国に登録された作物の種や苗を農家が自家増殖することを事実上禁止する改定種苗法が、2日の参院本会議で自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。
改定法は農業者の権利を奪い、種苗の単なる利用者・消費者にするものです。
本会議を傍聴した人たちからは「ちゃんとした答弁もされず、求めた資料も出てこない。審議は不十分なままだ」「うその説明で強行した」など怒りの声が相次ざ、拙速な審議であったようです。
日本共産党と立憲民主党などは反対しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
改定種苗法が成立 共・立反対 農業者の権利奪う 参院本会議
しんぶん赤旗 2020年12月3日
国に登録された作物の種や苗を農家が自家増殖する場合、許諾料の支払いを求めて事実上禁止する改定種苗法が2日の参院本会議で、自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党と立憲民主党などは反対しました。
同改定には、育成者権の乱用を防止する規定はありません。同改定によって、育成者権のみが強化され種苗会社の力が強くなれば、企業による種苗の支配が強まることになります。自家増殖の事実上の禁止は、農業者の権利を奪い、種苗の単なる利用者・消費者にするもので、農業の多様性や生産者の創造性を奪うことになりかねません。また、新たに許諾料の支払いが求められれば農家の負担が増えるのは明らかです。
日本共産党は同改定の廃案を求めました。
種苗法改定強行に抗議 “食・農壊す政治に審判を”
しんぶん赤旗 2020年12月3日
国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)、農民運動全国連合会(農民連)、日本の種子(たね)を守る会は2日、種苗法改定案の参院本会議での可決・成立に抗議する行動を参院議員会館前で行いました。真冬の寒さのなか参加者は「食・農を壊す政治に総選挙で審判を」と声をあげました。
全国食健連の砂山太一・全農協労連委員長は「コロナ禍から国民の暮らしと命をどう守るか議論すべき時に強行した。審議も不十分で“良識の府″との名をおとしめる蛮行だ」と厳しく批判。改定案に反対する署名が5万人分以上寄せられたことに触れ、「地域での対話の積み重ねのあらわれです。食、農、そのもとである種を守る運動を広げていこう」と呼ぴかけました。
静岡県から駆けつけた農業生産法人・日本豊受自然農の由井寅子代表は「種は命です。みんなのもので、みんなの健康に直結するもの。国民の幸せと健康を守らない政治は変えなくてはなりません」と語りました。
本会議を傍聴した人たちもマイクを握り「ちゃんとした答弁もされず、求めた資料も出てこない。審議は不十分なままだ」「うその説明で強行した」など怒りの声が相次ざました。