評論家本澤二郎氏が同氏のブログ「日本の風景」で手厳しく批判しました。
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超高給取り・首相の食事代
                  本澤二郎 日刊ゲンダイ 2020年12月08日
                       本澤二郎の「日本の風景」(3828)
<「高給レストランでの官房機密費支払のタダめしやめろ」の合唱>
 世界的な経済不況と保護主義の台頭+コロナ襲来によって、多くの国民は財力も精神も疲弊している。そんな中、国民に生活の見本を示す日本国首相の、高級ホテルレストランでの朝昼晩の贅沢三昧に批判が集まっている。本ブログでは、何度も指摘して反省を強く求めてきたが、菅は依然として止めようとしていない。
 質素倹約を指導すべき与野党の国会議員・霞が関の官僚も、自ら高給を食んでいるため、注意しようともしない。官邸と国会が腐っている。これに司法が加わると、もう日本に希望が生まれるわけがない。
 凡人でも徐々に分かってきたことは、安倍の7年8か月の、これまた天を欺くような贅沢三昧宴会に対抗して、菅はもっぱら高級ホテルレストランで、隠れるようにして、会食三昧に精を出していた。虫歯になるわけである。
 虫歯を甘く見るなかれ、である。命を落とすこともあり得る。
 当人からは「今まで通りの生活パターンで何も変わっていない。安倍に比べれば、せいぜい2分の1か3分の1の費用だ」と反論したいのであろう。わが日本の新聞テレビ記者も、NHKは無論のこと大金をもらっているせいか、国民目線での報道を忘れている。新聞よ、テレビよ、目を覚ませ、である。
 日本国首相の報酬は世界一のレベルである。韓国の大統領のように、食事代を自分の懐から出すのが常識であろう。なぜ、血税である官房機密費から支出するのか。主権者をなめているとしか思えない。
 菅のただ飯やめろ、の国民的合唱が聞こえてくるではないか。官の頂点に立つ人物の、血税支出食事三昧NOである。菅の耳には、タクシー運転手や母子家庭などの、悲痛な悲鳴が聞こえないのだろうか。民はやせ細り、官と1%財閥は肥えている、晩秋の寒々しい日本の風景である。

<「官邸の腕のいいコックの食事を自腹を切って食べろ」の叫び>
 首相官邸で生活ししたことのある内閣報道官から、敗戦直後の深刻な話を聞いたことがある。杉原さんだ。彼は敗戦で復員すると、官邸内に住み込んで、邸内の庭を耕して、サツマイモを作って、空腹をしのいだものだ、と教えてくれたものだ。
 今では有名な野球選手・長嶋茂雄の母親は、 背負いかごに野菜や魚を詰め込んで、京成電車を利用して上野駅、山手線に乗り換えて有楽町駅、そこから歩いて歩いて首相官邸に辿り着いた。必死で生きるための、敗戦後の担ぎ屋人生に涙が出る思いである。そんな母の手で育った長嶋だった。ちなみに杉原さんは、現在の袖ヶ浦市出身の中央大学OB。官房長官記者会見を見逃した時、よく彼のメモに世話になったものだ。ナベツネも覚えているだろう。
 御用評論家失格ジャーナリストは、いまの官邸の様子が分からないが、おそらく立派な広い食堂があるはずだ。腕のいいコック・料理人がかなりいる。しかし、菅は7年8か月の間、ほとんど利用していなかったようだ。
 高級ホテルのレストランに行き、そこで秘書官や御用記者らと贅沢な食事に舌鼓を打っていた。首相になった今も、官房機密費を独占している。加藤勝信もまねしているのであろうか。
 国民は、自腹を切って官邸の高級料理を食べろ、と叫んでいるのだが。理由もある。コロナ対策にもなる、とアメリカの学者らも指摘しているらしい。彼らのコロナ対策は、レストランでの食事や移動が、一番コロナに感染する確率が高いと分析している。Go Toイートや、Go Toトラベルなど論外だと決めつけている。
 国の財政は、天文学的借金で泣き叫んでいる。安倍・黒田・菅の責任は重大で、子供たちに顔向けできない。せめて報酬の全額を、国庫に返還すべき立場にあると、庶民・凡人には思えてならない。国家破綻寸前であるのだから、質素倹約して生きている日本人からすれば、菅の血税を支出しての贅沢三昧を容赦できない。ここは遠慮すべきではないだろうか。
<「秘書官との打ち合わせは首相執務室に限れ」とも>
 もう安倍の臭いも消えたであろう、立派な公邸に移動してはどうか。そこにも名コックがいるだろう。横浜の高級マンションよりも、公邸の方が豪華なはずだ。幽霊など出るはずもない。安心して公邸に住めば、そこで秘書官と打ち合わせをすればいい。
 事情通いわく「公邸だと、ハマのやくざを呼び込めないからだろうと、嫌みの一つも言いたくなる」そうな。
 秘書官との打ち合わせは、立派な首相執務室もあるよ、とも提言したい。そのための執務室である。わざわざ高級ホテルで、税金の無駄遣いをする必要などない。完ぺきにすべてが備わっている官邸と公邸である。
 しかも、安全と秘密も保護されているではないのか。
 確かに執務室では、様々な自業自得の事件処理に、中村格など警察官僚を呼んだりできないことは分かる。たとえば、1500円パーティー・ゴルフコンペ・成田山バス旅行などなど、政治資金規正法や公選法の違反事件処理に執務室利用は良くない。自己の犯罪行為の処理は、公務・国政とは違う。

<農民出身の庶民のために働く内閣が公約だったはず>
 首相就任の2か月前の菅人気は、びっくりするほど高かった。安倍が腰を抜かしたかもしれない。
 むろん、仕掛けがあった。21世紀の特務機関とも大魔神とも恐れられている電通が、新聞テレビを操作、農民出身の集団就職の苦学生という、捏造報道に影響を受けたものだ。人々は、なんとなく新潟の馬喰をルーツに持つ田中角栄を連想したのだ。
 実際は、美辞麗句無縁の、知性無縁の利権に目ざとい政治屋に過ぎなかった?といいたい。庶民のために働く内閣ではなかった。もしも、事実であれば、官房機密費を使っての、高級ホテルでの美食三昧をするはずがない。
 報道とは、全く違っていた。
 コロナ対策を棚上げした電通五輪に狂奔している、本来は首相になってはならない政治屋に過ぎなかった。内閣支持率急落は当然であろう。

<官房機密費は国務に必要な時にのみ支出OK>
 7年8か月の間に味を占めたのだろうが、もういい加減に官房機密費乱用をやめるべきだろう。誰か反論があろうか。
 政界を誰よりも長く長く見聞してきた、御用記者になれなかった凡人の目には、官房機密費で首相の座を手にした最初の人物だと即断できる。ゆえに、日本会議の安倍晋三に対してと同様に、厳しいボールを投げなければならない責任を、国民に負っている老人である。
 血税である官房機密費は、公益・国務に必要不可欠の場合に使用される札束である。自己保身のため、身内のために支出することは、主権者を欺くことである。反省謝罪を求めたい。日本にそんな余分な金はない!
                  2020年12月8日記
            (東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)