しんぶん赤旗の連載記事『逃げる政権 迫る野党 臨時国会40日』の(6)「ウソもばれて『桜』新局面」を紹介します。
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逃げる政権 迫る野党 臨時国会40日(6)
ウソもばれて「桜」新局面
しんぶん赤旗 2020年12月12日
「その段階で承知していた事実と思われる事柄について答弁している」 臨時国会が事実上閉会した4日。衆院本会議終了直後に記者に囲まれた安倍音三前首相は、「『桜を見る会』前夜祭の費用の一部を補てんしていた場合、これまでの国会答弁と艶艶(そご)が生じるが」と問われると、こう述べました。当時の認識に照らせばウソではなかったという苦しい言い訳です。
問われたことに正面から答えず、その場しのぎの言い逃れをする姿勢は、菅義偉首相も同様です。菅首相は11月25日の衆参予算委員会で、安倍前首相と同様の虚偽答弁をしてきた自身の責任を問われても、「(安倍氏に)確認し答弁してきた」というだけ。事実関係を安倍前首相に確認するよう求められても、「私が確認してこの場でいうべきじゃない」などと述べ、野党が求める安倍氏の国会招致も拒否しました。
報道では、安倍前首相が「ない」といっていたホテルの明細書や領収書が存在し、「差額は補てんしていない」といっていた費用負担が800万円超にのぽることが発覚しています。野党から再三事実関係を確かめて答弁するよう求められたにもかかわらず、あまりにも不自然な説明を国会で繰り返した安倍氏とともに、安倍氏のウソをひたすら追認し続けた菅首相の責任も極めて重大です。
国会での虚偽答弁をただすには、国会の場で事実関係を明らかにする必要があります。野党は、安倍前首相について、ウソをつけぱ偽証罪に問われる証人喚問を要求。菅政権与党が国会招致を拒否すれば、「安倍問題」から「菅問題」へと移ります。事実関係の解明は与野党の違いを超えた国会の責務です。
一方、「桜を見る会」をめぐっては、マルチ商法大手の「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長が今年9月、詐欺容疑で逮捕されるなど反社会的勢力とのつながりをめぐる疑惑でも新しい局面が生まれています。
ジャパンライフは、山ロー元会長あて「桜を見る会」招待状を宣伝材料に荒稼ぎをしていました。山口元会長あて招待状に付された区分番号「60」は首相推薦枠に当たる疑いも持たれています。
菅首相は、招待者名簿は廃棄されているとしてまともな調査すら行わず、菅茸首相らが前政権時、検証を避けるために招待者名名簿を意図的に隠ぺいしたのではないかとの疑いは濃厚なままです。
日本共産党の田村智子政策委員長はH月25日の参院予算委で「局面は変わった。『桜を見る会』についても調査をするべきだ」と強調。「桜を見る会」をめぐる疑惑を国会で最初に取り上げた日本共産党の宮本徹議員は同日の衆院予算委で「(菅)首相の責任でこの問題の真相を解明する必要がある」と迫りました。
田村氏が昨年11月の参院予算委で取り上げ、野党が追及本部を立ち上げて、1年以上にわたり国会で追及してきた「桜を見る会」疑惑。真相解明は引き続き重要課題です。(つづく)