2020年12月8日火曜日

『逃げる政権 迫る野党 臨時国会40日』(1)・(2)

  新型コロナウイルス対策や日本学術会議会員候補の任命拒否問題などが「焦眉の大問題」となった第203臨時国会。逃げ回る菅政権を野党がどう追い詰め、どんな成果が生まれたのか。


「お答えを差し控える」―菅義偉首相のお得意″となったフレーズです。菅首相が臨時国会中に「答弁」や「説明」などを「控える」として答弁拒否した回数を本紙が集計したところ、11月30日まで計111回にのぼりました
 このうち学術会議関連が最も多く51回を占めます。「学問の自由」を保障するため、首相の任命は「形式的」だとしてきた廓釈を180度変え、6人の会員候補を任命拒否した重大問題でした。

        臨時国会での菅首相の「答弁拒否」回数

 

学術会議任命拒否問題

51

 

桜を見る会

27

 

安保・外交

7

 

憲法改正

6

 

自民党議員の不祥事

6

 

新型コロナ

5

 

その他

9

 首相はその理由を問われ、「総合的・俯瞰的観点」「多様性の確保」などくるくる説明を変更。日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委質問(11月4日)では、「6人を任命すると(学術会議の)『総合的・俯瞰的活動』に支障をきたすのか」と問われ、「人事に関することでお答えは差し控えたい」。「多様性の確保」を挙げながら、なぜ女性研究者を拒否したのか、その大学から1人の候補を拒否したのかいずれも答えられず、根拠は総崩れとなりました。そのたぴに「答えを差し控え」たのです。
 参院では「推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった」と新たなウソまで持ち出す始末。11月6日の予算委では、小池晃書記局長から「露骨な『政治介入宣言』だ」と糾弾されしどろもどろに。この質問では、「人事のプロセスの説明は差し控える」と壊れたレコードのように14回も繰り返し、ついに答弁に立てなくなりました
 次々と差し出される役人のメモの棒読みに、議場は「自分で答弁しろ」「自助、自助」のヤジで騒然となり、審議はたびたび中断しました。
 国会終盤に再浮上した安倍音三前首相による「桜を見る会」疑惑でも、菅首相の答弁拒否は20回を超えました。
 もともとコロナ危機のもと、就任(9月16日)から足掛け40日も政権の所信を示さなかった菅首相。記者会見も就任会見以来、短時間の「ぶら下がり会見」を除き、閉会前日まで開かず、国民への説明責任も果たしませんでした
 コロナ感染「第3波」といわれるなか、感染爆発の阻止や、「年を越せない」という国民の苦難への緊急対応などの議論を放棄し、野党の会期延長要求も無視して、短い会期のまま閉会を強行した政府・与党。志位氏は「菅首相の前任者を上回る強権ぶり、冷酷さ、そして国民に説明する意思も能力もない。そういう姿勢が早くも浮き彫りになりました」(12月4日、党国会議員団総会)と指摘しました。 (つづく)


逃げる政権 迫る野党 臨時国会40日(2)
  「検査・保護・追跡」を提言
                        しんぶん赤旗 2020年12月7日
 新型コロナウイルス感染症拡大への菅政権の無為無策と逆行ぶりのもと、感染の危機的拡大は「菅政権による人災」とも言える状況です。
 感染者が急増するもと日本共産党の志位和夫委員長は11月12日の記者会見で、感染爆発を阻止するため「検査・保護・追跡」の抜本的強化を訴える緊急提言を発表。19日には、医療機関と高齢者施設に対する社会的検査を全国庫負担で緊急に広げるよう再度要求ました。倉林明子議員は参院本会議で、全額国庫負担でのいっせい・定期的なPCR検査の実施を迫りました。
 東京都・世田谷区、千代田区、江戸川区、神戸市、福岡市、北九州市、沖縄県、広島県、北海道・函館市、静岡県・三島市などの自治体で社会的検査の取り組みが動き出す中、「面的な検査」に後ろ向きだった政府も、日本共産党の主張を否定できなくなっています。政府分科会の資料でも、医療・高齢者施設への「社会的検査」、繁華街などの「大規模・地域集中的検査」の有効性を認めています
 多くの病院・診療所が、患者の受診抑制などによる大幅減収で「コロナ経営危機』に直面し、「4割以上の医療機関がポーナスカット」(日本医労連の調査)など、医療従事者の「コロナ賃下げ」が起きています。菅首相は「コナ患者に対応する医療機関支援のため3兆円を投入した」と言いますが、実際に現場に届いたのは予算の2割程度です。
 田村智子議員は参院内閣委員会で、医療機関への緊急包括支援交付金が現場に届かない実態を示し、「医療分野への予算は医療機関が最も求める減収補てんにあてるよう決断を」と迫りました。
 政府のコロナ対策分科会も「Go Toトラベルの「一時停止」を提言し、多くの専門家が.「感染拡大の契機」と指摘したにもかかわらず、事業に固執する菅政権。日本共産党は各野党とともに、全国一律の実施を見直すよう繰り返し迫りました。
 高橋千鶴子議員は衆院国土交通委員会で、「Go To」事業の感染拡大への影響をただし見直すよう追及。宮本徹議員が衆院厚生労働委員会で、「事業を続ければ、政府が本気で感染を抑える『勝負の3週間』だと言っても国民には伝わらない」と迫ると、野党席からいっせいに「そうだ」の声が響きました。
 しかし、政府は札幌市と大阪市を「目的地」とする旅行を対象外とすると言い出しましたが、事業はあくまで継続。どの地域を対象から外すかは知事の判断に丸投げ″です。さらに12月2日には「来年6月頃末まで延長」と発表しました。  (つづく)